2010年08月07日(土) |
なぜ若者は年金掛け金を払わないのか? |
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国民年金の掛け金の未納率がどんどん上昇している。納付率は1年に2ポイントずつ下降しているらしい。2009年度の納付率が59.98%でついに6割を切ったわけだが、このペースで下降していけば30年後には誰も国民年金の掛け金を払っていないという状況になるのである。それで制度が維持できるわけがない。遠からずこの仕組みは破綻してしまうだろう。それはもう逃れようのない未来なのである。
毎日新聞の記事を引用しよう。
<国民年金>未納4割超す 過去最悪に (毎日新聞 - 08月05日 22:03)
日本年金機構は5日、09年度の国民年金保険料の未納率が40.02%(08年度37.9%)となり、過去最悪になったと発表した。納付率は59.98%で初めて6割を割った。未納率の悪化は4年連続。年金機構は悪化理由を「年金記録問題への対応に人手を割かれた」と説明するが、未納率悪化に歯止めが掛からないだけでなく、「ねじれ国会」の下、民主党の主張する制度改革の行方も不透明で、無年金・低年金者増大の懸念は強まるばかりだ。
年金機構は納付率が高い団塊の世代のうち、49年生まれが60歳に達し、受給者側に回ったことも悪化の原因に挙げる。未納率を世代別に見ると、25〜29歳は52.9%と最も高く、最低の55〜59歳(26.7%)の倍近い。若い世代を中心に年金制度への不信が高まっているのに加え、非正規労働者が増え、定額保険料(10年度は月1万5100円)を払えない人が急増していることも影響している。
こうした事態を踏まえ、民主党は所得に応じた払いやすい保険料とし、国民年金の代わりに全額税による最低保障年金を創設するとしている。しかし依然具体性に欠け、国民の不信解消には結びついていない。同党は年金機構と国税庁を統合した歳入庁をつくり、徴税ノウハウを用いて未納を減らすとも言う。だが、徴税していない課税最低限より低い所得の人から保険料を集める能力があるのかどうかも未知数だ。
国民年金保険料の未納率は92年度の14.3%を底に年々上昇し、02年度に当時過去最悪の37.2%まで悪化した。年金機構の前身、旧社会保険庁は「納付率80%」の目標を設定し、一時は回復に向かったものの、07年度に年金記録問題が発覚、納付担当職員の6割を記録問題に充てたことが響き、毎年約2ポイントずつ低下している。年金機構は当面の納付率目標を「現状維持」とする意向だが、年金記録問題を重視することが制度の劣化を招くという皮肉な状況に陥っている。【鈴木直、山田夢留】
さて、定額保険料の月15100円だが、オレはこの金額をかなり高く感じるのである。いつのまに国民年金の掛け金はこんなに上昇してしまったのだろう。デフレなのに給付を減らさず、デフレなのに掛け金は昔に比べて上昇している。どうして若者にこんなに負担を強いるのか。先に払えそうな金額を設定して、それに併せて給付水準を下げればいいじゃないかとオレは思うのだ。
もう一つ、若者が年金掛け金を払わない理由がある。それは「掛けたからといってたいしたメリットがなく、むしろデメリットの方が多い」ということだ。デメリットとは何か。それは、年金の収入があれば生活保護を受けにくくなるということである。無理に年金を掛けるよりも無年金で生活保護をもらった方がはるかに裕福な老後が送れるという間違った仕組みが未納へと若者を誘導しているのだ。掛け金を払った方が損なのである。どうしてそれで納付率が上昇するだろうか。そんな当たり前のこと政府はわかっていないのか。
ここでボンクラでも考えられる対策は二つだ。一つは年金給付をいまよりも増やして生活保護よりも多くするということ。もう一つは生活保護費を減らして年金よりも低水準にすることである。こんなことは頭の悪い政治家にでも考えられる。前者は財源がないから無理、後者は生活保護受給者の生存権を奪うことにつながってしまう。だからどちらも実現できず、そして問題は全く解決しないわけだが、オレにはこの問題を解決できる名案がある。こうすれば100%解決できるだろう。そしてこれ以外に制度改革の道はないとオレは思っている。
