2002年12月01日(日) |
旧友交歓(20年の歳月を経て) |
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京都の平安会館で、大学時代に所属したサイクリング部の創部30周年の記念式典があった。10周年の節目ごとに式典が行われているので、前回から10年ぶりの再会ということになる。研究者となった者たちは教授、助教授というポストに就き、企業に就職した者たちはそれなりの責任ある地位に昇進していた。相変わらずなのは自分くらいのものである。ノーベル賞の候補にリストアップされてる者もいるとか。実に恥ずかしいことだが、学生時代にどうやら勉強していなかったのは自分だけだったようだ。
会場には一時間以上も前に到着した。始まるまでの時間、ゆっくりとあたりを散歩してみた。烏丸通りから少し西に入るとたちまち静かなたたずまいになる。不動産屋があって京都のさまざまな物件情報が掲示してあった。大阪と比べてそれほど高くない。いや、むしろ安さを感じるものもある。ここまで不動産価格が下落してきたということだなと納得した。しかし、一般の戸建て住宅に混じって、なんと「京の町屋」が仲介物件として存在していた。32坪で3900万、場所は三条堀川だから便利なところである。そのような家屋を賃貸して利用しようという動きは最近活発になってきたが、まさかそれをこの程度の価格で「所有」できるとは思いも寄らなかっただけに驚きであった。
広い家を手に入れるためには田舎に行くしかない。都心部で手にはいるのは狭小な敷地にぎゅうぎゅうにに建てられた三階建て住宅か、マンションぐらいしかないと思っていた。都心部で妥協しない持ち家など無理・・・と思っていただけに、自分が夢に見た対象が、買えないこともない価格で存在することに改めて驚いた次第である。その街を愛し、その街で学生生活を送ることを望んだ結果、自分は四年間の月日を過ごすことになったのだ。
式典、そして立食パーティは盛況のうちに終わり、二次会は大学そばの串カツ屋に場所を移して、十人余りで歓談した。学生時代とは20年近い月日が隔たっている。それなのに間近に顔を合わせていると、昔と全く同じ顔で何も変わっていないように思えるから不思議だ。12時近くになって散会した時、勘定が一人二千円あまりという学生価格であったこともなぜか嬉しかった。「今度は同期だけで逢おうよ」というお決まりの挨拶、それが実現するのはいつのことだろうか。
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