2006年07月08日(土) |
夏の夜の蚊帳インターネット |
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夏になると冷房をガンガン入れてる我が家だが、夜に外に出ると涼しい風が吹いている。その涼風が網戸からは入ってきてくれないのでやむなく冷房を入れているわけだが、自分が外に出れば涼しいじゃないかとふと思った。
30年前、ここに越してきた頃は周囲には田んぼが広がり、いつも涼しい風が吹き抜けて冷房要らずだった。それがいつのまにか田んぼは埋め立てられて青空駐車場になり、その青空駐車場のオーナーは新興宗教に入れ込んで土地を売ってゼニを寄進し、おかげでその土地は3階建ての建て売り住宅に化け、おかげで我が家の周囲はとても風通しが悪くなってしまった。しかし、二階のベランダに出るとそこはひんやりとしている。ここなら快適に過ごせるはずだ。そんな思いつきからオレはベランダのテーブルの上にノートパソコンを置いてネットにアクセスしてみたのである。屋外インターネットだ。
無線LANはベランダにもちゃんと電波が届く。少し手元が暗いけど、ブラインドタッチできるから大丈夫である。これならエアコンの電気代も節約できるので一石二鳥だ。オレは自分の思いつきのすばらしさに驚いた。しかし、欠点が一つあった。それは虫である。液晶モニターの明るさにひかれて、羽虫のような小さい虫が集まってきたのだ。もちろん蚊もやってきてオレの貴重な血液を吸おうとする。なんということだ。悩んだあげく、オレは我が家に「蚊帳」があることを思い出したのである。「蚊帳」これをちゃんと「かや」とみんな読めるのだろうか。中にはそれがどんなものか知らない人もいるかも知れない。
我が家には確かに蚊帳があったはずだ。小さい頃に蚊帳の中で寝た記憶があるからだ。しかし、いったいどこにしまわれたのかわからない。ベランダの上には屋根があって、そこに蚊帳をつり下げて固定することは可能である。オレはこのアイデアを実行したくなった。蚊帳くらいたいした値段じゃないだろう。わざわざ探し出さなくても買えばいいのである。ベランダでの蚊帳インターネット、こんなことをやってる酔狂な人はいったいどれだけいるのだろうか。それでオレは「蚊帳」「インターネット」と入れて検索をかけてみたのである。残念ながらオレの考えたように蚊帳の中で屋外インターネットしている人はいなかった。代わりに蚊帳の通販サイトが出るわ出るわ・・・いろんな種類の蚊帳がそうして買えることがわかったのだ。しかし、どれも高いのである。直方体型で、足元にもファスナーがあってムカデ除けにもなる立派なものは10万円近い。一人用の安い蚊帳で5800円というのがあったが、これは小さすぎてオレと机を覆うには無理がある。蚊帳ってそんなに高かったのか。
今の家庭で蚊帳を持ってるところは少ないだろう。オレのように夏の暑い夜、蚊帳インターネットをしたいと思ったらまず蚊帳の入手からはじめないといけないのである。そうなるとかなり贅沢な行為になる。ただ、エアコンをがんがん入れて地球温暖化を促進するのではなく、自然の涼風を味わいながら夜の闇の中でネットにアクセスするのは悪くない。蚊帳インターネットを普及させ・・・日本発の環境に優しい住居アイテムとして世界にアピールするべきだとオレは思ったのである。実際のところサハラ砂漠以南のアフリカ諸国では、住友化学が開発した樹脂に殺虫成分を練り込んだ蚊帳が、WHO(世界保健機構)を通じて配布され、マラリアを防ぐのに大いに役立ってるのである。
琵琶湖からの涼風の吹き抜ける滋賀県あたりなら、蚊帳インターネットという試みはかなり現実味があるのではなかろうか。環境に優しいエコライフを標榜するなら、ぜひこの蚊帳インターネットにチャレンジしてみるべきだろう。
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