江草 乗の言いたい放題
コラムニスト江草乗の日記風エッセイ クリック募金にご協力お願いします。

日記目次(検索可能)前日翌日 エンピツ投票ランキング  江草乗の写真日記  ブログ  お勧めLINKS  

ご愛読ありがとうございます。「江草乗の言いたい放題」は読者100万人を目指す社会派コラムです。一人でも多くの方が読んでくださることで、執筆意欲は倍増します。ぜひ、お友達に勧めて読者数UPにご協力ください。掲示板へのご意見の書き込みもお願いします。

2009年09月28日(月) こら、調子に乗るなカメ!        ブログランキング投票ボタンです。いつも投票ありがとうございます。m(_ _)m 携帯用URL by Google Fan

どうかお読みになる前に投票ありがとうございます。←応援のクリックをお願いします! m(_ _)m 


 モラトリアムとは何か?野村證券のサイトで経済用語を検索すると、次のような説明が出てくる。

モラトリアム[モラトリアム] Moratorium
 法令に基づき、債務の返済について、債権者が債務者に対して、債務の返済を一定期間猶予すること。国家不安が高まった際など、債権の回収が増加することで、回収が困難になり、国家の信用の低下が招かれるような事態が予想されるときなどに行われる。


 亀井静香金融相が「モラトリアム法案」の導入を示唆したことで、今銀行株は暴落している。具体的に言うと、銀行からゼニを借りてる企業や個人が、しばらくの間その債務の返済を猶予してもらえる制度である。銀行から借金した場合、利息と元本を少しずつ返済する義務があるのだが、それを一定期間免除(猶予)させようというのが亀井静香の発言内容である。それによって不況にあえいでいて支払いができなくなった中小企業や、ローンが返せなくなって破産しそうな個人を救済するのだという。もちろんそんなことになれば銀行はゼニがもうからないだけではなくて資金も拘束されるのである。せっかく調達した資金が身動き取れない死に金となってしまうのだ。実施されれば大変である。

 過去に日本でこの「モラトリアム」が実施されたのは、関東大震災の直後の1923年と、1927年の昭和金融恐慌の時である。亀井静香がこのような発言をするということは、現在の日本の経済状況が、上記の2つの時期程度に悪化してるという見解を持ってるからだろう。関東大震災の時、被害を受けた企業が支払いが出来なくなる事態を想定して、緊急勅令によるモラトリアムが出され、9月中に支払期限を迎える金融債権のうち被災地域の企業・住民が債務者となっているものについては支払期限が1か月間猶予された。続いて、その割引手形がモラトリアム終了後にも決済不能となる懸念に対応してこれらの手形に流動性を付与するため、に9月29日には震災手形割引損失補償令が出された。震災以前に割引手形となっていたものを対象として日本銀行が再割引に応じて現金を供給したのである。2年間の支払い猶予を与え、日本銀行が損失を被った場合は政府が1億円まで補償するという内容であった。この処理の失敗が後の昭和金融恐慌の遠因となったのである。

 カメが調子に乗ってる部分のアサヒコムの記事を引用しよう。

「私の発言で株価下がるような銀行は…」勢いづく亀井節 2009年9月27日22時17分
 亀井静香金融相は27日、テレビ朝日の番組で、自身の提案した借金返済猶予策の検討が銀行株の売りを誘っていると指摘されたことについて、「私が言ったから株が下がるほど脆弱(ぜいじゃく)な銀行は、銀行業を営んでいる資格がない」と述べた。金融相は銀行への幅広い監督権限を持っており、発言が適切かどうか、議論を呼びそうだ。
 亀井氏の提案では、中小企業や住宅ローン利用者から銀行への返済を、3年程度猶予することが想定されている。亀井氏は番組で、中小企業の一部については、元本だけでなく金利の返済猶予も検討すると述べた。
 銀行株の値下がりについては、番組終了後に記者団に「(返済猶予で)信用を失うほど投資家や国民から信頼されていないのなら、まず金融機関が自ら反省しないといけない」と強調した。
 また、亀井氏は閣僚の一部や民主党内から猶予策への異論が出ていることについて、連立3党で合意済みの政策と反論。鳩山由紀夫首相の理念に沿った政策だとして、「総理は私を更迭できっこない」と強気の姿勢を崩さなかった。


 カメの認識としては、今の世界恐慌の中で業績不振に陥った企業は関東大震災で被災した企業と同じく非常事態であり、その救済には銀行への支払い猶予しかないということなんだろう。しかし、世界恐慌では融資先企業の破綻によって銀行も大きなダメージを受けている。そこにこのモラトリアム法案が実施されれば、銀行は貸し出したゼニの回収どころか利息も受け取れなくなってしまうのだ。それでは商売にならないのである。そんなむちゃな法案など出したらダメだ。カメよ、おまえは経済がわかっていないのである。
 
 9月10日に550円だった三菱UFJフィナンシャル・グループの株価は9月25日の終値で498円、この発言のせいで10%も値下がりしたのである。他の銀行株も暴落している。元金の返済猶予、利息も取るな!ということは銀行経営を否定するのと同じであり、それで株価が下がらない方がおかしい。ところがカメは自分の発言責任には触れずに「株価が下がるのは銀行が悪いからだ!」と開き直っているのだ。

 そしてこの「モラトリアム法案」の中には企業だけではなく住宅ローンに対する支払い猶予も含まれている。個人救済という点でオレはそこだけは評価したいのだが、銀行にとってはますます困った事態である。企業の業績が悪くなって貸出先がなくなっても、住宅ローンというのは確実に貸出金を回収できる銀行にとってはかなり美味しいシノギだったはずである。それが否定されるのだ。銀行株は下げて当然である。

 カメよ、「総理は私を更迭できっこない」と豪語するおまえは吉川英治の「三国志」に出てくる魏延と同じである。魏延が「誰が我を殺し得んや!」と言い放ったところで馬岱の剣で首を落とされたように、鳩山総理の最初の仕事がカメの罷免だったりして。


↑エンピツ投票ボタン。押せば続きが読めます。登録不要です。応援の投票ありがとうございます。←1位を目指しています! m(_ _)m      週刊アクセス庵もよろしく。   投票博物館


My追加
江草乗の言いたい放題 - にほんブログ村

前の日記   後の日記
江草 乗 |ファンレターと告発メール   お勧めSHOP エンピツユニオン