女房様とお呼びっ!
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2003年04月10日(木) 花も嵐も踏み越えて

いくら私がイリコを辛がらせるのが好きで、奴にあっては再々辛がってても、
私たちのこれまでが、まさか辛いことばかりだったワケではない。
確かに奴は、自称コンナハズジャナイ失敗を繰り返したが、
これも当然に失敗ばかりしてたワケじゃない。
勿論私も説教ばかりしてたワケじゃなく。幾ら好きでも、そればっかじゃ嫌んなるワ(笑

ここで公開オナニーするために、この二年のメールなどの記録を見返していると、
そういう当たり前のことに気付く。
いや頭では解ってても、渦中にはそれを忘れて、こんなことばっかだ…とうんざりするもので。
奴の位置では尚のこと、直面する辛さで目一杯となり、
それを思い出す余地なんてあるはずもなく、余計に辛いことだろう。

”奴隷なんて辛いものだよ”と言い聞かせつつ、けれど、
”奴隷だから得る悦びは必ずやある”と、私は確信している。
それは奴だって、実感しているだろう。
実際、落ち込みから脱出するとき、奴はちゃんとここに辿り着く。
辛いけれども悦びもある。いや、辛さがあってこその悦びか(笑。
ともかく、辛いばかりじゃない。勿論悦びばかりなはずもない。

そしてそれは、時を経て眺める事実の集積がまさに証明してくれる。
たかだか二年にしても、辛いこと同様に悦ばしいこともあったんだと。
それが当たり前のことなんだと。
確かに辛いときって、悦ばしかった記憶を忘れがちだし、
時にその記憶すら疑わしくもなるけれど、感情よりも厳然たる事実に救われるよ。

・・・・・。

先日来、一年程前からの奴との経緯を順に追っているが、
先に記事した春の乱以降、この程度に深刻な出来事は、驚いたことに年末まで起きてない。
印象としては、もっとこじれまくってるのかと思ってたのね。
そうしてみると、大きなこじれってのは、台風や大雪並に稀なことなのかもしれない。
ナンダ、意外と健全なお付き合いだわぁ(笑。

いや勿論、細かく見れば、二ヶ月置きくらいに小さな事件は起きてるんだけど、
私としては、さほど消耗せずに済んでいる。
それが証拠に、折々のこじれを巡ってのメールは一往復くらいで終わってるし(笑。
あぁでも、今となれば、こういう小さな綻びを適当に見過ごして、
ちゃんと手当てしなかったこそに問題を見てるんだけど。

もっとも、私的には小事件でも、
奴にしてみれば、台風に直撃された並みのダメージを負ったかもしれないし、
年に二度の深刻な事件には、天地がひっくり返った程の絶望を覚えたのかもしれない。
だから、同じ出来事を共有しながら、互いの事実には随分と隔たりがあるんだと思う。
とすれば私は、私固有の事実で楽観しちゃだめだなぁと自戒する。

・・・・・。

私がここで回想する現在、その一方で、奴にも過去を振り返る作業を課している。
またまたママゴトぽい所業なんだけど、メール等からデータを抽出してもらってるのだ。
これは、昨年末の事件以前に、専ら私が今後の方針を立てる目的で依頼したことなのだが、
図らずも、今となれば奴にも意味のある作業になってしまった。

先日進捗状況を訊いた折、「はっきり言って辛い」と奴はこぼした。
偶々なんだろうけど、奴には初めて、語尾に「です」がつかない発言だった(笑。
そして「楽しいこともあったのに、そういうのは詳しく書いてないんですね」と苦笑する。
「結局そういうことになっちゃうね」と、私は相槌を打つしかなかったけど。

でもねぇ、楽しいことは語らずとも、いつまでも憶えてられるものと思う。
その逆に、辛いことは忘れたがるものなのね、人の摂理として。
勿論それでもいんだけど、辛いことだからこそ記憶に留める努力をしたほうが、
後々役に立つんじゃないかしらね・・・説教のネタにもなるし(笑。

・・・・・。

花も嵐も踏み越えて。
花の記憶を心に抱いて、またの嵐に備えましょう。


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