2004年08月24日(火) アトムからの提言。

僕は手塚治虫がかなり好きで、

本を集めてる。

三つ目がとおる
火の鳥
アドルフに告ぐ
ブラックジャック
鉄腕アトム

などなど、短編もいくつか持ってる。


手塚治虫は成年漫画も実は書いていたりする。

たまに、三つ目でも、エッチだなと思えるシーンがあるけれど、

それも彼独自のユーモアで、面白いなと思わせてくれる。
なんというか、いやらしさがない。


手塚治虫の中でも、
最近また、アニメにもなった、鉄腕アトムが僕は好きだ。


とても機密な情報を集めてロボットを想像するのではなく、
小学生にでも分かりやすいものになっている。

読んだことがない人は、是非読んで欲しいと思う。


僕は、鉄腕アトムの話の中で、
特に好きなのは、「地上最大のロボットの巻」という話だ。

世界征服をたくらみ、
世界一強いロボット(プルートウ)を作った政治家が、

世界中で有名なロボットと、次々と戦わせ、
世界一強いロボット(プルートウ)を使って、
世界を支配しようとする話だ。


そして、世界でも有名なアトムの強さを政治家は知り、
日本にプルートウを送った。

アトムは何で自分を攻撃するのだろう?
という疑問を感じながらも、
プルートウが攻撃してくるので、
戦い始めた。

そこへ、アトムのお父さん(お茶の水博士)が止めに入る。
漫画上では、ロボットにも法律があり、
ロボットは人を傷つけてはいけないという法律があるため、
プルートウは、お茶の水博士に何でアトムを襲ったのかの
事情を話す。

すると、「世界を征服することが目的で、
アトムを倒しにやってきた」
ということを聞いたお茶の水は、
ますます、アトムと闘わせたくないと思ったのと、
ロボットは世界を征服する為にあるのではないということを
プルートウに訴えるが、主人の命令に逆らえないプルートウは
返事を濁し、「またアトムと戦いに来る」
と、お茶の水とアトムに伝え、その場は引き返すのであった。

プルートウと少し闘ったアトムは、
今の自分の力のままでは勝てないと悟り、
お茶の水にこう言った。

「博士っ 僕を十万馬力から 百万馬力になおしてください!」

「僕を百万馬力のロボットになおしてほしいです」

すると、お茶の水はアトムに怒りながら言います。、

「なんじゃとお??
 いいかな よくお聞き…お前はな
 十万馬力のロボットとしてつくられたんだよ」

アトムは俯き加減に答えます。

「僕が百万馬力なら あんなロボットなんか
 いっぺんに負かしてしまいますよ」

お茶の水はそのアトムの言葉を聞き、
怒り心頭、顔を真っ赤にして怒ります。
もう堪忍袋の尾がキレルというところで、
お茶の水は自らの頭を噴水につっこみ、
頭を冷やします。

そして、アトムに言うのです。

「いいかい……
 アトム……
 十万馬力のロボットだって
 ちっともはずかしくないんだよ

 もしちからの強いだけが
 えらいのなら

 プロレスの選手は
 世界一えらいことになる……

 だが実際はそんなことはない

 十万馬力のロボットだって
 その使いかたによっては

 世界一のロボットになれるのじゃよ」


アトムは理解できませんでした。
妹のウランにも、弱虫とバカにされてしまいます。




僕はこの上に書いたことって、
すごいことだと思った。

そもそも、「えらい」とか「すごい」とか
「名誉のあること」って何なんだろう。

その一端だけで人は語れないのに、
自分も、生き方によっては、自分を発揮できる場所が
きっとあるのに。

僕はアトムの気持ちが分からないわけでもありません。
でも、こうも思います。

だったら、100万馬力にアトムがなった時に、
もし、1000万馬力の相手が来たら、
アトムはどう思うんだろうと。

力が強いものが、えらいとは限らないし、
根本ではなく、むしろ、智恵というか、
How to的なこと。

大事なのはそういうことだなと思うのです。


世界は今、核の問題やテロのことで、
毎日ニュースを賑わせています。

日本が核を所持せぬまま、他の所有国に
持つなと言うのは難しいともされています。

でも、日本として言いたいことは、

俺らが持ってないから持つなって言うてるんやないんよ。
そんなんきりないねんって。

ってことなんです。

オリンピックで盛り上がる日本。

ただ、選手の流れを見て、
歓喜するだけでなく、

何故、日本人が勝つと嬉しいのだろう。
こんなにも世間は喜んでいるのだろう?

そういうことも、
たまには考えてみてはどうでしょうか。


「もしちからの強いだけが
 えらいのなら

 プロレスの選手は
 世界一えらいことになる……

 だが実際はそんなことはない

 十万馬力のロボットだって
 その使いかたによっては

 世界一のロボットになれるのじゃよ」





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