2013年10月29日(火) |
馬鹿が住宅政策を行うとこうなる |
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URの賃貸住宅はクソである。家賃は高いし、場所は不便だし、どうしようもない物件が多い。そんな場所でそんな値段で借りる人間がいるんだろうかといつもオレは思うのである。空き室になるのも当然だし、そのURのおかげで民間の賃貸住宅業者は大助かりである。割高な物件をURが示してくれることで、他の物件が相対的に安く見えてしまうのである。需給関係で家賃が決まるならもっと相場が下がっていないとおかしい。価格破壊を阻むのはURであるとオレは思っている。
そのURが民間から借り上げて賃貸していた住宅は、借りる際に満室を前提に家主に賃料を支払う契約だったらしい。もちろん常に満室なんてことはありえないし、家賃を踏み倒す連中もいっぱいいるわけでその分のリスクを差し引いて契約条件を決めないといけないのである。しかし、UR(かつての住宅公団)側はそんな面倒なことはしなかった。その結果こんなことが起きているのである。毎日新聞の記事を引用しよう。
<UR借受賃貸>空室で99%赤字…損失30億円
毎日新聞 10月28日(月)8時0分配信
独立行政法人「都市再生機構」(UR)が民間マンションを借りて賃貸する「特別借受賃貸住宅」について会計検査院が調べたところ、昨年度は83団地のうち82団地(99%)が赤字で、約30億円の損失が出ていたことが分かった。検査院の試算では今後、累積赤字が100億円前後に膨らむ恐れがあるという。URは国がほぼ全額を出資しており、財務状況が悪化すれば国民負担につながるため、検査院は改善を求める。
検査院は今年3月末時点で運営されている全国83団地の収支や空室状況などを調査。昨年度は家賃収入が約63億円あったが、オーナーに支払う借受料は約93億円で、約30億円の赤字だったことが判明した。黒字はわずか1団地だった。
URの前身である住宅・都市整備公団などがオーナーと契約を結んだ際、満室を前提に借受料を決めたが、実際は空室が発生して家賃収入が思うように得られず、赤字になったとみられる。昨年度の空室率は平均で約19%で、半数以上が空室の団地もあった。
契約の更新時に借受料を減額することも可能だが、約15年前に一部オーナーと話し合った際に交渉が決裂したことがあり、その後は本格的な交渉は行われていないという。
URは2007年、政府が独立行政法人の合理化を決めたことから、オーナーとの契約を更新せず、事業を廃止することを決定したが、すべての契約期間が終わるのは20年度になる。
近年は家賃相場の下落などもあり、赤字が常態化。検査院はこうした状態が続いたとして試算したところ、20年度までの累積赤字が約100億円に達する恐れがあるとの結果が出た。
検査院はURに対し、部屋の間取りを変更して入居者を増やすなどの対策が必要だと求めるとみられる。UR広報チームは「検査についてはコメントできない」としている。【古関俊樹】
◇特別借受賃貸住宅制度
UR側が個人や民間業者の所有地にマンションを建設し、建物を相手に譲渡した後、そのマンションを借りて賃貸事業を行う制度。オーナーはURから借受料を徴収し、分割で建設費を支払う。URは土地を取得せずに賃貸事業ができるメリットがある。都市部の住宅不足を解消するために1988年に始まり、これまでに約130団地が整備された。
この「特別借受賃貸住宅制度」の仕組みなら、オーナーはノーリスクで賃貸住宅事業を行えることになる。入居者が減って空き室が増えた場合の収入減少で本来ならオーナーが負担すべきマイナスは、URがすべてカバーしてくれるのだ。そんなおいしい仕組みならもしもオレが地主なら喜んで土地を提供しただろう。
なんでそんな不利な条件で契約したのか。そして家賃相場が下落しているのに借受料の減額交渉が進まないのか。URも舐められたものだが、もしも赤字になってもURが倒産するわけでも職員の給料が減るわけでもない。どうせ最後は国がなんとかしてくれるとみんなたかをくくってるのである。働かなくても給与は保証されてるわけで、別に改善する必要などないのである。
日本の住宅政策の失敗はオレがここにいちいち書くまでもない。かつてのニュータウンが今や老人の街と化し、老朽化したマンションは建て替えることもできず、郊外に開発した新興住宅地は今や空き家だらけで治安が悪化している。住宅ローンという借金を背負わせて専業主婦という層をパートに走らせ、多くの国民を銀行の債務奴隷にしたことが果たして正しかったのか。なぜ50年、100年先を見据えた政策が立てられなかったのか。オレはそんな程度の思考力しかない連中が国家の舵取りをしていることが実に腹立たしいのである。
政治というのは常に先を見ていないとだめである。近視眼的な視点で目先のことだけを考えて進めた政策が将来破綻するリスクを負ってるときに、誰がその責任を取るのか。原発が将来事故や廃炉費用のリスクを抱えてるのになぜ強力に推進したのか。未来にツケをまわした結果生まれた巨額の借金は日本をこれからどのようにしていくのか。
東京オリンピックの経済効果がこれだけあるとか、カジノが必要だとか、国民の未来をゼニでしかはかれない情けない連中が日本の政治を動かしていることがオレは悔しいのである。大切な価値はゼニとは無関係のところにあるんだということをわかっている人たちはどれだけいるのだろうか。
参考: かつて家にはお母さんがいた・・・
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