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| 2002年05月05日(日) ■ |
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| 古き良き時代(読書感想文) |
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今日は読書三昧でした。実は、連休明けから時間をかけてじっくり読もうと思っていたのですが、気づいたら夢中になって読みふけっていました。
読んだ本:駒沢悟監修・松永郁子著「カープ〜苦難を乗り越えた男の軌跡〜」(宝島社)
内容:様々な人の話を基盤に書かれた広島カープの創設時から現在までの歴史。
200ページ強だが、文体がややストーリー調で、数字や専門用語など難しい言葉がほとんど出ていなかったので、思いの他読みやすかった。
ただ、文字の横の強調点が無駄についているので、玉に傷だなあと私は思った。
広島カープという球団の特異性やドラマ性にため、雑誌や本等でその歴史は何度となく取り上げられ、多くのファンが知るところである。
周知の通り、創設時から金銭面での苦労が並大抵ではなく、そこからはい上がってきた気迫と機転と情熱には敬意を払いたい。
巷に「アンチ巨人」や「アンチ阪神」という人はいるが、「アンチカープ」という人の存在を聞いたことがないのも、この球団の持っている歴史故のことだろうか。
この本と他のカープ史本との大きな違いは、細かい部分にまでしっかり書き込まれているということである。
例えば、金閣寺を建立したのは足利義満だというのが歴史的な事実だが、実際に木を切ったり、土をこねたりという具体的な作業をしたのは一般庶民である。しかし、歴史の教科書にも、多くの歴史書にも一般庶民が取り上げられることは、まずないと言っていい。
この本は、そんな一般庶民をも取り上げているのだ。
昭和26年頃から、球場付近に募金樽が置かれ、市民がお金を入れてカープを助けたと言う。他の本はそれで終わっているが、この本では、当時小学生だった○○さんは、グローブを買うために貯めていた貯金をカープのために捧げたなどというエピソードを併せて紹介している。この具体性が、ものすごく好きだ。
今のようにプロ野球球団が大きくなっていると、ファンとチームの一体感などということを実感するのはなかなか難しいと思う。そして、そこに時として疎外感を感じるわけだが、当時のファンはそんな思いとは無縁だったんだろうなと思う。
戦後の貧しい時代、お金に余裕などあるはずもない。それでも、カープのために、樽の中にお金を入れることのできた人々は、ファンとしてはものすごく満たされていて、不謹慎ながら幸せだなあと思った。
そして、そんな一般人を取り上げたこの本を見て、「応援することは無駄ではない」と勇気をもらったように思う。
この本には有名無名の深い人間性や魅力を持った人物が多く登場している。私はカープをひいきにするファンではないが、「広島カープよ、永遠なれ」。そんな気持ちになってしまうのだ。
今日も、ブラウン管の向こうでカープの赤いメガフォンが燃えるように揺れる。彼らのお母さん・お父さん、あるいはおじいさん・おばあさんの中にも、募金樽にお金を入れた人や、服や家具を質に入れた人、カープ存続のために県庁や商工会議所に駆けつけた人たちがいるんだろうなあ。ふと物思いにふけった。
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