2008年10月04日(土)
走り書きでどこへ行く。
ヤナギさんは、ボディーガードのお仕事をしています。 なんだか、総理大臣のボディーガードをすることになりました。 という続き的な。頭の体操的に書いてみようかと思います。
新しい仕事で、ヤナギはいつも着ているパンツスーツより値段の高い物を支給された。仮の仕事柄それなりの格好をしてもらわなければならない、という依頼主の注文があったからだ。 同僚のツユにメイクを考えてもらった。ぱっと見がいつものヤナギとは違い、しかし濃すぎず、上品に、嫌味なく、且つ理知的に。 ヤナギは鏡に映る自分を見て、よし、と気合を入れる。その姿は、どこからどう見ても非の打ち所の無い「秘書」だ。これから自分は「秘書」になる。しかし、本物の「秘書」ではない。 ヤナギは個人専門のボディーガードの会社に勤めている。これまで様々な人間のボディーガードをして来たが、今回の仕事はヤナギにとって初めてのことだ。 ボディーガードの対象は、総理大臣。 期間は、海外で行われる国際会議に参加する5日間。 国の代表には当然、警察が警護に付く。ヤナギのような民間の警備会社の人間など必要無い。実際、在任中の総理大臣の正式な公務の警護に警察以外の人間が入ることなど前例が無いという。 ことの始まりは、一月前に遡る。
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