オレの提案は現行の個別給付の生活保護制度を全廃することである。そして、現在の生活保護受給者は全員、貧民収容所に入ってもらうのだ。貧民収容所というネーミングがよくなければ、地域ふれあいステーションとでも名付ければいい。自治体ごとにそうした施設を設置して、生活保護受給者を全員その施設に入所させてしまうのである。そして個別給付は無くすのだ。その「ふれあいステーション」(とりあえずこの名称で行く)では現物給付しかない。衣食住は保障されるが、それ以外は全く与えられない。憲法で保障された「最低限の文化的な生活」が与えられるのである。3時のおやつはあっても小遣いは無しだ。そんなもの必要ないからだ。欲しかったらバイトでもして稼げということだ。
仮に人口5万人の都市で、生活保護の受給率が2%とすれば、その市には1000人の生活保護受給者がいるという計算になる。そうすれば1000人分収容の施設を建設するのである。そしてそこに100人の職員を配置する、そうすれば雇用対策になるだろう。さて、収容者1000人に対して職員が100人、この職員には老人介護から小さな子どもの学習指導までさまざまな業務が要求される。つまり多種多様な100名の人材を必要とするのである。介護、職業指導、、学習支援、保育などである。複数の資格があれば兼務も可能である。
一人当たり月に10万円の生活保護費が支給されているとする。すると月に1億円、年間で12億円になる。その12億円がこの施設の運営経費となる。仮に職員の平均年収が400万円とすれば直接人件費は4億円である。これなら運営経費に占める人件費の割合はさほど高くない。それ以外にかかる経費に関してだが、生活保護受給者を食い物にする貧困ビジネスがあんなにぼろ儲けしていることを思えば、かなり余裕があるはずだ。
さて、最初にオレは「貧民収容所」と書いたが、あえてそんなコトバを使ったのは、中味とのギャップを感じさせるためである。この施設を、介護・教育・保育・職業支援などあらゆる分野に於いて中味の充実したパラダイスにすればいいのである。職員の中にカリスマ塾講師を配置して学習支援を行えばどうか。オレは教育が一番大切だと思っている。生活保護受給者の子弟はやはり生活保護受給者になりやすいという現実を断ち切るためには教育しかない。だからこそ施設では子どもたちにガンガン勉強をさせるのだ。施設の子どもの方が一般の子どもたちよりもはるかに成績がよいという状況を作り出すのである。そうすればたちまち偏見もなくなるだろうし、施設の子を貧乏人と見下すのはただのひがみ根性の負け犬ということになるのだ。100人規模の職員を配置することでさまざまな支援活動が可能になるのである。どんな能力の職員を何人ずつということは、入所者の年齢構成などで工夫すればいいだろう。
ただ単にばらまかれて、その多くがコンビニ弁当やパチンコ代に浪費されていた生活保護費が、雇用の拡大と教育水準や介護環境の向上につながるのである。そして少年非行を防ぐとか、独居老人の孤独死を防止するとかさまざまな副次的な効果をもたらすのだ。いきなり日本全国で実施するのは困難だろうから、規模の小さな自治体から実施していけばいいだろう。それがうまく軌道に乗れば全国展開すればいい。大阪みたいに不正受給の多い都市はかなりの抵抗があるだろう。そういう場合は定員を絞ればいいのである。そしてあふれた分は田舎に行ってもらえばいい。
制度がしっかりと根付いたら、この施設出身の成績優秀な人が大学を出て将来の日本を支える人材となるだろう。年金問題を傍観していてはだめだ。政治家や官僚はこれまで何も変えられなかったのである。みんなが知恵を出そう。きちっと具体策を示さないといけないのである。そしてやってみて、うまくいかなかった部分は手直しして築き上げていくしかないのだ。
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