女房様とお呼びっ!
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2003年03月19日(水) |
戦い済んで夜は更けて #3 |
この夜、思いがけず私の深層が開いてしまったのは、 やはりイリコのパニックに、少なからず影響を受けていたせいだろう。 幸い、出てきたものは「母との関係性」なんて馴染みのもので、助かった。 確かに思わぬ気付きに驚きはしたけど、精神状態を揺るがす程の事柄じゃないし、 その程度の自己矛盾なら放っとける位、私もオバサンになった(笑。
それにしても、人の精神って脆いと改めて思う。 まるで柔らかな臓器のようだ。何らかの刺激を受ければ、必ず傷つく。 大抵は自然治癒するけど、魔法のようにいきなり回復はせず、生体らしく徐々に癒えていく。 その途中にある精神は自分で思うよりずっとデリケートで、 些細なことで揺れたり、不安を生んだりしてしまう。
そして幸か不幸か、精神のダメージは往々に知覚されない。 それで、思わぬ成り行きで自分の負の部分が露見したりするんだね。 この夜で言えば、奴のパニックに強い不安を覚え弱った精神が、 風呂場での思いもよらない発想や深層の自己矛盾に気付くという後遺症を招いたのかと思う。 改めて、精神の仕組みを実感してしまった。
・・・・・。
ところで、SMプレイをしてると、こうした精神の仕組みによく出会う。 単に肉体のみを責めていても、身体的なダメージは精神の疲労を招きがちだ。 弱った精神は傷つきやすい。 S側の何気ないひとことが、M側の精神を決壊させることもある。 つまりこの時、言葉は鞭よりもエゲツナイ凶器になり得るんだね。 時に、敢えてその凶器を振るう場合もあるけど、最大限の注意が必要だ。 精神を責めるのはおっかない。
まぁ、取り立てて精神を責めずとも、更にはさしてハードなプレイでなくとも、 M側の精神が弱ってるなぁと実感することは再々ある。 何というか、精神の砦が薄く低くなり、無防備になってる感じ。 最中はそれでいいけど、これがプレイを終えても余韻として残ることがあって、 帰途に事故を起しかけたなんて話は少なくない。
だから、行為の後はしばらく共にいて、ある程度精神を復調したほうがいい。 と私は思うのだけど、M魚によっては、早いとこ独りになって自分の世界に没入したがる奴もいて、 その気持ちもよくわかるので、煩いほどに気をつけろと言い含めて見送る(笑。
・・・・・。
夜が未明の刻に変わろうとする頃、ようやく床に就く。 問わず語りをしたことで程よく気も落ち着いて、眠ることが出来そうだ。 布団に入り、これもいつものことで奴に足を揉んでもらう。 そして、いつものようにそのまま寝付いてしまった。 ただ、奴としては仕事に勤しんでいてもなお、現実感が薄かったらしい。 本当にまいってたんだね。
> ゆっくりおみ足をマッサージさせていただきながら、 > 何かそのおみ足がとても遠いもののように感じておりました。 > まさに自分が今その手に取らせていただいているおみ足ですが、 > 伝わってくるものはとても遠く薄いものでした。
・・・・・。
遅くに休んだせいか、目覚めると随分日が高く、空の青さに胸がすくようだった。 夕べの疲れが残っているが、気分は悪くない。 私以上に疲労しているはずの奴はしかし、健気にいそいそと働く。
呼び寄せて跪かせ、その鼻先につま先をあてがうと、奴は縋るように唇を寄せる。 次第に、奴の気が再び戻ってくるのが感じられて、ほっとする。 そして、もう片方の足を足元に纏わる奴の後頭部に乗せ、奴の気を巡らせながら、 今日は景色のいい場所で風や日差しを受けながら、弁当でも喰おうと思った。
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