2008年06月15日(日) |
大分では金を払えば教師になれます! |
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田舎の教員採用試験には不正があるということは自分が大学生の時に何度か聞いたことがある。採用試験が県内出身者に有利な判定になってるとか、某県では県会議員に現金50万円を包まないと合格しないとかいうまことしやかなうわさである。その後、確か徳島県では1990年に前教育長が松本富夫が教員人事並びに教員採用に絡んだ収賄事件で逮捕されるという事件が起きている。おそらくこうした不正というのはわからないような巧妙な形で行われているのだろう。就職先の少ない田舎では教員というのは定年までの身分が保障された数少ない職場であり、数百万ゼニを包んでも採用してもらえれば十分もとがとれるからである。
今回教員採用に絡む贈収賄が報告されたのは大分県である。アサヒコムの記事を引用したい。
大分県教委参事、収賄容疑で逮捕 教員採用巡り数百万円2008年6月15日
大分県の教職員採用をめぐって現金数百万円の授受があったとして、県警は14日、同県教委義務教育課参事、江藤勝由容疑者(52)=同県別府市南立石=を収賄の疑いで、同県佐伯市立小学校長、浅利幾美容疑者(52)=佐伯市常盤西町=ら3人を贈賄の疑いでそれぞれ逮捕した。
贈賄容疑でほかに逮捕されたのは、同県教委義務教育課参事、矢野哲郎(52)=大分市大手町=と妻で佐伯市立小学校教頭、かおる(50)=佐伯市宇目=の両容疑者。
調べでは、江藤容疑者は同課で人事班の課長補佐を務めていた昨年8〜10月、浅利容疑者ら3人から、浅利容疑者の長男(25)と長女(22)を教員採用試験に合格させるよう依頼され、その見返りに現金や金券など計数百万円分を受け取った疑い。
浅利容疑者が矢野容疑者らに子どもの受験について相談し、江藤容疑者に同県別府市で複数回にわたって現金などを渡したという。
江藤容疑者は81年に同県の教員として採用され、03年から県教委の義務教育課で教員採用の事務を担当していた。浅利容疑者は80年に教員採用され、佐伯市内の小学校を中心に勤務し、今年から校長に就任していた。事件当時は小学校の教頭だったという。
この事件、江藤勝由容疑者(52)、浅利幾美容疑者(52)、矢野哲郎(52)の3名が同じ年齢というのが興味深い。もしかしたらこの3人は同期採用の仲良しグループだったのかも知れない。その3人が今回共謀して、浅利容疑者の息子と娘を採用試験に合格させようと画策し、現金数百万を江藤容疑者に渡したということである。ここでオレがかわいそうだと思うのは、不正な方法で採用を手に入れようとした浅利の子の二人のことだ。もしもこの二人が教師になんかなって欲しくないようなボンクラならばどうでもいいのだが、本人たちは真剣に教師になるための努力をしていて、親がお節介でこの不正を行ったのならば、それが理由で教師への道を閉ざされてしまうのはなんとも残念である。もっともそんな卑怯な親が居て、実際に卑怯な方法で教師になろうとした時点ですでにアウトかも知れないが。田舎ではゼニを包んで教師になるという風習がまだ残っていたという点で実に興味深い事件である。
25歳でまだ採用試験に合格していなかった浅利容疑者の長男はこれまでに何度か採用試験に落とされたのだろう。親が必死になる気持ちもよくわかるし、自分と同じ道を歩ませたかったのだろう。しかし、だからといってそれが不正をしてもいいという理由にはならない。
こんな事件になった以上、もう浅利の二人の子たちは大分では教師になれないだろう。いまさら大分県にこだわらなくてもいいじゃないか。大阪に来るんだ。そしてしっかり勉強して実力で合格すればいい。幸い大阪府の教員採用試験の競争率は日本最低のレベルにまで下がっている。今年は2倍を切ってるらしい。採用試験が2倍以下というのはどういうことかわかるだろうか。どんな試験でも半数くらいは全然勉強していない受けるだけ無駄な人間が受験に来るのである。京都大学の受験生も半分くらいは記念受験という話である。だから競争率が5倍や6倍でも、まともな人間だけに絞ればせいぜい2、3倍ということになる。競争率が2倍以下というのは超広き門ということである。なぜこんなに競争率が下がったかというと、橋下改革で給料がどんどん減らされることが確実だからだ。誰だって教員採用試験を受けるなら、少しでも給料の多い県で働きたいだろう。
これは大阪府で現在教員をしている人にとっては許し難い事態であるが、これから教員になることを目指す人たちにとっては、チャンスなのである。そこでオレは問いかけたいのである。教員志望のきみはなぜ教員になりたいのか。ゼニのためか、それとも教師としての仕事に価値を感じているからかと。前者なら「きみの選択は間違いだ。世の中にはもっと割のいい仕事がたくさんある」と諭してやればいい。後者ならば「給料なんか気にするな。理想の教育を実現するために死ぬ気で薄給に耐えろ!」と。
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