2007年04月22日(日) |
金儲けなら立命館大学に学べ! |
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先日設置した株価ストックボード今日はエラーもなくちゃんと表示されています。閲覧者が多くなるとサーバーの方が負荷に耐えられないのかも知れないですね。平日の表示はかなり厳しそうですね。
大学全入時代を迎え、学生の集まらない大学の中には倒産の危機を迎えるところもあるという。そんな状況の中で毎年多くの学生を集め、儲かって儲かってたまらない大学がある。それが立命館大学である。しかし、そこに至るまではたゆまぬ努力があったのだ。かつての立命館大学は授業料こそ安いが設備は悪く、どちらかというと庶民の大学というイメージがあった。「20歳の原点」の高野悦子さんが在学した頃の立命館である。
しかし、今の立命館は関関同立という関西のライバル校と比較して最も学費が高いのである。例えば2007年度の文学部の初年度納入金を比較すると、立命館大学の127万3500円に対して同志社は107万5000円、関西学院が114万9500万円、関西大は109万7000円である。ちなみに早稲田大学は121万4000円、慶応大学は115万3650円である。こうして比較するといかに立命館がぼったくりかわかるであろう。
また立命館大学の学費には「物価スライド制」という仕組みがあり、入学時の学費は固定されているわけではなく入学してからさらに値上がりする可能性があった。入ったときの授業料から2割も3割も上がったとしても「物価スライドですから」と言われれば文句も言えない。泣く泣く払うしかないのだ。このとてつもないぼったくりシステムを以前に聞いたときオレはあまりの非道さにのけぞったものである。今でもこの仕組みは存在してるのだろうか。
金儲けは授業料だけではない。びわこキャンパスを建設したときに地元の土地持ちたちは学生向けのアパート経営で稼げると考えた人も多かったのだが、立命館は学生向けマンションも同時に建設して地元民の期待を裏切ったらしい。(これに関しては裏が取れてるネタではないのだが)なんともセコイはなしである。
立命館大学の一つの転機は、今から20年ほど前に関西有力私大の中で真っ先に理系学部の理科の入試科目を2科目→1科目に減らしたことだった。この変更によって立命館大学理工学部は受験生を一気に増やしたのである。受験科目が減るということは、それだけ受験生が勉強しなくても済むということである。受験生が勉強してこなければ当然のように大学教育の質的低下につながる。大学教育の質を落としても受験生を増やせるからプラスというまさに「英断」だったのである。それ以外にも同じ学部に何度も挑戦できるように複数の試験制度を用意したり、女子学生の少ない経済学部や工学部に女子特別推薦という禁じ手の技を繰り出したりして工夫を重ねて受験生を確保してきたのだ。また次々と既存の私立高校を傘下に収めて附属高校にして学生数確保のために活用した。私学だけではなく守山市立女子高校のような公立高校までも傘下に収めたのである。大企業が下請け企業をどんどん飲み込んでいくように、立命館大学も拡大を続けたのである。また歌手の倉木麻衣を入学させるなどして話題作りにもしっかりと努力してきたのだ。
1994年に開設したびわこ草津キャンパスの用地は滋賀県が無償提供した。大分県・別府市の協力を得て作った立命館アジア太平洋大学では、キャンパス用地を無償提供させるという荒業を用いて進出した。もちろんそれでも入学金や授業料という売り上げはしっかりと大学に入ってくるわけである。なんと効率的なビジネスモデルだろうか。立命館というブランドを活かして新設の学部であってもかなりの学生を確保できるというのも強みである。そうやって立命館を拡大発展させた功労者たちに対して、大学側がそれなりの礼を尽くすのもまことにもっともなことであるとオレは思って次のニュースを読んだのである。以下アサヒコムから記事を引用する。
立命館の理事長、総長の退任慰労金が倍増に2007年04月20日
学校法人立命館(京都市中京区)の理事長と総長の退任時に支給される「退任慰労金」が、3月の理事会で内規が改定され、従来の倍額に引き上げられたことがわかった。昨年12月にさかのぼって適用することも決めたため、今年1月に退任した前理事長への慰労金が6千万円から1億2千万円になった。立命館大学教職員組合は「学費が値上げされる中、学生の父母の負担を考えると遺憾と言わざるを得ない」としている。立命館によると、これまでの理事長と総長の退任慰労金は、職員や教員としての定年前は1年につき100万円、定年後は1年につき500万円と定めていたが、これを定年前200万円、定年後1千万円と2倍に変更した。
理事会は理事長のほか常務理事、理事を兼ねる学部長ら約40人で構成。3月23日に開催され、「施行日」について「06年12月31日付の退任者より適用する」とした。内規の改定については反論は出なかったという。
関係者によると、理事長を12年間務めて今年1月末に退任した川本八郎氏(72)=現相談役=へは1億2千万円、総長を8年間務めて昨年12月31日付で退任した長田豊臣氏(69)=現理事長=へは約4千万円がそれぞれ支払われたという。
立命館大学広報課は「学園の拡大で、トップにより重い責任が課せられるようになり、職務にふさわしい慰労金にするよう改定した」と説明している。
オレが受験生だった頃は、立命館大学の序列は関関同立の中では3番手、4番手というところだった。それを今の地位にまで上昇させ、関西で最も多くの受験生が集まる私大として育て上げた学園トップの功績を思えば、この金額でもオレは安いと思っている。1億2000万円といっても学生一人あたりにすればたいした金額ではない。立命館大学は大学経営でゼニをかせぐということを実践して多くの大学経営者たちに指針を示してくれたのである。その貴重な功績を思えばこの金額はむしろ安すぎるくらいだろう。(もっともその裏で教職員のボーナスカットなどもしてるのだが。まるでこのあたりは儲かってるのに社員には還元しない日本の典型的大企業と同じ体質である。)
ただ惜しむらくは、功績のあった元理事長がそのゼニをもらえた年齢があまりにも高齢であったということくらいである。72歳になった元理事長の川本八郎氏はそれだけのゼニをもらっていったい何に使うんだろうか。あの世にまで持って行けないゼニならば、自分の育てた大学のさらなる発展のために全額そっくり寄付して返すのが真に大学を愛したということだろう。もしもオレが同じ立場なら迷わずそうするけどなあ。72歳になった人間にとって真に大切なものは、1億2000万というはした金ではなく、自分がいかに社会に貢献してきたかという人生の軌跡だ。もちろんそんなことをオレのような暴言野郎から聞くまでもなくご自身でおわかりだと思うが。
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