2007年10月13日(土) |
赤福よ、おまえもか・・・ |
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今回の同じテーマで私の友人のきっささんも書いておられます。よろしければきっささんの10月13日の日記をぜひごらんになってください。
赤福といえば近鉄の駅で売られているお土産の定番である。近鉄南大阪線という超ローカル私鉄の沿線に住むオレにとってきわめてなじみの深い和菓子であった。母が買って帰ってくることも多く、子どもの頃から親しんできたのだ。そんなふうにいくらでも大阪で売られているのに、やはり伊勢に行けば本店で食べてみたい・・・ということで伊勢神宮にお参りしたときはおかげ横町にある赤福本店で本場の赤福を食べたのである。そして「やっぱり本店で喰う赤福は美味い!」と思っていたのである。その赤福が白い恋人に続いての消費期限の偽装である。300年の伝統に泥を塗ったのである。
「赤福」が消費期限を偽装 農水省、改善を指示 2007年10月12日10時28分
創業300年の餅菓子の老舗(しにせ)「赤福」(三重県伊勢市)が商品の「赤福餅」の消費期限を偽って表示、販売していたとして、農林水産省は12日、日本農林規格(JAS)法に基づき、改善を指示した。赤福は出荷しなかった商品の包装をはがして冷凍保存し、解凍した日を改めて製造日と偽り、再包装して消費期限を改ざんしていた。同様の手法で長期にわたって消費期限の偽装は続けられていたという。
JAS法は原材料名を質量の多い順に記載するよう義務づけている。同省は、赤福が原材料名を「小豆、もち米、砂糖」の順に記載していたが、実際は砂糖の質量が最も多かった。同省はこの点でも改善を指示した。
同省によると、赤福は、いったん包装した商品を冷凍保存させて、再包装する手法を「まき直し」と呼び、日常的に消費期限を改ざんしていたという。改ざんは少なくとも04年9月からの3年間で総出荷量の18%にあたる605万4459箱に上るという。
赤福は「農水省の指摘は、間違いございません」とコメントを出した。同社は同日、「赤福餅」の販売を伊勢、鳥羽市内の直営6店舗に制限し、高速道路のサービスエリアのほか、JRや近鉄などの駅などで販売していた分の回収を始めた。
赤福は1707年に創業し、伊勢土産の代表格として全国の駅やスーパーなどで販売されている。
赤福餅、東海・関西の店頭から撤去相次ぐ2007年10月12日21時11分
赤福の偽装表示疑惑を受け、東海、関西地方の駅売店などは、12日朝から赤福餅を店頭から相次いで撤去した。
JRの駅の売店を展開している「東海キヨスク」によると、午前7時ごろに赤福餅の販売の中止を決定。東海、関西地方のキヨスクで商品が店頭から姿を消した。
JR名古屋駅(名古屋市中村区)のキヨスクでは、レジの脇などに「しばらくの間、販売を中止させていただきます」と書かれた張り紙が出た。今のところ、買い物客からの問い合わせはないという。津駅(津市)東口の売店でも、赤福餅がすべて撤去された。
名鉄百貨店本館(同区)地下1階の「スイーツステーション」にある赤福の売店では、開店の午前10時とともに、再び通路側のシャッターが閉じられた。同店は名鉄の改札に面しており、8個入りの赤福餅が1日100個以上は売れるという。
近鉄の駅売店の運営をしている近鉄リテールサービス(大阪市)は、駅構内の売店から「赤福餅」をすべて撤去した。
同社によると、同日午前7時ごろに近鉄沿線全駅のうち赤福餅を販売する名古屋駅や難波駅など59売店すべてに、販売見合わせの指示をしたという。
この赤福が近鉄の駅売店や東海関西地方のキヨスクできわめて重要な商品であったことは間違いない。もちろんおみやげを買う側にしてみれば赤福がなくなれば代わりに他のモノを買うことになるのでトータルで店の売り上げにはさほど響かないと思うが、それでもドル箱商品を失ったというダメージは大きいだろう。赤福を買うかわりに人々は何を買い求めるのだろうか。粒あん入り生八つ橋を買うのだろうか。そういえば八つ橋も最近は種類が増えてチョコやブルーベリーなどいろんな味のものが出ていたはずだ。
ただ、オレの素朴な疑問なのだがあんなに多くの店に出荷していた赤福は、もしも売れ残ったらどうなっていたのだろうか。返品という形になったのか、それとも小売店の判断で廃棄されていたのか。販売現場のことを知らないので想像でしかないのだが、ああいった生ものはやはり捨てるしかなかっただろう。全体でかなりの量が廃棄されていたのではなかったか。その廃棄予定の分を一旦冷凍して、その後解凍復活させていた分が全体の18%だったという。その両者には味の違いがあるはずだ。そこまで深く考えたことはなかったが、その両者を食べ比べることができればきっと違いを指摘できたはずである。
赤福の社長の見解では、工場で大量に製造したものを冷凍保存しておいて、その冷凍のものを解凍した瞬間が「製造」になるらしい。だからそこで「製造日」として刻印して出荷するのである。オレはそんなふうになってるとは想像もしなかったが、あれだけ多くの店で売られている赤福をできるだけ低コストで流通・販売させたかったとなるとその手法もある程度仕方がないことかも知れない。問題はそれでどれだけ衛生面の問題があって味が落ちるかということだ。その方法に全く問題がないのならはじめからそうして説明すれば済むことではないか。
観光地で販売されている土産物の菓子はたいてい真空パックされた形で包装されていてかなりの長期保存に耐えられるようになっている。なかなか商品が売れないような場末の店にも並ぶことを思えば、そうやって商品を長生きさせることもある程度仕方のないことなんだろうなあとは思う。少なくとも赤福のような生菓子は買ったらすぐに食べることが前提だし、少し放置してしまうと餅の部分が硬くなっておいしくなくなる。餅の部分が硬くなってしまった赤福を食べた経験のあるオレは、もしかしたらその赤福こそはこの再生品だったのではないかと思っているのである。
これまでお土産の定番だった赤福がこの不祥事でその座を明け渡すことは間違いない。代わりに一番よく売れるようになるものはなんだろうか。赤福をこれまで買っていた層が買い換えるのはやはり和菓子で、そうすると八つ橋が売れるのだろうかとオレは勝手に想像するのである。オレは八つ橋もかなり好きなのである。そして赤福が復活するのはいつになるだろうか。まさかこんなことで300年の伝統が終わってしまうとは思いたくないのだ。
白い恋人に続いて起きたお土産定番菓子の不祥事。全然仕事をしていないように見えた農水省もいちおうこうしたルール違反の摘発はやってるみたいである。大臣のクビが次々と飛んだ一方で、地道に自分の仕事を果たすという役目を忘れない職員がいることをオレは評価したい。トップの大臣はカスだったが、職員は誇りを持って自らの職務を果たしていたんだと。
そういうわけで赤福をあきらめて八つ橋を・・・と思う方はこちらの写真をクリックしてみてください。見ているときっと食べたくなりますよ。
いやいや、やっぱり「赤福」という方には「御福餅」をお勧めします。赤福ととってもよく似ています。こちらも創業200年の老舗です。
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