江草 乗の言いたい放題
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2008年07月29日(火) 自転車で高速道路を走ってはいけません!        ブログランキング投票ボタンです。いつも投票ありがとうございます。m(_ _)m 携帯用URL by Google Fan

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 自転車で高速道路を走ってはいけない。ただ、オレは一度だけこの禁を破ったことがある。それはオレが高校2年生の時だ。信州から帰ってくるときにオレは名古屋から大阪まで一日で走る予定だった。三重県の亀山まで進んだときに雨風が激しくなって、なんと台風に遭遇してしまったのである。一刻も早く帰らないといけないのだが、最短コースのはずの国道25号線というのは加太峠という峠越えの道があってかなり時間が掛かるのである。ところが並行して走っている自動車専用道の名阪国道ならほぼ直線でトンネルも整備されていて、そっちを走った方が速く走れることは明らかだった。激しい雨の中、オレは関ICから名阪国道に入った。途中パトカーに遭遇することもなく無事に中瀬ICまで走り、そこから上野市を通過して国道163号線経由で奈良へと抜けたのである。そのときには雨も上がっていた。これがどのような罪になるのかわからない。30年以上も前のことだから時効になるとは思うが、今考えると実に危険な話である。トンネルの中ですぐ脇を高速で駆け抜けるクルマによくぞ轢かれなかったものである。なんと自分は幸運だったことだろうか。

 ちなみに名阪国道というのは制限速度60キロで無料で走れる自動車専用道、いわゆるフリーウェイである。大阪から名古屋に行く場合、名神高速を走るよりも所要時間は少し余分に掛かるが、ここを経由した方が料金は安くなるのでオレのようなケチなドライバーには愛されているルートである。

 さて、そんな無法者だったオレにはこの事件を批判する資格などないのだが、高速道路を自転車で走った老人が車にはねられるという事故が起きている。読売新聞のWEBサイトから記事を引用しよう。

山陽自動車道に自転車男性!10分後発見も死亡、ひき逃げか
 28日午前1時5分ごろ、兵庫県たつの市揖西(いっさい)町佐江の山陽自動車道下り線を走行中のドライバーから、「高速道路に自転車で乗り入れている男性がいる」と110番があった。
 約10分後、付近を調べていた県警高速隊が、道路わきに同県相生市古池、無職野口功夫さん(65)が倒れているのを発見。野口さんは病院に運ばれたが、約1時間30分後に死亡が確認された。
 発表によると、野口さんが倒れていたのは、同自動車道龍野インターの西約1・6キロ。同高速隊は野口さんが後ろから来た車にはねられたとみて、自動車運転過失致死容疑で捜査するとともに、野口さんが高速道路を自転車で走行していた経緯などを調べている。(2008年7月28日09時07分 読売新聞)


 オレはこの記事の見出しの「ひき逃げ」という部分に対して大きな違和感を覚えたのである。この場合悪いのは明らかにそんなところを自転車で走ってるこの65歳の男性であり、それをはねた行為が果たして通常の「ひき逃げ」に該当するのかということだ。本来そこに存在しないものをはねたとして、それを果たして罪に問えるのかとオレは思うのである。オレが裁判官なら「無罪」にするかも知れない。だってこんなことで「ひき逃げ」とされるのはあまりにもドライバーがかわいそうじゃないか。

 もちろん、高速道路でもごくまれに歩行者は発生する。それは故障などでクルマが動かなくなってしまい、非常用電話のところまで歩いて行こうとする人がいた場合である。しかし、そういう人は道路の一番端っこを慎重に歩くはずだから、普通はクルマにはねられることなどないだろう。もしもど真ん中に歩行者が存在したとするなら、その場合ははねられても自己責任であるとオレは思うのだ。

 クルマを運転していてもっとも恐ろしいモノは暴走族でもパトカーでもない。歩行者だとオレは思っている。自転車に乗りながら携帯電話をいじってる女子高生、生きてるのか死んでるのかわからない酩酊状態で自転車を走らせている老人、親の目が離れたスキに無邪気に道路の真ん中に出てくる幼児、歩道でふざけあっていて友人を車道に突き飛ばすクソ野郎。そんな危険が道路には満ちている。歩行者の多い道を走るときはいつもそうした危険な存在に対して注意しないといけないのである。日本の道路交通法は歩行者優先だ。オレには全く非がなくても、そういう歩行者をはねてしまえばオレの方が悪いということにされ、賠償金をとられたり交通刑務所に送られたりしてしまうのである。その瞬間にオレの人生はめちゃめちゃになってしまうのである。仕事をクビになり、家族もまた世間の冷たい視線を浴びることになるのだ。オレはそれが恐ろしい。歩行者による体当たりテロをオレは常に恐れているのである。

 そんなかよわいドライバーを危険から守ってくれるのが高速道路である。そこにさえいれば、歩行者や自転車という危険な存在は入ってこない。だから安心して運転することができるのである。高速道路とは決して速く移動するために作られたものではない。そこは歩行者や自転車という無法者から善良なドライバーを守るために作られた自動車天国なのであり、ドライバーのためのパラダイスなのである。高速道路を走ってるとき、オレは歩行者に注意を払うとうストレスから解放されてほっとするのである。

 その高速道路に歩行者や自転車が入ってくれば、いったいどこを安全に走ればいいのかとオレは思うのだ。自転車で山陽自動車道を走ったというこの無法者にこそ全面的な落ち度があるのであり、もしもこの老人をはねたドライバーが「ひき逃げ犯」として検挙されたとしても、どうか寛大な措置をとオレは望むのである。誰が高速道路で自転車に遭遇することを予想できようか。どうかその異常事態に遭遇したときのドライバーの恐怖をわかって欲しいのである。


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