Desert Beyond
ひさ



 8:2

もやっとしていて寒さは厳しくなかった。
冬8割で残りの2割は確実に春だった。
自転車で夕暮れた街をいくと
別れと出会いの季節の予感をひしひし感じることができて
2割の春の空気だけ吸い込もうとして
胸いっぱいに大きく深呼吸してみた。
つくづく日本人だなと思う。
ハッキリとわかる原色な季節より
移ろう曖昧な季節の方が好きだ。
去る季節の憂いと寂しさ。
来る季節の薫りと期待。

中学3年生になる前の春休み中に
僕は右手首近くを骨折してしまったわけだけど
靴を履こうとして右手をひねりながら力を入れたら
ピキって激痛が走った。
季節の移り変わりとか寒いときとか
こんな感じになってしまうことがある。
骨に不安を抱えるのは気持ちのいいもんじゃない。
折れるわけじゃないんだろうけど嫌な痛み...。

ぽっけにレモンドロップを入れたいと思って
外出したついでに近くのドラッグストアに寄った。
昔ながらのレモンドロップが欲しかったのに
レモンのどあめとか、キシリなんとかとか
新しい感じのレモンキャンディーしかなく
結局ビタミンCが沢山とれるような
レモンタブレットとあめが一体になってる
ビタミンレモンってのを買った。
家に帰ってきてなめてみたけど
やっぱりぽっけに入れるようなレモンドロップじゃなかった。


2006年01月29日(日)
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