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| 2003年02月27日(木) ■ |
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| あのとき、何を言っていたの? |
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ピッチャーがマウンドを降りた。いや、降板したわけではない。
2年前、夏の京都大会でのこと。3点リードで迎えた7回裏、東山高校のエースはそれまで危なげのないピッチングを展開していた。この回も二者連続三振に斬って取ったが、その後センター前ヒットでランナーを出してしまった。次のバッターは0−2からショートゴロ。ところが、それをショートの選手がこぼしてしまう。電光掲示板の「E」の赤いランプがともった。
そのとき、彼はマウンドを降り、ショートの選手に歩み寄ったのだ。ショートの選手の肩をポンポンとたたきながら、何か話していた。ショートの選手は、すまなそうにうなだれていた。すると、彼はもう一度肩を叩き、顔色をうかがった。そのあと、再びマウンドに戻った。初めて見る光景だった。時計で刻んでいる時間以上に長く感じた。
2年生からベンチ入りし、公式戦、練習試合等何度となくその投球は見ていたが、このとき、私の中で彼はこれまで見たことのないピッチャーに変わっていた。 風の便りで、大学でも野球を続けていると聞く。いつか話が出来る機会があれば、あのとき何を言っていたのか、何故わざわざマウンドを降りてまで声をかけたのか訊いてみたい。
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