2007年06月07日(木) |
そんな税金踏み倒せ! |
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「税金を踏み倒せ」などというと「むちゃを言うな」と言われそうだが、むちゃな税金があるのだ。そもそも縦割り行政のせいでこういうことになるのだが、それは今社会保険庁が調査を進めてる宙に浮いた国民年金や厚生年金の掛け金の問題である。支給額が増えることになったらその分が過去にさかのぼって支給されるのだが、これまでは時効が適用されて5年分しかもらえなかった。ところがその時効も撤廃されると、トータルで数百万という年金を一度にまとめて支給される人が多数発生することになる。
確か年金を年間に120万円以下しかもらっていない人は非課税、課税されるのはそれを超過した金額に関してだったと思うが、国民年金しか掛けてなかったり、厚生年金の受給年数の短い人はその120万という金額を下回るから問題なかったのである。ところが今回発生する追加受給分に関してはまとめて支給されることによって税金が掛かってくるのである。長期間に渡って薄く支給されていればずっと税金を払わずに済んだのに、まとめて支給されることでその超過分に対して一気に課税されるのである。本来この税金は払わなくてもよかったものであるのに、いきなりぼったくられてしまうのだ。ひどいじゃないか。元々社会保険庁の怠慢のせいで発生した一時支給なのに、そこから税金を分捕るつもりなのか。
支給漏れが見つかって追加で受給した分を合わせてある年だけ300万円の支給を受けたとすると、翌年には300−120=180万円に関して所得税や住民税がかかってくるのである。これはかなりの額になる。そんなのはひどいじゃないか。いつ死ぬかわからない老人などは生きてるうちに贅沢しようと思って追加受給した分を盛大に使い切ってしまうわけだが、翌年の6月になってからいきなり「住民税を払え!」などという文書が市役所から届いてびっくりすることになるのだ。
オレがもう一つ疑問に思うのはこの税金の支払い義務に関してなんだが、もしもその年金受給者が死亡した場合は払わずによいのかということである。前年度の収入に関して住民税が発生するのはわかるが、支払うべき年度になってすでに死亡していた場合はどうなるのかということだ。それは負債として遺族が引き継ぐべきものになるのか。あるいは死んだらもう新たに税金は発生しないのか。そのあたりがどうも謎なのである。
雀の涙ほどのわずかな年金に頼って生活してきた人に突如支給される大金、もらった側はびっくりするだろうがいずれそのゼニは悪い子や孫にたかられるだろうし、振り込め詐欺でもっていかれるだろうし、老人を狙うマルチ商法や錯誤商法でかすめとられる可能性が高い。もっともそういうのは自己責任でもあるわけで、老人のゼニをかすめ取ろうとする子や孫の存在もまた自己責任の一種である。しかし突如役所から届く「住民税を払え!」という文書には多くの年金受給者が「なんでやねん!」と反発するはずだ。おそらく安倍晋三は性急にことを進めるあまり、それに付随して発生するさまざまなトラブルに関して何も考えていないのである。まあ考えられるだけの脳みそがありそうにも見えないが。
オレは「踏み倒せ」と書いたが、それは脱税や不払いを奨励してるのではない。悪法も法である。それがルールなら払わなければならない。ただその税金を払わないといけない理由は社会保険庁の側に存在するのであり、その落ち度を年金受給者がかぶらないといけないことの理不尽さにオレは怒っているのである。もしもオレがその立場なら「踏み倒したくなる」はずだが、払う義務があるので株式投資で稼いだあぶく銭で「こんなゼニはらってやらあ!」と言って片づけると思うのだ。(そこで「結局払うじゃないか」と突っ込まないでくれ)さて、来年の6月頃にはこの税金を払わされる老人たちの怒りの声があがることは間違いない。必ずオレの予言通りになるぜ。
追記 6月6日の読売にこのような記載があったことを見落としておりました。補足しておきます。やはり課税はおかしかったわけですよね。
年金時効分は非課税、社保庁ずさん入力認める
政府・与党は5日の参院厚生労働委員会で、年金記録漏れ問題の被害者救済法案「年金時効撤廃特例法案」により、年金請求権の時効(5年)のため受け取れなかった過去の不足分を一時金として支給する際に、所得税を課税しない考えを明らかにした。
現行制度では納付記録の訂正により、年金の不足分がまとめて支給される際は、過去にさかのぼり所得があったとして所得税が源泉徴収される。
同法案の提案者の一人である自民党の宮沢洋一衆院議員は、時効を適用せずに補償する不足分について、「申告所得には5年間の税の時効があり、6年以上たてば納税する必要がない。5年以内は源泉徴収するが、6年以上は源泉徴収しない」と述べた。
また、社会保険庁は、年金記録漏れ問題に関し、1980年代に年金納付記録を紙の台帳から電磁データに移行した際、台帳に記された振り仮名なしの漢字の氏名を、本人に読み方を確認せずにカタカナでコンピューターに入力していたことを公式に認めた。
社保庁の青柳親房運営部長は答弁で、「(記録は)紙の台帳で長く保存され、本人に確認のしようがなく、台帳の氏名に適宜振り仮名を振って入力したと承知している」と述べた。(2007年6月6日 読売新聞)
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