〜 女房の呟き 〜
■□■



 (無題)

 
 
 雨の朝
 その公園で
 冷えて固まる男を見た
 男が住まうベンチのうえ
 
 眠っているようにも見えたが
 男を囲んで立つ白いレインコートたちが
 厄介そうに立ち尽くしたままなので
 そっと目を瞑って通り過ぎた
 
 
 数日ぶりの日差しに
 ベンチは清潔に乾いて
 晴れ間を待ちかねた子が遊ぶ
 
 男の家財は跡形もない
 昼下がりの公園
 
 


2004年08月31日(火)
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