〜 女房の呟き 〜
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姫君は崇高にして憂う
もう欲しいものはなにもないのに
誰もがこぞって何が欲しいかと言い募る
あぁ、うるさい…
それでも心優しい姫君は
ほぅと溜息ひとつで、その憂いを誤魔化して
あれを頂戴、これが欲しいわと言い下す
そのお言葉に狂奔する下々は幸いだ
世界のありとあらゆるものを捧げもつ
しかし、姫はけっして首を縦に振らない
深遠なる慈悲のこころ
狂える民は知るや
月を仰いで、姫は憂う
崇高な魂だけが、かの地に還ってゆく
2004年06月13日(日)
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