江草 乗の言いたい放題
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2007年05月14日(月) 無駄なダムを輸出するな馬鹿!        ブログランキング投票ボタンです。いつも投票ありがとうございます。m(_ _)m 携帯用URL by Google Fan

 イナカモンドリームを罵倒する日記一覧

 イナカモンドリームの象徴とも言えるべきダム建設で破壊されてるのは日本の国土だけではない。ODAによって海外で建設されるダムによる環境破壊も相当なものである。インドネシアでは円借款で建設されたダムがすでに土砂で埋まってしまっているのだ。220億円をドブに捨てたようなものであり、しかもそれは円借款だからインドネシア政府はその無駄な公共工事のゼニを金利付きで返さないといけないのである。やってることは無理やりにゼニを貸し付け(押し貸し)して法外な利息を取りたてる暴力金融業者と同じである。これが日本政府のODAの実態なのだ。以下、読売新聞の記事を引用する。

円借款で建設のダム、深刻な土砂堆積…インドネシア
政府開発援助(ODA)の円借款によりインドネシアで建設されたダムの湖が、計画より大幅に早く土砂で埋まり、浚渫(しゅんせつ)などのため多額の追加出費が必要となるケースが続出している。
 融資した国際協力銀行(JBIC)は、こうした実態を示すデータのほとんどを開示していないが、読売新聞が入手した同行の内部資料では、全体の約9割が土砂で埋まったダム湖もある。立地などに問題があった可能性も指摘されており、海外での融資のずさんさを浮き彫りにしている。
 インドネシア・スラウェシ島西部にあるバカルダム(水力発電用)は、日本のコンサルタント会社が設計し、同行が220億円を融資して1990年に完成した。土砂はその直後からダム湖にたまり始めた。堆積(たいせき)する土砂は、設計段階では年平均約13万立方メートルと予測していたが、実際にはその6倍以上の同約80万立方メートルが堆積。土砂をはき出すゲートを開けても流れ出なくなったという。
 こうした土砂堆積が問題化するダム湖が続出したため、同行では、同国内の100以上のダムを対象に、日本のコンサルタント会社に調査を依頼した。
 入手した報告書(2004年12月作成)によると、土砂の堆積が特に深刻だった八つのダムのうち三つは、同行の融資によるものだった。中でも最も危機的状態にあったのがバカルダムで、総貯水容量(約690万立方メートル)の93%が土砂で埋まっていた。その他のダムも、総貯水容量の26%、36%に上っていた。
 バカルダムは、乾期でも、周辺都市などの朝夕計6時間の電力需要を満たす発電を予定していたが、ダム湖の水不足で実際には平均約2・5時間しか運転できず、周辺の住宅や工場では、日常的に停電が発生しているという。
 このため、同行で昨年、さらに詳しく調査した結果、土砂を排除するための追加工事などで60億円以上かかることがわかった。同行は「追加融資についての交渉内容は言えない」としているが、インドネシア側は融資の受け入れに難色を示しているといい、工事が実現するかどうかは不明だ。
 堆積量が予測より大幅に増えた点について、同行は「上流部の違法伐採で森林が減り、河川への土砂流入が増えたのが主原因」と説明する。しかし、建設にかかわった関係者は「ダム建設用地近くの傾斜が緩やかすぎて土砂が流れなかった。立地の問題であり、違法伐採は言い逃れにすぎない」と指摘。同行幹部も「完成からわずか20年弱で埋まってしまうのは異常。当初設計に問題があったと考えざるを得ない」と話す。
 円借款によるインドネシアのダムを巡っては、今回の報告書の調査対象ではないが、ビリビリダム(スラウェシ島)でも、既に許容量を超える土砂が堆積し、約100億円を追加融資。また、ウオノギリダム(ジャワ島)でも、5年前に7億5000万円かけて緊急工事が行われたが不十分で、抜本対策のため多額の費用が必要とみられている。(2007年5月13日11時51分 読売新聞)


 スラウェシ島西部のバカルダムは建設からわずか14年で総貯水量の93%が土砂で埋まってしまったのである。そんなもののために220億円という巨費が投じられたのだ。何という壮大な無駄遣いだろうか。土砂の堆積量は当初の予想では年間13万立方メートルで、総貯水量は690万立方メートルだから53年間はもつはずだったのが全く見込み違いだったわけである。そうなるともはや発電の役には立たない。貯水量が1割以下になってしまったために水不足でろくに稼働しなくなったのだ。

 土砂の浚渫を行うためには追加工事に60億円掛かるという。そのゼニが掛かることにインドネシア政府は難色を示してるらしい。当たり前である。そのゼニはこんなクソみたいなことをして迷惑を掛けた日本政府が出すべきだろう。いや、そんな中途半端なことをしてもだめだ。今すぐにダムを撤去し、堆積した土砂を取り除いて現状復帰をすること、それ以外に日本政府が示せる誠意はない。こんな馬鹿なことをして迷惑を掛けたことに対して、いますぐ安倍晋三はインドネシアに赴いて謝罪すべきだろう。

 ダムを造っても土砂で埋まってしまうのは自明の理である。建設したものがどれだけの期間使えるのかを考えてきちっとコスト計算すべきだ。そして、そんな余計なものを作って環境を破壊したことは取り返しがつかない地球にとっての損失であることを忘れてはならない。そこに堆積してしまった土砂は、下流の土地にとっては必要な恵みだったのである。その土砂がとけ込んで流れてることによって豊かな自然環境は維持されてきたのである。それを思えばダムなどは造るべきではないのだ。どうしても水力を利用したいのならば自然の流水をさえぎることなく発電する方法をこそ模索すべきなのである。

「追加融資」に100億などと言う馬鹿げた話からわかるように、こんなものを下手に建設してしまったらゼニは掛かるわ環境はめちゃめちゃになるわで何一ついいことがない。そんなものをせっせとゼニを貸して外国に作りまくらせる日本政府のやってることは一種の環境テロだ。イルカやクジラのことで批判されることが多い日本だが、そんなどうでもいいこととは桁違いの地球環境に対する犯罪が行われてることを忘れてはならないんだぜ。

 国内では環境破壊や無駄な公共工事に対する批判が強まってもう好き勝手なことができなくなったので、今度は外国で同じことをしているだけである。おそらく政府の要人には賄賂をばらまいてるのだろう。その工事を請け負ってる業者はいったいどの国の誰なんだ。おそらく日本のゼネコンがインドネアシアくんだりまで出かけて工事を請け負ってるんだろう。結局そのゼニは最終的に日本に戻ってくるのである。

川をせき止め、無駄に土砂を堆積させて荒廃させ、その川で暮らす多くの生き物の生息環境をめちゃめちゃにしておきながら、ゼニはしっかりと相手に払わせるこの悪逆非道の行為を見過ごしていいのか。少なくともこの環境テロを行った責任者どもは厳重に処罰されるべきだろう。

 中国でも長江をせき止めて巨大なダムを造ったが、その結果として周辺の水質汚染は一層激しくなっているらしい。洞庭湖などはもはや大量の工場廃液が流れ込んで、奇形の魚だらけの死の湖になってるそうだ。中国政府が自国をどうしようと日本は口出しできないのかも知れないが、その水は日本ともつながっている。先日、西日本の広範囲で出現した光化学スモッグは、中国からの強い風のせいで汚染物質が飛来したことが原因だという。

 今日本の目指す道は京都議定書の完全達成と、世界に向かって「環境」をアピールすることではないのか。どうせ憲法を改正するならこのことをどうか盛り込んで欲しいものである。こんな票にもならないことなどてめえら政治家どもは無関心だろうが。


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