2007年11月24日(土) |
こんな時こそ株を買え! |
携帯用URL
| |
|
この日記を読んで株式投資に興味を持たれた方は、おすすめ証券会社のページで取引口座を開設なさるか、あるいは江草の書いた初心者のための株式投資入門のページでもごらんになってください。マウスに興味のある方は「空中で使えるマウス」もよろしく。
アメリカのサブプライムローンの問題に絡んで世界同時株安という現象が起きている。アメリカの金融不安のためにドルが売られ、円高が進んで日本の輸出産業が打撃を受けるために自動車やハイテク株が売られ、サブプライム関係の証券を保有していた銀行が売られ、というふうに連鎖反応的に株安が進んでいるのである。ところが国内景気はそれほど悪くなっておらず、大企業の多くは過去最高の利益を上げている。トヨタ自動車などは過去最高益を更新して年間の配当を120円から140〜150円に増やしているのにそれでも安値更新中である。株価がどんどん安くなるとどんな現象が起きるのか、それは配当利回りの上昇である。
トヨタ自動車の株価は7月4日には7850円していた。この株価で年間の配当を150円とした場合、配当利回りは1.9%ということになる。しかし、11月22日の終値は5870円と実に高値から25%も値下がりした。この5870円で年間配当150円なら2.6%ということになる。定期預金などでそんなに有利な商品はない。つまり、退職金が3000万円あるならすべてトヨタ自動車の株にしておけば、毎年77万円の配当金を受け取れるということになる。もちろんそこに税金はかかるわけだが、それでも銀行の定期預金などよりもはるかに有利であることは間違いない。
日本を代表する大企業ということでトヨタ自動車の例で説明したわけだが、単純に配当利回りだけを見るならびっくりするほどいいところがある。それはあのサラ金の武富士である。武富士の配当金は年間180円だが、11月22日の終値は2590円である。そこから計算される配当利回りはなんと6.9%である。さっきのように3000万円の退職金で考えれば年間に208万円の配当金を受け取れるということになる。こんな高配当の株もあるのだ。武富士の配当が高いことにはちゃんと理由がある。それはここの大株主が創業者である武井一族であるということだ。以前に1000億を超える遺産相続がシンガポール在住のために相続税の対象にならないということで国税庁と裁判になっていたが、その巨額の財産形成はこの高配当のたまものなのである。サラ金の株主なんて・・・と拒否反応を示す方も多いかも知れない。しかし、こと有利な投資先という観点で見ればやはり武富士は魅力的なのである。
意外な高配当銘柄として、アデランスもあげることができる。ここは11月22日の終値が1739円、年間配当が80円である。配当利回りは4.6%だ。かなりの高配当であることは間違いない。業績はやや下降気味だが大切なことは「ハゲは不滅」ということである。過度の円高で輸出による利益が全くなくなるようなことがあったらトヨタも高配当を維持できないだろうし、サラ金がさらに金利を下げることを求められて利益を生み出せない体質になればさすがの武富士も高配当を維持できなくなるかも知れない。しかし、この世からハゲが消滅することは絶対にない。オレは強く断言する。そういう意味ではアデランスは永久不滅である。
アデランスのライバルであるアートネイチャーも負けてはいない。こちらはジャスダック上場と言うことで東証一部上場の銘柄に比べて不安を抱く方もいるかも知れないが、11月22日の終値は1310円、年間配当は94円が予定されているので単純に計算すれば配当利回りは7.2%ということになる。ハゲが不滅である以上、こちらもかなり有望な投資先であることに疑いはない。オレとしてはあまりアデランスやアートネイチャーの株主にはなりたくない。株主優待で仮にカツラが安くなってもなんだかからかわれてるみたいでうれしくない。しかし、単なる投資という観点から見れば有望な投資先であることは間違いないのである。
トヨタと並ぶ自動車メーカー、日産自動車も高配当銘柄の一つである。日産の11月22日終値は1110円、年間の配当金は40円なので配当利回りは3.6%ということになる。新型GT−Rは予約がいっぱい入って当分の間買えないという。減益が予想された中間決算でサプライズの上方修正をしたために株価は一時跳ね上がった。その後円高のためにかなり株価は下がってしまったが、ここが日本の自動車産業を支える優良企業であることに疑いの余地はない。なぜ日産はこんなに高配当なのか。それは日産の大株主がフランスのルノーであり、日産はルノーに上納金を差し出さないといけない立場にあるからだ。それでこの高配当を維持していかないといけないのである。だから日産のこの高配当はルノー支配が続く限り揺るがないのである。
日産自動車は最低投資単位の100株ならわずか111000円で購入できる。武富士は10株から購入可能なのでわずか25900円で株主になれるのである。そういう意味ではかなり小さな金額からでも株式投資デビューすることが可能なのである。小学生がもらったお年玉をこのような高配当の株で保有すれば、配当金が小遣い代わりになるかも知れない。長期投資という観点では幼稚園児から始めるなんてのも面白いかも知れないのである。この低金利の時代に長期での資産運用を考えた場合、株式投資はもっと見直されてもいいはずだ。少なくとも配当利回りがこんなに高くなってることをもっと多くの人は知るべきである。子供の小遣いを20万、30万と定期預金にしてるのならば、それを武富士や日産の株にしておけば配当というお小遣いが毎年2回もらえるのである。どう考えてもその方が定期預金なんかよりも有利なはずである。
現在のような円高や金融不安による世界同時株安の局面では、せっかく買っても値下がりするリスクがあるのでなかなか手出ししにくい。しかし、永遠に下げ続ける株はないわけだし、その企業が倒産でもしない限り株券の価値がゼロになることはない。また極端に業績の悪い企業であっても、TOBによる企業買収で突如株価が上昇することもある。循環取引で決算を粉飾していたあの加ト吉は株価が1000円以上からなんと360円まで暴落して低迷していたのだが、JTと日清食品によるTOBが発表され、その買い付け価格が710円となったために暴騰した。もちろんNOVAのように倒産してしまう企業もあるわけでリスクが存在することは否定しないが、つぶれそうな企業とそうでない企業を見分けるにはいくつかの投資指標で簡単に判定可能である。少なくともトヨタ自動車が倒産するなんてことはありえないだろうし、もしもそういう時が来るなら日本という国家が危機に瀕しているはずだ。そんなときは資産運用よりも前に日本脱出が先である。
永遠に上がり続ける相場も下げ続ける相場もない。今の株安にもいつか着地点がやってくる。そのときに優良株をうまく仕込めた者が、金持ち父さんになれるはずである。オレはそのように信じて優良株の仕込み時を待っているのだ。もうその時期かも知れないし、まだ先かも知れない。しかし、年末に支給されるボーナスはおそらくこの下落局面を買ってくるだろうし、企業年金や郵貯の資金、信託銀行や生保損保の長期資金を運用するファンドマネージャーたちもオレと同じことを考えているはずである。
←応援ありがとうございます。 m(_ _)m