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あるこのつれづれ野球日記
あるこ
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2004年02月05日(木)
怒りのホームラン

 あれはいつだったか、秋季大会前の練習試合。対戦相手は、会場として球場を借りていた。初回に先制したものの、中盤には追いつかれて雰囲気は決していいとは言えなかった。そんなとき、レフト後方の林の中に飛び込む場外アーチが飛び出した。

 これでムードがよくなる、と思いきや、場内は静まりかえっていた。守っている相手がそうなるのはわかるけど、ベンチにいるチームメートも黙々とベース間を走る彼を眺めているだけだった。彼がベンチに戻っても、ハイタッチがあるわけでもなし、笑顔があるわけでもなし。あのホームランはNGワードかって思うほど暗いムードだった。ホームラン後にこんな光景を見たことは、もちろん今まで一度もない。試合自体は、その後も追加点が入り、結局、圧勝で終わった。

 さて、これには後日談がある。そのホームランを打った選手のお父さんからこんな話を聞いた。「あの試合、打席に立つ前の守りで、セカンドのベースカバーに入ったとき(彼はその日、ショートを守っていた)、相手にスパイクされたんやって。だから、“あれは怒りのホームランなんや”って言ってたよ」

 あのムードにはそういう意味があったのか…。きっとチームメートもそれを知っていたんだな。