江草 乗の言いたい放題
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2011年05月21日(土) 「鳴き砂」は日本の海岸の至宝である        ブログランキング投票ボタンです。いつも投票ありがとうございます。m(_ _)m 携帯用URL by Google Fan

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 「鳴き砂」と呼ばれる海岸が日本全国に100カ所程度あるという。「鳴き砂」になるためには様々な条件が必要だが、なんといっても砂に不純物が混じっていないことが一番大切であり、海が汚れているとダメなのである。かつて「鳴き砂」だった海岸が、海が汚れて鳴らなくなってしまったところはたくさんある。

 オレが心配したのは、今回の津波被害でこの「鳴き砂」海岸にも多大な被害が出ているのではということだった。大量のがれきや濁流が押し寄せる一方で、引き波がきれいな砂を沖に運び去ってしまっていたらどうなるだろうか。そんな危惧をしていたのである。三陸海岸にも「鳴き砂」で有名な海岸がある。だからこの記事を読んでオレは安堵したのだ。読売新聞の記事を引用しよう。 

津波に耐えた「奇跡の浜」、天然記念物に指定
巨大地震
 宮城県気仙沼市の鳴き砂海岸「十八鳴(くぐなり)浜」と「九九(くく)鳴き浜」は、東日本大震災の大津波と地盤沈下に見舞われながら、今でも「キュッキュッ」「クックッ」と力強い音を奏でる。
 保全活動に長く取り組んできた住民からは「奇跡の浜だ」と、天然記念物への指定に喜びの声が上がった。
 震災で浜には大量のがれきが打ち上げられたが、砂の流失はほとんどなかった。十八鳴浜近くの大島中学校を卒業し、地元漁船員OB組織「大島海遊会」会長として浜の清掃活動を続けてきた、同市中山、無職村上実さん(68)は「活動が評価されてうれしい。津波に耐えた『奇跡の浜』を多くの人に見に来てほしい」と話す。
 鳴き砂は、石英の純度が高く均一な砂粒が特徴だ。不純物が混じると音がしなくなるため、自然環境が守られているかどうかの「バロメーター」と呼ばれる。大島中の校歌では「世界のくぐなり 砂のリズム」と歌われ、愛されてきた。
(2011年5月20日23時21分 読売新聞)


 津波被害の大きかった宮城県気仙沼市で、この二つの鳴き砂海岸が津波に耐えたことは本当に奇跡であるとオレも思うのである。打ち上げられた大量のがれきを片づけて美しい浜を取り戻すために地元の人たちはどれだけ苦労しただろうか。この美しい海岸はそこに住む人にとっての宝物であるだけではなく、日本国民にとっての至宝である。美し資源環境を維持するためには住民の努力と、そこを訪れる観光客へのアピールが必要だ。観光客のマナーが悪くて海をせば砂は鳴らなくなってしまうからだ。

 宮城県にはもう一つ「鳴き砂」で有名な海岸がある。それは阿武隈川河口近くに位置する汽水湖「鳥の海」のところにある「吉田浜」である。津波で大きな被害が発生した荒浜地区の近くに位置するこの「吉田浜」は2006年11月に仙台市の明成高等学校の調査チーム等によって鳴き砂が広がっていることが発見された。汽水湖河口南側に広がる吉田浜の海岸線約3キロが、国内最大規模の鳴き砂海岸になっていたのである。今この「吉田浜」はどうなっているのだろうか。多くの犠牲者を出した津波のことを思えば、失われた人命に比べれば砂が鳴くかどうかなんて些細なことかも知れない。しかし、元通りのきれいな砂浜を取り戻せてこそ亡くなった人たちへの鎮魂になるような気もするのである。

 復興事業とは津波で流された街や港を再建するだけではない。元通りの美しい自然を取り戻すこともたとえ後回しでもいいから忘れないで欲しいとオレは願っているのである。


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