でも何だか曇りっぽくて星は見えそうもないですね。 雨が降ると天の川が溢れてしまうのでカササギの橋がかけられずに、彦星と織姫は会えない…らしいんですが、曇りの場合どうなんでしょうかね?会えるのかしら?
そういえば何だか、七夕の夜が綺麗に晴れていた記憶があまりないような気がする…。時期的に梅雨だしね。 うちの実家のあたりは田舎なのでわりと山の方に行けばまだたぶん蛍もいるし星もよく見えるんですが、天の川、見たっけなあ…。 あ、星見を兼ねて蛍狩りに行って、なぜか大きなウシガエルを拾って帰ってきたことは覚えてるよ(…どういう思い出だ)
しかし、学生掲示板のところに笹飾りが飾ってあるうちの学校ってどうなんでしょうか(笑)
せっかくなのでちょっと小話。
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大きな笹竹を抱えて、式神たちは小さな姫君に笑いかけた。 『ほーら、ちゃんと笹を取ってきてやったぞ〜』 『主様と一緒に飾りを作りましょうね、ちい姫さま』 「わー、すごーいすごーい!!こんなおっきな笹飾り!!」 無邪気に喜ぶその姿を目を細めて見つめて、式神たちを労う。 「ありがとう。こんな立派なの、取ってくるの大変だっただろう?」 『気にすんな。竹取の翁んとこで貰ってきたから、たいした労じゃねえ』 『主様とちい姫さまの所望だと言ったら、気前良く分けてくれました』
色とりどりの折り紙や千代紙と、短冊。 輪飾りや、吹流し、その他もろもろ、笹に飾りが増えていく。
「それはなあに、おじさま?」 墨と硯と、筆。それに加えて彼が取り出したのは、小さな玻璃の瓶。 「これはね…」 蓋を開け、瓶を傾けると、中からは透き通った水が流れてくる。手の平に納まる程度の小さな瓶から、注いでも注いでも尽きないたっぷりの水が溢れてくるのは、瓶にかけられた魔法のせいだろう。 「里芋の葉にたまった朝露で短冊を書くと、字が上手になるんだよ」 これも、今朝早くに式神たちが集めてきてくれたものだ。 「…でもおじさま。わたし、まだ字がかけない…」 その言葉に、式神たちは「そうだった!」とばかりに顔を見合わせた。 いくら聡明といえ、まだまだ幼い。 『ちい姫、賢いから字くらい書けるつもりでいたよ…』 『読むのは出来ても書くのはまだでしたね…』 どうしよう?と主を顧みれば、彼は笑って、 「大丈夫」 そう言うと、用意された筆の一本に、魔法をかけた。 「口で言えば、筆が一人で動いて代わりに字を書いてくれるからね」 はい、と伯父から手渡された自動筆記の筆が、さらさらと彼女の願いごとを記していく。 小さな手に、いっぱいに溢れる願いの束を、空を流れる星の川に託して。
―夜更け、天の川を見るんだ、と張り切ったまま寝入ってしまった姪に、そっと布団をかけてやってから、ふと立ち上がって、笹につるされた短冊を一つ、手に取る。 その願いごとを見て、彼は思わず笑みを零した。
『伯父様と式神さんたちと、ずっと一緒にいれますように』
「…そうだね、一緒にいれたらいいね」 呟いて、自分の書いた短冊を吊るす。
『いつまでも笑顔で、君が誰からも愛される子であるように』
煌く星たちを見上げて、「叶うといいね」と微笑んで。
夜半の静かな風に、笹飾りが揺れていた。
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