□■スペア■□
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急な仕事が入った。 もうすぐ帰る時間だったのに。
8時前、やっと解放されて携帯を見る。 着信2件。 いつもの時間。 7時過ぎとその数十分後。 帰る途中にくれたんだ。 なら、もう家に帰ってる。 こっちから電話は出来ない。 メールも無理。 諦めるしかない。 仕方ないと心に言い聞かせつつ・・・ 寂しくてたまらない。 これくらいの事で・・・。
数分後、着信音。 彼の音。
『どこ。』
「帰ってる。○○○。」
『ゲーセンに居る。』
「・・・待っててくれたんだ・・。」
『当たり前でしょ!』
今日は、急な仕事だった。 いつまでかかるかもわかんなかった。 彼にはメールもできなかったのに。 待っててくれたんだ。
何でそこまでしてくれるの?
やさしさ?
プライド?
どっちでもいいや。
「ありがと・・。」
『ん』
この前逢ってから、 ちょうど1週間。 こんなに早く逢えると思ってなかった。
1週間ぶりに触れる手・・唇・・・。
この時間、この一瞬は、私だけのもの。
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