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あるこのつれづれ野球日記
あるこ
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2005年08月06日(土)
不思議な表象現象

 
 私の“人生これができれば思い残すことなしBIG3”に一つ、『爆笑オンエアバトルで審査員をする』という夢がかなった。(高校野球もオンエアバトルも見ているという読者さんはいったいどれくらいいらっしゃるのだろうか。そんなことも考えず、自分勝手に話を展開していく所存です)

 朝、いきつけの化粧品店のサロン会(新商品のお試しやメイクアドバスイスをしてもらえる。簡単に言えば、こぎれいな私になれるのだ)に出た後、新幹線で東京の収録現場へ。何度も迷い、警備員さんに八つ当たりしながら、ようやくスタジオについた。

 場所を変え、人を変え、番組の説明や注意の呼びかけがあり、何故か知らないけど記念撮影もして、収録開始。スタジオは小さいんだろうなと思ってい以上にさらに小さかった。厳しくいこうと思ったのに、アマアマ審査になってしまい、10組のうち7組もボールを入れてしまった。ボールが転がる音はやはり壮絶で、でもシビアだった。結果を聞く前にだいたいのオンエアコンビがわかってしまったくらい。

 私は、こういうことをしているせいだろうか?スタイルを模索している彼らを否定することがどうしてもできなかった。収録前に「ほめるより、辛辣な批判やアドバイスを書いてやってください」って言われたんだけど…。味があると何故か笑え、そんな私は人と笑いのツボがずれている(もしくは、お笑いを見る目がない)ことが改めて発覚。ボールを流さなかった3組のうち2組はオンエアの上位2組。ああ。トップでオンエアされる芸人に対して、ジャッジペーパーに『次回に期待』って書いたよ。死にたい。

 あるコンビに注目をしていた。もともと野球ネタをするので、TVに出ていれば可能な限り見てはいたが、胸を張って好きな芸人だと言えるほどの情熱ななかった。が、舞台に出てきた瞬間、キターって感じだった。自分でもびっくりするほど、彼らに釘付けになっていた。特にツッコミの方。テレビで見たより、スマートで格好良かったのだ。う、嘘やろ〜。昔、生で間寛平を見た相方が、「男前やったわ」と言った気持ちが今ようやくわかった気がする。やばい。はまるよ。呪文のように心の中で繰り返していた。でも、ネタは、私的にはイマイチだった。

 収録を終え、一人駅に向かって歩いていると、何故か泣きそうになる自分がいた。彼が予想以上にかっこよく、いい年こいてハマッてしまうであろう自分に対する悲しみ、ハマるとつらいことも増えるのはよくよくわかってる。また、ネタが期待ハズレだったことに対する「なんでそのネタなんだよ〜」という怒りに似た悔しさもあった。そして、彼らの立っているような世界にあこがれる(お笑いではないけど)自分に対する焦燥感や何故か熱いエネルギーをもらった感触や…。書いてても恥ずかしくなってしまいうようないろんな感情が入り交じっていた。誰かにひょいと背中を押されると絶対に泣いていただろう。一人でよかった。だいたい泣くなんてわけわからんもん。前に、高校球児が泣くのは表象現象なのではないかと書いたけど、まさしくそれを自分が身をもって体験してしまった。涙と理由が一致するとは限らないんだなあ。

 ちなみに、彼らは「世界のすべてを野球で見る」と紹介されていた。「世界のすべてを野球で書く」自分でいたいと思った。