---------私は貴女の剣となり、貴女の盾となろう。 貴女に“安らぎ”という名の煌めきが戻る、その日まで・・・--------
「エメロ、エメロード!!」
穏やかな青い空の下、艶やかな声が響く。 真紅の美しい核に、それに見合う赤い衣を身にまとった青年。 腕を組み、ため息をひとつ吐いた。
「まいったな、今度は何処に行ったんだ・・・。」 「いたか?」 「あ、いや・・・まだだ、そっちは?」
二階へ通じる門から、また一人青年が現れた。 群青の美しい核に、刺繍のたくさん入った青い衣を着ている。
「いなかったから、私はお前に聞いたんだ。」
冷たい物言いに、普通の人なら戸惑うか気を悪くするかのどちらかだろう。 だがさして気にする様子もなく、そうだな、と返す。
「まったくあのお嬢さんは・・・ これでもう何回目だと思っているんだ。」 「彼女は以前から騎士になりたいと言っていたな。」 「私もそのことは承知している。 だがな、そろそろ現実を見てもらわないと困る。 “涙”を取り戻したとは言っても、それは珠魅の中でごく一部の者だけだ。 一人でも多くの姫に“涙”を取り戻してもらわなければならないんだ。」 「まぁ、それはそうだが・・・」
「ルーベンス、サフォー、どうしましたか?」
風に乗って聴こえてきたのは、優しいアルトの声。 上を見上げると、傍にあった宝石柱に彼女は上品に腰をかけていた。 輝くダイヤモンドの核に、白く高貴なドレスを身にまとった女性。
「ディアナ様!?」
あ。
「私の姿が目に入らないくらい、真剣にお悩みのようですわね。 二人とも、何が起こったのですか?」 「は、実はエメロードがまた・・・。」 「まぁ・・・。ふふ、あの子も凝りませんわね。」
あ、また・・・。
「ディアナ様にはお心当たりが?」 「・・・サフォー。」
口元に笑みをたたえて、静かに言う。
「あなたの騎士、アクアはまだなりたての頃、一体どこで修行していたのでしょうか?」 「マリーナが・・・?」
どたばたと騒々しい足音が門の奥から聞こえてくる。 音を立てずに登る彼とはえらい違いだな、と思わず笑みがこぼれそうになった。
「サフォー様!! ・・・あ!!ディアナ様、ルーベンス様、ご無礼お許しください!!」 「構わん。何かサフォーに言うことがあるんだろう?」 「あ、はい!そうでした!! サフォー様、下の廊からエメロード様らしき女の子の声が・・・ ・・・サフォー様?」
アクアをじっと見つめて、考え込んでいる。 その視線に、彼女は戸惑いを隠しきれないようだった。
「あ、あの・・・サフォー様・・・?」 「マリーナ!!」 「は、はい!!!?」 「そうか・・・そういうことか・・・。行くぞ!!」 「えっ!?あ、は、はい!!御前、失礼します!!」
相変わらず静かに早足でさっさと行ってしまうサフォーと、 それに追いつこうと必死に走るアクア。
あの二人も、まだまだだな、と思った。 昔よりはサフォーも素直になったものだが・・・。 アクアの苦労もまだまだこの先続くことだろう。
「・・・ルーベンス。」
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テキストの調子が悪いので、ここに表示してみました。 学校のパソから♪ ・・・だって家でやると、その日は寝れないことになるんだもの・・・ こっちのほうが調子いいし・・・ 今、先生いないし・・・
この続きも、おそらくここでアップします。 んで、テキストの調子が直り次第書庫に移動させます!! ちょっとの間なので、よろしくお願いしますね!!
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