2015年07月31日(金) |
死海を第二のアラル海にするな! |
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世界第二位の湖だったアラル海は、灌漑用水のために流入する河川の水量が激減した結果どんどん面積が縮小して干上がってしまった。今はほとんど湖が残ってない状態である。オレは以前にこの日記で、黒海からカスピ海に運河を掘り、ついでにそこからアラル海に運河を掘って海水を導入してアラル海を救えという壮大なプロジェクトを提唱したことがある。もちろんそんなことが実現することもなく、アラル海周辺地域は完全に滅びてしまったわけだが、今その二の舞になろうとしているのが、あの有名な死海なのである。
死海の場合もアラル海と同じく工業用水や灌漑用水に使うために流入河川の水が使われた結果どんどん水位が低下して面積が縮小してしまったのである。ただこちらはまだ規模が小さいことと、海からさほど離れていないということで救いがある。オレが提唱するのは紅海から海洋深層水をくみ上げてそれを死海に流し込むという方法である。海面付近の水を取水すると珊瑚礁などに著しい被害が発生するかも知れない。それで取水口を海底200mくらいのところに設置して、深海からの水を取水し、それをトンネルの形でパイプラインを通して導水するのである。
死海の水面は海抜マイナス428mである。だから深さ200mの海底から取水してもまだ200m以上の落差がある。それだけの落差があれば十分に導水可能だ。しかも深海からの取水なら水圧があるので水を送るときにポンプで加圧する必要もない。なかなかの名案だと思うのである。
こんなことを書いたら「そんなSFみたいな話、できるわけがない!」と言われそうである。しかし、青函海底トンネルは深さ140mの海底からさらに地下100mのところを通っているわけだ。それを考えればこの「死海導水路」はそれほど困難なものとは思えないのである。
導水路の入り口には魚がどんどん吸い込まれないようななんらかの工夫が必要であるとは思う。ただ、それは解決可能だろう。サイクロン掃除機のように回転しながら水だけを流し込んで魚は吸い込まないような工夫をすればよいと思うのだ。それくらいの工夫はダイソンとかに頼めばなんとかしてくれるだろう。
もしも海水をそのまま導水するのがよくないのならば、淡水化の巨大な施設を建設してその水をどんどん流せばいいのである。そのエネルギーは太陽光発電で作ればいいわけで、一度造ってしまえばあとはメンテナンスだけきっちりやればいいのだ。
もちろん海底トンネルにしなくても、つまりいったん標高の高いところまで水を上げてから導水してもいい。その場合は今度は落差を利用して水力発電が可能になるし、それは周辺国にとって大きなエネルギー源となるだろう。
死海は周辺国であるイスラエルやヨルダンにとって大きな観光資源でもある。また死海の水に溶け込んだミネラルや塩を取り出すことで工業的にも利用されている。だからどうしてもこの存在は守らなければならないものである。だったらたとえ費用は掛かってもなんらかの対策を緊急に打つ必要がある。そして日本の企業がそのためのお手伝いができるのならば協力を申し出るべきではないのか。トンネルを掘るということにかけては日本の技術は世界の最先端を行くものである。このような巨大プロジェクトを成功させれば日本とイスラエルやヨルダンとの友好にも大いに役立つだろう。
またこの巨大プロジェクトを通じて、あまり仲が良くないヨルダンとイスラエル、パレスチナの協力関係を構築できれば周辺地域の緊張緩和にも役立つのではないか。工事を実施すれば大量の雇用も発生する。少なくともこの巨大プロジェクトをうまく利用して、関係国がウインウインの関係を築くことは可能だとオレは思うのである。
今、死海の水位は毎年1mずつ下がってるという。これは緊急に食い止めないといけないのである。水位が下がったことで死海の周辺ではあちこちに巨大な陥没が発生して周辺住民は安心して暮らすこともできずに土地を放棄しているという。とにかく計画は迅速に進めないといけないのだ。このまま放置すれば取り返しのつかないことになってしまうのである。
死海を決して第二のアラル海にしてはならない。それは周辺国の誰もが理解しているはずだ。海水導入に関しては環境団体がいろいろと文句を付けてるらしい。しかし、死海が干上がることで起きる大規模な環境破壊に比べればそんなことはたいした問題ではないとオレは思うのだ。
ISISの問題なども抱えている今、テロを阻止しつつこのような巨大プロジェクトを行うのは困難きわまりないことである。しかし、時間はさほど残されてない。死海が干上がるまではあと数十年しかない。2050年にはもう死海は完全に消え去ってるかも知れないのである。
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