女房様とお呼びっ!
DiaryINDEX|past|will
2003年02月07日(金) |
ワタシのすっぽかされ事情 #3 |
その彼も、やはり前日の電話を最後に、約束の時刻を過ぎてもナシのつぶてで。 まぁそれでも、一度対面した女にそうするのは、余程の理由があるのだろうと、 それ以降、私のほうから電話をすることはなく、当然掛かってもきませんでした。 すっぽかされて確かに憤りを覚えましたが、それを責める程の関わりじゃないですし。
っと、こんな言い草だと、いかにも私が鷹揚で物分りのよい人間のようですが、 ソレは違います(笑。単にその彼への執着が薄くって、更に責めるを面倒がったと。 たった一度の対面でも強い執着を抱いてしまってたら、電話くらい掛けたでしょう。 それに物分りよさげにいても、それは自らが傷つかないための保身術でもあるワケで。
◇
そんな成り行きでしたが、その後、テレコミで彼の伝言を再び耳にしました。 たぶん、私との約束を反故にした日から、そう時間は経ってなかったはずです。 しかし彼の言い分は、私と会うきっかけになった、以前のそれとは違っていました。 「普段は普通の人だけど、二人きりの時にはSになってくれる方にお仕えしたいです」
これを聞いた途端、私は失笑し、また脱力し、漸くにして合点がいったのです。 なるほど、先の対面で彼が目にした私も含め女たちは、”普通”じゃなかったのだと。 いや、バーの女王様はお仕事だからともかく、スーツ姿の私もそう思われたのだと。 それで、”普通”じゃない人を受け入れ難かった彼は、すなわち私をフったのだなと。
そう考えると、対面して以降の彼の行動が、するすると腑に落ちていきます。 次回の誘いを受けたものの、断るに怖じて、ついつい承諾してしまったことや、 果たす気もない約束に困って、結局連絡を断つことで難から逃れようとしたことが。 そして、全ての解に納得する一方で、またもやりきれなさを抱えてしまうのでした。
いえ、彼の言い分が変わったことに不服を覚えたとか、失望したとかではないのです。 私との対面で、彼が明確なビジョンを持ち得たことは、むしろ喜ばしいとも思います。 そして、”普通の人”にお仕えしたいという彼の願望も、充分に理解できるもので、 彼にしても、闇雲に女王様を求める段階を脱し、具体的に今後を探っていけることでしょう。
◇
では、何をもって、私がやりきれない気持ちになってしまうのか。 それは、私が自身を”普通の人”だと思い、そうありたいと心がけているからです。 S女だからといって、いきなり乱暴な言葉遣いをしたり、無茶や無理を言ったり、 そういう人の道理を無視するような振る舞いはすまいと、常々思っているからです。
その彼との交渉や対面においても、当然”普通の人”でいたつもりだったのです。 がしかし、彼の感覚に照らすと、私は”普通”ではなかったのだなと残念に思いました。 もっとも、その時の彼にしてみれば、「女王様」に相対しているという緊張のあまり、 私の言動の全てが「女王様」ぽく、”普通”じゃなく見えてしまったとも想像できます。
それに、振る舞い以前に、私の容貌や雰囲気が”普通”でなかったのかもしれません(笑 こればかりは、彼の感性によるもので、私がどう足掻いても仕方のないことです。 が、自分自身では、さして「女王様」ぽい自覚がないので、何だか釈然としなかったり。 けどまぁ、そうであれば、自身についての誤認や認識不足に恥じ入るばかりです。
◇
しかしながら、この経緯において、自身を”普通”に見えなくした一番の原因は、 「まともな感覚」を忘れて、いきなりSMバーに伴ったことだろうと改めて思います。 彼にとって、そこは正に異界で、そこへ連れ込む女なんてやはり”普通”じゃなくて、 そこでどれ程”普通”に振舞おうと、自分とかけ離れた異形の者に見えたことでしょう。
・・・と、これまた想像に過ぎませんが、こう理由付ければ少しだけ救われるのですね(笑
|