女房様とお呼びっ!
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2002年04月24日(水) セックスしたからどーなのよ? #3

”本当のSM”はセックスしない。誰とは知らず、斯界でまことしやかに語られるSMの定義。同好の方ならば、一度くらいはお聞き及びと思う。そして大抵は、”本物のSM”という言葉を聞くや、既に鼻白み、この定義の嘘臭さに気づくことだろう。しかし、”本当のSM”に憧れ、知識と実践に焦る十年前の私は、あっさり惑わされてた。

だから、「犬」とセックスしたことを、何でも話せるはずの仲間内でも言えなかった。行為した事実そのものに後悔はなかったし、「主」たる私が”したいことをした”だけで、「犬」の望みを裏切ったワケでもない。ただただ、私達の行為や関係が”本当のSM”じゃないと非難されて、SMやる資格なしと判じられるのを怖れたのだ。

殊に、私の場合、「犬」に奉られて「主」側に納まった成り行きで、正直「主」たる自分に自信がなかった。僅かでも批判を浴びれば、すぐに腰砕けになるだろう、ヘタレな女王様だったのね。勿論、今でもヘタレ加減は相変わらずだが、まだ若かった私は開き直ることも出来ず、シリアスに「主」たる自分を全うしようとしていた。

・・・・・。

さて、立派な「主」たらんと、当時の私が縋ったfemdomSMのバイブル(M専誌)は、そりゃぁ厳しい戒律に満ちていた。曰く、素手で奴隷を触ってはならぬ。曰く、奴隷のキッスは、爪先または股間のみに受けよ。曰く、奴隷に肌を晒してはならぬ。グラビアを見れば、確かにお乳を露出してる女王様なんて、ひとりもいないのだ。

あまりにも非日常なfemdomSMの世界。これが”本当のSM”なのか?と驚き、びびったが、流石にそれらを鵜呑みすることは出来なかった。実際、先の同好会の面々、特にS女連中は「雑誌に出てるfemdomシーンは、M男のオカズであり、風俗としてのSMよねぇ?」と看破して、「私達の等身大のSMを語りましょう!」と息巻いたものだ。

弱気な初心者女王様の私は、彼女たちの「等身大のSM」を興味深く聞いた。「鞭打ってると興奮するのよ」「カーフの靴の上から足舐められるとイッチャウの」「パンツ脱いで顔面騎乗なんてしないわヨ」・・・どなたの話も真実味があったし、面白かった。けれど、誰も、従にフェラチオするとか、ファックするとか仰らなかった。

時に、セックスについて話が及ぶこともあった。が、偶々なんだろうけど、セックスが好きと言う人はいなかった。それは、SでもMでも、男でも女でも。寧ろ、セックスよりもSMが好きとか、セックスが苦手だからSMやってるとか、セックスに否定的なニュアンスが、場に満ちる。セックス嫌いの方が偉いような気さえしたっけね(笑

・・・・・。

確かに、SMを嗜好する人の中には、男女によらず、セックスが嫌い、苦手という人がいる。インサート自体がダメだったり、M男性なら”男能動(フツー)のセックスが苦手”だったりする。それらの原因は、性的なトラウマ故とか、のっぴきならない性癖故とかなんだろうけど、彼らにとっては、セックスなしのSMの方がベターだ。

しかし、セックス好きでもSMを嗜好する人間はいる。私のように。さてどうするか?・・・結論を言えば、各々が好きなようにすればいいワケだ。セックスとSMプレイの相手を区別して持ったり、SMプレイの一環としてファックしたり、セックスの前戯としてSMプレイしたり。人それぞれのSMと皆が口を揃える昨今、それでいいじゃん。

・・・・・。

嗚呼!なのに、「セックスとSM」の微妙な関係は、未だに論議を呼び続けるのだ。


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femdom系サイトで行われた、非常に面白いアンケート結果です。
かなりのボリュームのレポートですが、ご興味あれば、是非っご覧下さい。
「セックスとSM」


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