2009年03月30日(月) |
高速道路1000円の効果はいかに? |
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3月28日にスタートした高速道路の1000円乗り放題だが、GWほどの大混雑にもならずに落ち着いたスタートだった。しかし、来週は京都でそろそろ桜が満開になりそうで観光客がどっと繰り出すような気もする。それがこれからしばらくは毎週やってくるわけだし、それこそGWになれば北から南まで縦横無尽に走り回れるわけで大量のマイカーによる旅行者が発生しそうである。もちろんこれが「京都議定書なんかくそくらえ」というひどい政策であることは百も承知で、しょせんは 景気対策>環境保護 ということなのである。
もしも同様の政策を昨年の今頃やっていたとしても、ガソリンがとてつもなく高かった時には意味がなかったわけで、今みたいにレギュラーガソリンがリッター100円くらいで入れられる安値水準だからこそ「高速道路でどこまでも行ける」というのが値打ちがあるのである。もしも自分が大学生くらいの時にこんな政策が実行されていれば、それこそ旅行しまくっただろうなと思うのである。金曜日の朝くらいに家を出て、その日の0時を過ぎるくらいに青森に到着するとかいうふうに、制度をフルに活用しただろう。
「内需拡大」が景気対策に有効なのはわかるが、その前提として「これまで使わなかったゼニを使ってもらう」ということにならないと意味がない。つまり、この「1000円乗り放題」は、旅行する気などなかった人に旅行させないと意味がないのである。もともと出かけるつもりでいた人が「安くついてラッキー」ということでは全く意味がないのだ。そのことをよく考えて、実施効果を検証しないといけないのである。
投資家のオレはこういう時はどの業界に波及効果があるかということを考える。高速代が安くなって走行距離が伸びればガソリンの消費量が増えるだろう。ということで新日本石油や東燃ゼネラルのような石油元売り各社の業績が向上するだろう。またクルマが売れなくて苦しむ自動車メーカーにとってもかなりの追い風になるだろう。しかしJR各社は旅行者をクルマに奪われるのじゃないだろうか。12000円で乗り放題という割引切符の販売で取り戻したいようだが、そんな安すぎる切符を出したらますます売り上げが落ち込むだけである。
大都市圏からクルマで週末に行くのに手頃な距離の温泉などの観光地はかなり賑わってるのではないだろうか。大阪から讃岐うどんを食いに行くとか、モテない男女が縁結びの祈願に出雲大社に行くとかである。鳴門の渦潮観光船が予約でいっぱいになってるなどの新聞記事を見ると、そのくらいの距離が手頃なんだなと思う。さすがにいくら1000円でも鹿児島まで走るのは遠すぎる。
また、高速道路を途中で降りたらもう一度1000円払うことになるので、降りないでSAで飲食するということになり売店やレストランがかなり混み合ってるのだという。高速のSAと言えば高くてあんまりおいしくないというのが相場だったが、どの程度それは改善されてるだろうか。いろいろと工夫したご当地メニューが登場してるようでちょっと期待してしまうのである。
オレの妹の嫁ぎ先のクルマが日産エルグランドだった。それを今年の2月に買い替えた時に、オレは「娘たちも大きくなって家族でディズニーランドなんてこともこれからはなさそうだからもっと小さいのでもいいんじゃないか?」と勧めたのだが結局またエルグランドになった。しかし、高速道路を快適に長距離走るという目的から考えればエルグランドのようなクルマはぴったりなのである。馬鹿でかいクルマには批判的なオレも、その快適さはやはり認めざるを得ない。
いつもは週末にかなり混雑している北花田のイオンモールも、この週末はそんなに混んでいなかった。遠くに出かける人たちが増えてその結果空いていたのだとすれば、政策の効果が出ているということである。
高速代は確かに安くなった。しかし、遊びに行けばもっとゼニをつかうことになる。家族5人でレストランに入ればやはり5000円くらいは払うことになるだろうし、お土産を買えばすぐに2000円、3000円は使うことになるだろう。大阪からクルマで少し足を伸ばせば、松江や宍道湖にも行けるし、岡山にも広島にも行ける。北陸に行くのもすぐだ。同様に田舎から都会にも簡単に来られるわけで、岡山や広島の人が、「京都で花見をしたい」と今度の週末に押し寄せて大混乱が起きるかも知れない。そうしてみんなが余分なゼニを使いまくることを政府が狙っていたのならば、これまで国民から馬鹿にされ続けていた麻生太郎の唯一の業績になるかも知れない。この政策の効果をオレはしばらく見守っていたいと思っている。
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