女房様とお呼びっ!
DiaryINDEXpastwill


2002年04月23日(火) セックスしたからどーなのよ? #2

femdomSMなんてやってると、「じゃぁセックスは嫌いなんですか?」と訊かれる。「いぇ大好きヨ」と答えると、「奴隷とヤるんですか?」と怪訝な顔される。「そゆこともあるわ」と言えば、驚きとも困惑ともとれる反応が返ってくる。質問者の頭の中には、”女王様が奴隷にヤられる”という奇怪な図が浮かんでいるのかもね(笑

困りながらも、理解を諦めない質問者は言葉を継ぐ。「あ!そん時は、女王様からタダの女に戻るワケですね?」あっはは、そう来たか。あるいは、「やっぱ、女性上位で犯すって感じですか?」別に体位は関係ないだろう。噴き出してしまう。ま、笑ってばかりじゃ失礼だわね。「女王様のまんまで下にもなるし、喘ぎもシマス」

しかし、答える際に、「あくまでも、私の場合は…」と断るのを忘れちゃいけない。だって、femdomSMにおけるセックスねたは、非常にセンシティブなのだ。埒内外を問わず、大凡の人が興味ある話題なのに、誰も声高に語ろうとしない。私にしても、極めて個人的な事情ながら「従とヤってます」と公言するには、勇気が要るのね(笑

実際、随分長い間、「従」とセックスしている事を他人に明かせなかった。それどころか、フェラチオをしてることも、唇を重ねてることも、いわゆる「フツーのセックス」ぽい性行為については、口を閉ざしていた。あぁ、今考えれば馬鹿みたいだけど、それを公言することで、”本物のSMじゃない”と誹られるのが怖かったんだ。

・・・・・。

私がちゃんと(笑)SMした最初の相手は、「犬」だ。出会った当初の私は、彼の語るSMの世界に興味を惹かれていただけで、何のSM的ハウツも知らなかった。片や彼は、既に十年近くSMクラブに通い、その上でパートナーを探し求めていたベテランで、彼の夢や経験を聞きかじっては、私はその真似事をするので、精一杯だった。

「主様がなさること全てが私の歓びです」彼は、事毎にそう言った。それは彼の願望そのものだったし、私にとっては、有り難い励ましの言葉でもあったのだが、その実、私は戸惑っていた。まるで初心者、何をしたらいいか解らない私に、何でもしてくれと言われても、正直困る(笑)。困った私は、M専誌を読み漁ったものだ。

雑誌から沢山のヒントを得て、私は行為した。そのどれもに彼は悦び、私も楽しんだ。けれど他方、早く”本物のSM”をしたい、してやりたいと焦っていたのも事実だ。”本物のSM”を説く雑誌をバイブルとして、私は「主」として頑張った。それ位、「犬」が好きだったからね。と同時に、ちゃんとSMしてる自分にも満足してた。

しかし、いくらバイブルに則って行為しようとも、それはやはり性的な営みなのだ。受け身の「犬」は当然のこと、刺激を与える側の私もはっきりと欲情していた。好きだという感情を伴った欲情は、当たり前の衝動を生む。キスをしたい。抱きしめたい。セックスしたい。そして、私はバイブルを放りだし、衝動のままに行為した。

・・・・・。

当時、「犬」が主宰していた同好会は、私達が関係を続ける心の支えになっていた。世間に大ぴらに出来ない、SMチックな惚気話をしたり、相思しあう二人であってもぶち当たる悩みを明かし合ったり、将来的な夢を語ったり、各々のSM観を披露して共感し合ったり、批判し合ったりした。同好の者同士、何でも話せる聖地だった。

けれど、その輪の中では、私達のセックスを明かさなかった。幸せな事実だったのに。なぜって、バイブルでは、femdomSMにおけるセックスを禁忌としてたから(!


女房 |HomePage

My追加
エンピツ