自分の居場所が欲しかった。
どこかに行ってしまいたくなる時があった。 死にたいという感覚ではなく、ふっと消えてしまいたくなるような。
愛情のない結婚生活。
母としての私はいつも肩肘張って、必要以上に頑張ってしまっていた。 泣きたくなったり、どこかに行ってしまいたくなったりしても そうするわけにはいかなかった。
私の居場所がどこにもなくて、言いようのない寂しさに襲われていた。
いつの間にか泣きたい時にも泣けなくなっていた。
後ろを向くしかなかった。 結婚前に遠く離れてしまった人のことをいつも想っていた。 夜空の星を見ながら、その人の名前を心の中で呼んでいた。 後ろ向きな毎日。
このまま別れた人のことを想いながら、ただ年を取って死んでいくだけ なんだろうな・・と思っていた。
|