江草 乗の言いたい放題
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2006年07月29日(土) そんなひどい踏切があっていいのか・・・・        ブログランキング投票ボタンです。いつも投票ありがとうございます。m(_ _)m 携帯用URL by Google Fan

 踏切事故の報道を聞く度にオレは思っていた。「なんで電車が来てるのに渡るんや!」そしてこうも思っていた。「電車は決まった方向から来るんや。」とも。一方から電車が来ても、それさえやり過ごせば渡りきれるはずである。それともはねられる場合というのは両方から同時に電車が来て避けようがない瞬間の現象なのか。生身の肉体で試してみたことはないが、遮断機が下りてから電車が来るまでにはどこも少し時間に余裕を持たせてある。オレのように敏捷な人間ならたかだか10mほどの踏切を数秒で駆け抜けることは不可能ではない。そう、ちゃんと左右を見ながら遮断機をくぐるとすれば電車を避けることができる。しかし、他の人が渡るのにつられて渡るという場合、渡れるかどうかと言う判断の基準を他者に預けてしまってるため、自分でちゃんと左右を確かめないということが起きてしまう。そうでもなければ踏切で電車にはねられるという理由が分からない。

 じゃあなぜ遮断機が上がるのを待てないのか。それは遮断機が下りている時間が長すぎるからである。そんなことになるのは鉄道会社の方に責任がある。オレはJR長居駅の北側にあった踏切をよく利用していた。高架工事がはじまって、まず上り線が完成したので踏切は下り線のみとなった。一方向にしか電車が走らないということは、劇的に遮断機が下りている時間が減少するはずである。ところが実際は、遮断機の下りている時間は3割程度減っただけで、相変わらずその踏切のところでは渋滞が発生した。単線と同じなのである。

 一方向にしか電車が通行しないのになんでこんなに待たされるかとオレはいつも腹を立てていた。歩行者は遮断機をくぐってどんどん渡っていた。さすがにクルマで同じことをするわけにはいかないのいで、時には15分くらい待たされることもあった。その15分間ひっきりなしに電車が通過したわけではない。電車なんか来ないのに遮断機は下りているのである。そしてやっと電車が来たかと思ったら、とてつもないノロノロ運転で踏切を通過したりするのである。そのたびにオレは脱力していた。

 電車が通過する時間はわずかなのに、どうしてこんなに長く遮断機が下りたままなのか。もっとてきぱきと進めて欲しいのである。必要以上に遮断機の下りている時間は長すぎるのである。しかし15分ならまだいい。7月21日に遮断機をくぐって渡ろうとした母子が死傷した東京都豊島区の東武東上線踏切は、事故発生の直前の70〜80分間遮断機が下りたままだったらしい。一時間以上も下りたままの踏切はどれだけ迷惑なことか。そんなに長いことひっきりなしに電車が縦横無尽に走り回るのか。そのほとんどは信号待ちとかでノロノロ運転になった電車がゆっくり通過するのを、遙か離れたところで関知して遮断機を下ろしてしまうように設定されているからじゃないのか。

 踏切から1キロのところに電車が来たら遮断機が下りるという設定であるとして、時速60キロでその電車が来るとすれば1分間待つだけだが、その電車が時速15キロのノロノロ運転をしていれば4分間待たないといけないことになる。それではあまりにも理不尽である。なぜ速度から到達時間を割り出して、常に踏切は電車通過の1分前に下りるというふうにできないのか。電車に「通行権」があるとすれば歩行者にも同様の権利は存在する。不必要に長い踏切での拘束時間は、道路という公共財の一方的な占拠であり、待ち続けるストレスに耐えきれなくなった人を精神的に荒廃させてしまう。

 強引に渡ろうとしてはねられた母子を責めるのではなくて、電車の通過する時間と比較して不当に長い時間踏切を閉じたままにして地域の交通の阻害要因となってきたJR線の踏切問題に関して我々は抗議の声を上げなければならない。私鉄の踏切よりもJRの踏切の方が下りてる時間が長いとか。

 この日記を書いた後、事故現場の近くに住むという方からメールをいただいた。ホーム一つ分遠回りをすれば地下道があること、子供を連れて遮断機をくぐった行動に対する疑問、踏切に隣接する形で東上線のホームがあり、ホームの幅の分だけ線路が離れてるので、一瞬立ち止まれば轢かれずに助かったということなどがそこには語られていた。メールの主と同じく私も、無惨な形で母を亡くした幼子が、一日も早く健康を回復してその痛みを乗り越えることを願っている。



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