よりぬき音盤。

2004年09月11日(土) 9.11ですので本日のBGMはLOU REED / NYC MAN(二枚組ベスト)

 このCDは今夜の店BGMとしても使用予定。何かを弔う、というつもりも特になくて。
 ニューヨークが破壊された。→5,000人以上の被害者を出した。→泥沼のテロ戦争に没入。お互い報復が怖い。
 そういった構図について考えるのはもううんざり。

 たとえば、阪神・淡路大震災。あのときの被害者も5,000人越えじゃなかったか。そして人的報復うんぬんはなくても大地震の再発、という点では(ここ最近の地震騒ぎがそうですよね)いつ・どこで・どれだけの規模でそれがおこなわれるのかわからない・でも怖い、といった点では天災も人災もさほど異ならないと思う。でもその街を離れずに日常生活を営む、というのならそれなりの覚悟と危機感を持って生きなければならない。

 そもそも生きる、ってそういう覚悟と危機感を体内に持続させることではなかったのか。それでも安全を取りたい場合もある。そしたらなんの屈託もなく疎開をすればいいのだ。経済的なんとかよりも生命のなんとか。ちっとも恥じることはない。

 生きることがなにがしかの闘争、あるいは祭りのようなもの。それがルー・リードが生涯、ひとつの都市を舞台に繰り広げているテーマだ。執拗なまでのNYCへのこだわりと偏愛。それがルーをして60歳を越えてもあんなに緊張感のある肉体を築いているのだ。

 張りつめていない弦からは、なんの音も鳴りはしない。

 ルーは生涯あのまんまである。生涯ロケンロー。


 
 ……

 休みが二日しか取れなかったので、二日間実家に帰っておりました。
 本当は6月あたりから帰りたい、帰りたいと思っておりまして、
 棚卸しが終わった隙をついて帰ってみました。実家はI知県であります。

 帰るたびに思うのが、「もうここには永住できないよなあ」という一抹のもの悲しさ。かと言って東京に居を構えるつもりもなく。

 安住の地なんて到底見つかりそうもないですよ。
 時間が余り、大江健三郎の「同時代ゲーム」読書が200ページもはかどり、人生(歴史)とは闘いと祝祭の狭間に瞬く光だ!とひとり妄想・興奮。

 全く無意味でもない帰省でした。(用事はあったんですけどね)


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