2008年07月27日(日) |
ハメこまれた人たち16(東邦グローバルアソシエイト) |
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オレはこの ハメこまれた人たちシリーズの15で「千年の杜」という会社を取り上げた。株価19円、社員17名の完全に終わっている会社が大規模な増資を行い、その後でイカサマのIRを出して壮大な与太話をぶち上げ、それを信じた個人投資家に株を高値で買わせて売り抜けたという事件である。このイカサマで千年の杜株は19円から501円、なんと25倍もの上昇をしたのである。
ストップ高を繰り返して501円まで駆け上がった株価はその後暴落、そしていつのまにか100円台の糞株になっていたのだが、個人投資家をだますために使われたその与太話である「黒海の人口島建設を請け負った」というガセネタにはどうやらあの久間元防衛庁長官もからんでいるみたいで、久間元大臣はこのクソ企業の広告塔に使われていたのである。ロシアとの関係の深さを強調するために使われたのだから。ネズミ講や怪しいマルチ商法の宣伝をしていたことと基本的には同じである。
千年の杜は4月1日に社名を「東邦グローバルアソシエイト」という壮大なものに変えた。変えたからと会社の実態が変わったわけでもないのだが、もちろん個人投資家をだますには大げさな名前の方がいいに決まっている。いずれにしても会社の中味は変わらないわけだし、この会社の実態が「株券印刷業」という詐欺まがいの行為であることは疑いの余地がない。そして、こういう企業を大証は上場廃止することもなく放置していることに対してオレは激しい怒りを覚えるのだ。
上昇過程で増資によって出回った大量の新株が市場で売却された。その売却のために利用されたのがこのようなイカサマIRである。そのイカサマIRが出るたびに株価は上昇した。このようなニュースがあれば、個人投資家は信じて買ってしまうのである。
2部株特報=東邦グローバルが大幅高――人工島建設の業務委託契約を締結
東邦グローバルアソシエイツ(旧千年の杜)<1757.OS> が大幅高。一時43円高の176円まで買われ、大証2部で値上がり率トップ。26日引け後に人工島建設における業務委託契約の締結を明らかにした。ロシア連邦ソチ市黒海沿岸に人工島を建設するが、ボーリングや地盤探査などの業務を港湾施設や海上交通の設計などを手掛ける現地企業に委託する。人工島建設計画の実施を目的としたロシア子会社の設立も発表している。
ソチ市人工島建設計画は2014年に開催される冬季オリンピック関連のインフラ整備として、注目を集めている。 [ 株式新聞ニュース/KABDAS−EXPRESS ] 提供:モーニングスター社 (2008-06-27 11:50)
オレは長年株式投資をやってるから、このようなIRにはだまされないし、そのIRが「株券を高値で売り抜けたいから出した」ものであると看破しているので基本的にスルーである。もしもザラ場張り付いてデイトレしてるのならばそのイカサマIRを信じて買う個人投資家を利用して稼げるかも知れないのだが、ザラ場の激しい動きを見られないのでこういう銘柄の投資には基本的に参加できない。それでオレは終始野次馬の立場を崩さなかったのである。
個人投資家にクソ株を押しつけることによってハイエナどもはどれだけの利益を得たのだろうか。135円で転換した新株400万株を仮に400円で売却すれば、10億6000万儲かるのである。19円の株が501円まで上昇する派手な相場を仕掛けて、個人投資家に高値づかみさせて売り抜けたその鮮やかさはさすがというしかない。
企業が株価を上昇させて新株を売り抜け、巨額の利益を得るためにガセネタのIRを出すということは証券取引法違反ではないのだろうか。投資家保護のためにもこのようなやり方は断じて取り締まるべきではないのか。これはもはや「IR詐欺」とでも言うべき犯罪ではないのか。オレはそんなふうに考えるのである。そして、少なくとも投資家が手にすることのできる数少ない情報の中にそんなガセネタが混じってるのならば、情報収集という点でかなりハンデがある個人投資家がどうやって投資する対象を決めればいいのだろうか。オレはそのことを思えば深い絶望感に襲われるのである。こんなイカサマを放置している日本の株式市場は、しょせん外資とヤクザに食い物にされるしかないんだと。
外資とヤクザに食い物にされることがわかってない個人投資家はその後もこの東邦グローバルアソシエイツの株を買うことを止めず、株価は時々思い出したように跳ね上がることもあった。オレはこの株を空売りすれば絶対に勝てるとわかっていたが、残念ながらこの株は東証が貸借銘柄に指定していなかったので、ただ指をくわえてみてるだけだったのである。
そして化けの皮がはがれる運命の日がついにやってきたのである。以下に7月25日に出されたIRを引用しよう。そこにはここが上昇する要因だった人口島事業が白紙撤回されたということが書かれていたのである。
人工島建設における業務委託に関しロシアSOYUZMORNIIPROKET社との交渉打ち切りに関するお知らせ
当社は、平成20年6月26日に開催の取締役会におきまして、ロシアSOYUZMORNIIPROKET社との間で人工島建設における業務委託契約の締結に関し基本合意したことを決議しましたが、今般、同社との交渉を打ち切ることを決定いたしましたので、下記のとおりお知らせいたします。
記
当社は、平成20 年6 月26 日付当社プレスリリース(「人工島建設における業務委託契約締結の基本合意に関するお知らせ」)でもお知らせしておりますとおり、ロシアSOYUZMORNIIPROKET 社との間で、人工島建設における現地詳細調査(ボーリング、地盤探査等)、建設に向けた実施設計ならびに建設の許認可変更手続等に関する業務委託契約の締結に向けて、相互に交渉に入ることについて基本合意をいたしました。
しかしながら、今般、SOYUZMORNIIPROKET社との間で金額面での隔たりが大きく、折り合いが付かなかったため、かかる基本合意を終了させ、交渉を打ち切ることで同社と合意いたしました。以 上
もはやこの企業を積極的に買う理由は永遠に失われたのである。もっとも今この株を取引してるのは逃げ遅れた個人投資家くらいだろう。株式投資は自己責任である。その個人投資家たちがどんな損失を被ることになってもオレには無関係である。オレはただ、そうした投資下手な人たちが右往左往するのを静かに見届けるだけであろう。
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