2010年01月26日(火) |
なんのために生まれてきたのか・・・ |
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親が子どもを愛する行為は野生動物の場合は本能なのかも知れない。しかし、人間の場合はどうもそうではないようである。幼い頃に親から愛される記憶が重要なのかも知れない。このような我が子を虐待する親の事件に触れるたびにつくづく思うのだ。読売新聞の記事を引用しよう。
小1男児暴行死、全身にヤケドや傷の跡
東京都江戸川区のアパートで長男に暴行を加えたとして、電気工岡本健二(31)、妻の無職千草(22)の両容疑者が傷害容疑で逮捕された事件で、搬送先の病院で死亡した同区立松本小1年岡本海渡君(7)の全身にやけどなどの古い傷が残っていたことが警視庁小岩署の調べでわかった。
また、昨秋に海渡君を診察した歯科医が虐待をうかがわせる傷を見つけ、同区子ども家庭支援センターに通報していたことも判明。同署は岡本容疑者らの暴行が海渡君の死亡につながったとみて、26日、両容疑者を傷害致死容疑で送検する。
同署幹部によると、司法解剖の結果、死因は不詳だったが、海渡君の全身に以前受けたとみられる打撲ややけどの傷跡があり、同署は今後、病理検査などで詳しい死因を調べる。
一方、同センターによると、昨年9月、同区内の歯科医から「海渡君の顔や両足などにあざがある」と通報があった。歯科医は、「『パパにぶたれた。ママは見ていて何も言わなかった』と話した」などと説明し、同センターは、この内容をただちに松本小に伝えたという。(2010年1月26日05時51分 読売新聞)
母親が22歳で、殺された海渡くんが7歳ということは15歳の時に生まれたのか・・・。もっとも母親が若いということだけが悲劇の原因ではない。多くの虐待事件が母親の再婚相手の男によって引き起こされていることを考えた場合、その状況下での母親の心理が大きく影響しているのは間違いない。引用記事中の『パパにぶたれた。ママは見ていて何も言わなかった』の部分だが、夫の行為を止めないのは、それによって夫との間にトラブルを起こしたくないからであり、夫>我が子 であることは容易に想像できる。そして世の中には「自分よりも弱いものを痛めつけることでストレスを発散する」ことしかできないヘタレたちも確実に存在するのである。
昨年9月に歯科医は学校に通報した。完全な「ネグレクト」の場合は医者にもかからせずに放置されることも多いので、まだこの時点では虐待はそれほど進んでいなかったのかも知れない。その時学校は通報を受けてどのようなアクションを起こしたのだろうか。本人を呼んで事情を聞きだしたのだろうか?その時に海渡くんは親から「何も言うな!言えば殺す」などと口止めされていたとしたらどうなのだろうか。少なくともこのときに学校がなんらかの動きを見せいてれば救えたかも知れないのである。
海渡くんは小学校に上がる前、祖母の元で暮らしていた。その時期がもしかしたら人生で一番幸福な時期だったのかも知れない。もしも生まれてから死ぬまでの人生がすべて痛みと苦しみの中にしかなかったのならあまりにも悲しい。虐待される中で海渡くんはどんなことを考えていたのだろうか。
今回の事件、通報がありながら行動を起こさなかった側の責任も問われるかも知れない。しかしオレは小学校の教師たちを責めることもできないと思うのだ。東京都でも地域によっては就学補助を受ける児童も多く、生活保護受給世帯も多いという。オレが何度か取り上げたこともあるが、給食費を踏み倒す親も多いのかも知れない。抱えた問題は無数にあり、その中で「いま虐待されている児童」というのは多くの出来事の中のひとつに過ぎないのかも知れない。現場の教師たちにとって日々はあまりにも多忙であり、余裕がない状況なのだろう。そして生徒たちの何気ない様子から家庭の状況を見抜けるような目をもった教師は昔に比べて驚くほど減ってるのだろう。教育の現場からプロはどんどんいなくなってしまったのだから。
ただ、忘れてはならないことは「児童虐待」という行為が今の日本ではきわめて日常的であり、今回の事件のように死亡にいたることはなくてもその手前までの虐待はおそらく無数に起きているだろうということなのだ。
わずか7歳で失われてしまった海渡くんの生を思うとき、彼はなんのためにこの世に生まれてきたのだろうかと悲しくなる。次に生まれてくるときはもっとやさしい両親の元で、ちゃんと幸せになるんだぞとオレは祈るしかない。
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