2006年07月14日(金) |
もうカムイワッカには入れないのか? |
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世界自然遺産に登録された北海道、知床半島にオレは大学生の時に何度も旅行していたのだが、中でもカムイワッカの天然露天風呂は最高だった。ウトロから知床林道を自転車で走って、カムイワッカ川にかかる橋のところに自転車を置いて、そこからはだしになってお湯が流れる川の中を歩きながら上流に向かって沢登りをするのである。約300m登ったところにある四の滝の滝壺が天然の露天風呂になっていて、岩の上で服を脱いでその露天風呂につかったのである。
地元のユースホステルの方の話では、女性の入浴者がたくさんいるときは一番上の滝壺を女性専用にして、男性はその下の三の滝のところに入るという工夫をしたり、勝手に上に登って女性を覗こうとするおっさんを滝壺に突き落として防衛したりということがあったらしい。信じられない話だが、若者のグループの中には男女混浴で一番上の四の滝の滝壺に入った人たちもいたとか。全くもってうらやましいのである。
オレが入った時はまわりは自転車野郎の男ばかりだったので全然つまらなかったのである。しかも降りるときに足をすべらせて滝壺に転落、持っていた一眼レフカメラ、オリンパスOM10は水没して三日後に死亡するという高い入浴代になってしまったのである。
そんな思い出のあるカムイワッカ湯の滝が、なんと今年の夏は「上流部は危険」との判断で「一の滝」周辺までしか行けないことになった。7月13日、湯の滝への唯一の交通手段であるシャトルバスが走り始め、第1便には40人余りが乗り込んでいたのだがいきなりこの規制にぶつかってしまったのである。この川は上流部ほど温度が高いため、四の滝あたりで露天風呂としての適温になるのだが、一の滝ではぬるくて温泉とは呼べないのである。30度くらいしかないからだ。こんな水温では寒くて風邪をひいてしまう。
「落石の危険」などが理由で今回の規制がはじまったわけだが、そんなことは入り口にちゃんと表示しておけばいいのである。「落石や熊出没の危険があります。自己責任でお願いします!」で十分じゃないか。ここはゼニを払ってはいる銭湯ではないのである。もしも斜里町がカムイワッカ川の入り口で入場料のゼニをとっているなら、安全のために規制も仕方がないのだが、みんな勝手に川に入って湯につかってるだけなのである。少なくともオレがカムイワッカに入った20数年前にはゼニなどいらなかった。
もちろん危険はある。この敏捷なオレが足をすべらせて滝壺に転落したくらいだから、どんくさい連中の中にはもっと大きなケガをするヤツもいるだろう。しかし、それは管理する斜里町が悪いのではなくて、そのどんくさいヤツが悪いのである。こんな規制が必要なのは、川を汚すマナーの悪い馬鹿がいたり、自分が足をすべらせて転落したのに「ちゃんと手すりや遊歩道を整備しなかった町が悪い!」などと因縁をつけてくるヤクザまがいのクソ観光客がいるからである。そんな一部の迷惑な方々のせいで、この貴重な自然遺産を体験できなくなるというのはあまりにももったいない。あの川での入浴の開放感や自然との一体感は得難いものである。
安全に気を配りすぎるあまりダメになった名所もある。知床にはフレペの滝(乙女の涙)と呼ばれるところがあって、オレのお気に入りなんだがここには展望台と柵が作られて、滝をほぼ正面から見ることができる岬の部分には入れなくなったのである。確かに足をすべらせればそのまま崖から転落してしまう危険な場所だ。そこに柵を作ったのも仕方がない。しかし、学生時代のオレは危険を冒して両側が崖になってる細い道を降りて滝を眺めたのだ。滝の下には誰かがそこにダイビングして自殺したのか、自動車の残骸が朽ち果てていた。今もあのクルマの残骸はそこにそのままあるのだろうか。今度行くことがあれば遊覧船に乗って海から確かめてみたいのである。
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