2019年11月24日(日) |
スマスイは神戸市民のものだ! |
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神戸市立須磨水族館は市民から「スマスイ」と呼ばれて親しまれてきた。王子動物園と並んで神戸市民の憩いの場だったのである。神戸っ子なら誰でも小学生の頃に家族で来たことがあるはずだ。阪神大震災では多くの被害を受けたが、そこからもみごとに復旧したのである。
そのスマスイが老朽化したので建て替えることになった。そのためにかかる費用をねん出するために民営化することになったのである。さて、民間業者ならば当然のごとく、利益を出すことが大事である。9月に発表された優先交渉権者の提案内容によれば、新施設には西日本唯一の展示となるシャチ棟のほか、イルカ棟、魚類・アシカ・ペンギン棟の3棟で構成。施設規模は西日本最大級になるとみられ、2024年3月末のオープンを目指しているという。
ただ、当然のことながら料金は据え置きというわけにはいかない。近隣の水族館との比較してみよう。大阪にある海遊館の料金は大人2300円である。京都水族館はWEB割引で2050円である。それらに比べてリニューアルオープンの新スマスイの料金ははるかに高くなることが決定してるのである。高校生以上は3100円になってしまうのだ。これでは彼女と一緒に行くには高すぎるのである。二人分の料金はラブホテルのご休憩料金よりも高いのである。「こんなことなら水族館やめてラブホにしようよ!」という不健全なカップルが発生することは間違いないのである。
幼児と小中学生の料金でさえ1800円なのだ。子どもが二人の家族連れで入ったらほぼ1万円になってしまうのである。これでは家族連れにとってはちょっと痛い出費となるのである。
オレは水族館の民営化ということに対して少しうさん臭いものを感じている。たとえばオリックスが運営してる京都水族館だが、ここは入場者数が非公表である。非公表ということはもしかしたら売り上げをごまかしてるのかも知れない。実際は年間100万人入ってるのに、80万人しか入ってないことにして脱税してるかも知れないのだ。また、民営化することでそこで働く人たちが公務員ではなくなってしまうわけで、学芸員などの地位が不安定な身分になったり、非正規雇用の人が増えてしまってそこで働く人たちの待遇が悪化することも十分に予想される。
神戸市は近々事業計画を認定して、12月上旬にも事業者グループと基本協定書を締結する見込み。同会は今後も署名活動を続けるとしている。いったいどこがこの事業を引き受けるのだろうか。もしかしてオリックスがまたまた京都水族館に続いて受注するのだろうか。そうするとまたしても入場者数非公表でうまく金儲けに利用され、神戸市民は高額の入場料金を負担させられるのである。それがおいしいビジネスだから民間業者が乗り出してくるのだ。神戸市には残念ながらそうした人材がいなかっただけのことである。
もっとも水族館事業というのはかなりのリスクがある。一つ間違うと魚の大量死などが起きたりするのだ。ぼったくりの民間業者にやらせるよりも、どうせなら近畿大学とか立命館大学に丸投げしたほうがはるかにうまく行くような気がするのである。あるいは神戸大学の海事科学部にでも協力させてみるとかいうのも一案だろう。
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