東京の下町で学生時代から仲の良かった後輩と呑んだ。 同じように映像を商売としている彼とは話が合う。 伝える仕事という意味でソイツと俺とミイさんは仲が良い。 いや、別に仕事がそういうんじゃなくても仲良いと思うんだけどね。
ソイツは転職を考えていて、 もうすぐそこまでソレがやってきていた。
彼は「V」のようには生きたくないと言った。 最初は「夢と今」が近かった。 だけど今はそれが段々と離れていって、 このまま生きていけばそれが当たり前になることが怖いんだって。
俺は「×」だと言った。 「夢と今」が離れていて、それが近づいて、 また離れていきそうだと答えた。 そして今が丁度、接点じゃないのかなとも思うと。
彼はいろんなことで悩んでいた。 生きるということでも。
だけど、そのまなざしは力強く生きていた。 俺は彼より2歳年上だが、彼の年のときに 同じだけのことを考えられていただろうか? ちょっと自信がない。
こういうやつと話していると本当に幸せだと思う。 何よりも幸せだと思う。本当に。 ミイさんと話すもとってもとってもとっても楽しいけど、 やっぱコイツと話すのも楽しい。
お互いが話に耳を傾けていた。 僕が話した、 燃料・タンク・ガソリンスタンドの話や 1日に「ありがとう」を50回言おうという話。 1%の話、 「おつかれさま」の話などをした。 んー・・・なんかたくさんはなしたよ。
そして、俺の話に彼は泣いていた。
何故泣いているのか聞いたら
「酒呑みすぎて、話熱すぎて、涙でてきたっす。 うおーーーー!」
とか叫びだした。 色々大変なんだろうな。東京砂漠で生きていくのも。
帰り際に、新宿駅で別れ際に握手した。 俺は改札を抜けようとした瞬間10年ぶりくらいに鼻血が出た。 カッコわる。まぁいいや。
名古屋までの新幹線の中で、 東京で一泊させてもらったことの感謝のメールを送ったら、 返事がきた。
「俺のガソリンスタンドもポルコさんです。 しかも、とてもいいガソリンを入れてくれますよ。 俺はできればポルコさんにもらったガソリンを 他の人に分けたいです。」
ってメールが来て、俺は少し泣いてしまった。
あーよかった。横のおばちゃん寝てて。
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