2016年08月17日(水) |
食べログは果たして役に立つのか? |
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初めての店に行くとき、その店の情報をスマホで検索するのはもはや常識となってしまった。そういうわけでオレもスマホで必ず調べることにしているのだが、そこで得られる情報が必ずしも正しいとは限らないというのも事実である。
オレは夏休みに東京に出張していた。そのときにある古い洋食屋に立ち寄ってオムライスを食べた。はっきり言っておいしくなかったし、その店が流行ってない理由もすぐにわかった。ものすごく店が汚いのである。こんなに汚かったら当然・・・というか、床を何匹かの巨大なゴキブリが動き回り、オレはオムライスを食べつつ、そのゴキブリが自分の方に来ないかどうかが気になって食事どころではなかった。
その店は食べログでは☆3.29という評価をもらっていた。そして確かに「おいしくない」という評価をつけてる人もいたが、おおむね好意的な評価に満ちていたのでオレはある程度それを信用して店に入ったのである。数少ない低評価のレビュワーこそ、真実を語っていたのだとわかったのだが、それは食べ終わってから気づいたことであるし、そしてもちろんのことだが、ゴキブリについて触れたレビュワーはいなかった。
その店がゴキブリの巣窟であるという事実をもしも食べログに掲載されたら、店にとっては大打撃であろうし、それを読めば普通の人は絶対にいかないだろう。それでも果敢にチャレンジするのは、そもそも食べログなんか見ていない高齢者の常連のみということになる。果たして食べログを見てから来る客が客の中の何%なのかはわからないのだが、有害情報の与えるインパクトは絶大だ。場合によっては店は廃業に追い込まれるだろう。
以前に食べログに悪く書かれたから店の評判が落ちたという訴訟が提起されていた、その時に訴えられるのはその記事を書いた人ではなくて記事を放置した情報サイトの側である。もしもその情報が事実であった場合、それを書かれたからと腹を立てる方がおかしいとオレはかつては思っていた。しかし、食べ物屋をどのように受け取るかというのはあくまで客の側の主観なのである。
オレはゴキブリは絶対にいやだが、世の中にはゴキブリが数匹居てもOKという方は多いだろうし、虫を食べるのが好きな人もいてたとえお好み焼きに混入していても怒らない人もいるだろう。オレはこれまでの人生で二度、熱いそばのだしにハエが混入していた経験があり、二度とも作り直してもらったがはっきり言ってもうその店で食べたくはなかった。
オレはキャベツ焼きが本当に好きで、週に二回はあべのキューズモールにある140円のキャベツ焼きを買って食べている。ただ、キャベツ焼きを再び食べる様になるまでにはには長いブランクが存在した。玉造には20年くらい前によく利用していた屋台のキャベツ焼き屋さんがあった、そこである時オレは並んでるときに小さなゴキブリが焼く前の生地の中に落下するのを目撃した。それまでしょっちゅうそこでキャベツ焼きを買っていたのに、オレは二度とそこで買わなかった。それどころではない。オレはそれからしばらくキャベツ焼きやお好み焼きというコナモンが喰えなくなってしまったのだ。それほどオレにとってゴキブリというのは不倶戴天の仲なのである。それがそこに存在するというだけで絶対に許せないのだ。
まだオレが大学生の頃に入った天王寺のあるラーメン屋はカウンターが大変不潔で、ほこりやゴミが隅っこに貯まっていて、オレの目の前のところにはゴキブリの巣があった。見ているだけで気分が悪くなったオレは、ラーメンを大量に残して店を立ち去る前にそのゴキブリ退治をしておこうと思い立って爪楊枝でそのゴキブリどもを攻撃し、7,8匹を串刺しにして殺害してそのまま前に放置しておいた。こうやってゴキブリを目立つ様に置いておけばどんな鈍感な店主でも店の不潔さに気づくだろう。そしてオレは友人たちにその店の不潔さについて力説した。もしも当時ブログや2ちゃんねるというものがあれば、店はきっと廃業に追い込まれただろうし、カウンターにあるゴキブリの巣を放置しているラーメン屋はそれだけで十分店がつぶれるだけの罪を背負っている。しかし店はつぶれることなくそれからも長く営業し続けていた。
やはり訴訟の影響なのか、最近の食べログではネガティブな情報は巧妙に隠蔽されるか、あるいは取捨選択されているようだ。そこでオレはレビュワーたちに頼みたいのである。できるだけ真実を伝えてもらいたい、しかもそれは「ほめているようで実はけなしている」という巧妙な書き方で、削除されない様にうまく書いて欲しいのだ。
もちろんそのような高度な文章力があるのはごく一握りの書き手に限られるだろう。その書き手が同時に味に対するすばらしいセンスを持ってるかというと否である。天はなかなか二物を与えないのである。
ただやはりオレは思うのだ。食べログが伝えられる情報はその書き手の単なる主観であり、自分とその書き手のセンスが完全に一致するかどうかがわからない以上、やはり自分が食べて確かめるしかないのだと。京都にはオレが愛する「ビイヤント」というカレー屋がある。その店は食べログでは☆3.5という評価である。これは不当に低すぎるとオレは常々思っている。どうして☆4.3位の評価にならないのだろうかと思うのだ。また「とようけ茶屋」という北野天満宮の前にあるおいしい湯豆腐が安価に食べられる店もなぜか☆3.5なのである。
ゴキブリが闊歩している店が☆3.29であり、おいしくて超人気の店が☆3.5である。それだけでもこの食べログというものの評価がいかに無意味なものであるかがわかるだろう。美味しい店かどうかは信頼できる口の肥えた人から直接教えてもらうのが一番である。もっとも本音を言うとあまり教えたくないという気持ちである。情報が拡散して混雑されると困るからである。
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