2009年03月19日(木) |
小沢一郎は最後の賭けに出たのか? |
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政治資金規正法違反の疑いから発展して、その秘書が談合の元締めだったという疑惑で叩かれている民主党の小沢代表が、なんと「企業献金全面禁止」という政策を示した。 「そんなこと、よりによっておまえが言うなよ!」と思ってしまうのであるが、もしも本気なら並々ならぬ今度の選挙にかける意気込みが感じられる。さて、この一手を自民党はどうやって受けるのか。
そもそも小沢一郎という男は、自民党の金権政治の本流にもっとも近いところにいたのではないか。古くは大野伴睦、そして田中角栄、金丸信といった金権政治家の系譜に連なるのが小沢一郎だとオレは認識していたし、岩手が小沢王国となっていて公共工事を受注しようと思ったら献金しないといけないことなんて誰にでもわかる常識だと思っていた。そしてそうした仕組みの構築は自民党、民主党を問わず共産党以外の議員はみんなやってることだとオレは勝手に思っていたのである。
なぜ田中角栄は政権の座を追われたのか。それは田中角栄の必要とするゼニが多すぎたからだとオレは思っている。政治献金のコストが比較的安くて済む三木武夫や福田赳夫が総理だった方が都合がいいという財界の都合だったのだろう。田中には5億円必要でも福田なら2000万円で済むとか、そんな裏事情があったんだろうとオレは憶測している。そうしたゼニのかかる政治家の一人が小沢一郎だったのではないか。そのゼニを捻出するために小沢一郎は、胆沢ダムという無意味な公共工事に2000億円以上の税金を支出させ(当然のことだがその一部が政治献金の形で還流しているのだろう)た。オレがもっとも嫌うイナカモンドリームの典型である。
さて、そのまぎれもない金権政治家の小沢一郎が「企業献金禁止」を打ち出した。おそらくこれを旗印に戦えば民主党は圧勝できるだろうし、今回の疑惑に対する答えともなる。それを狙ってこういう考えを示したのだろう。自民党の議員たちはみんな困っているのである。彼らの生命線である企業献金を断たれたらどうなるのか。しかも選挙に負けて議席を減らしたら今度は政党助成金も減ってしまうのである。
今回の小沢一郎の発言に対して山崎拓は「政官業癒着の象徴みたいな方が言ったって始まらない」と皮肉ったそうである。しかし、オレは逆に「政官業癒着の象徴」である小沢一郎だからこそ意味があると思っているのだ。もともとまじめな人間が「今日からまじめになります」と言っても誰も驚かないし大して意味のないことである。しかし、悪事の限りを尽くしたヤクザが「これからはカタギになってまじめに働きます!」と言い出せば回りはびっくりするだろうし、かなりインパクトがあるだろう。だから今回の発言に関しての山崎拓の受け止め方は間違いである。事態の重大さをしっかりと受け止めて自民党は選挙戦を戦わないといけないのである。
企業献金を廃止してしまっても、巨額の政党助成金をみんなで山分けすればいいのである。歳費に匹敵するくらいもらえるそのゼニを使いまくればいいわけだ。使途をごまかすなんてお手の物だろう。そして本当に企業献金が禁止になるわけでもないだろう。きっと形を変えて菓子折の中に入った札束とかは永遠に残るだろう。オモテに証拠を残さずにやりとりされるようになるからある意味もっとたちがわるいのかも知れない。
2007年の政治資金収支報告書によれば、自民党本部・支部を合わせた献金総額は約224億円あって、そのうち企業・団体献金は41%の約93億円を占めるという。この収入が失われるとかなりのダメージである。自分たちもまた政治献金という収入を失うことを覚悟して、小沢一郎はここで自民党に攻撃を仕掛けてきたのである。これでひるんだ自民党が小沢一郎秘書の捜査に対して手を緩め、その結果小沢一郎がこの発言を取り消すか後退させるという形で両者が手打ちするということもありそうだ。
解散するかしないかに関わらず、今年中に衆議院の任期が切れるから選挙は間違いなくあるのだ。高速道路無料とかむちゃくちゃな公約を出してくる小沢一郎のこの「政治献金禁止」がどのくらいの破壊力があるのか、オレは選挙が楽しみである。そして民主党が勝利して公約通りに政治献金を撲滅してくれることを期待する。たぶん政権の座に就けば豹変してそんなことなかったふりをするのかも知れないが、それでもオレは一応期待しているのである。
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