女房様とお呼びっ!
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2001年07月09日(月) 「犬」と「女房」とセックスレス #4

セックスについて、私は、特別に「愛がなくちゃダメ」なんて思っていない。
「愛を確かめ合う行為としてセックスして上手くいく」のは、極上の快楽だけど、
「愛がなくてもグー」な場合もあれば「愛してるのにイマイチ」ってこともある。
初体験からテレクラだった私にとって、セックスは相当にフィジカルなものだ。

更に、体でエクスタシーを得るのは、生きる上での最大の娯楽だとも思ってる。
こんな仕組みを持ってるカラダが心底愛おしい。金や時間以上に失いたくない。
だから自分のインポに愕然とした時に、問題は完全に「個人的なもの」になった。
まさに私が生きるため。原因たる夫との関係とか夫のため、では全くなかった。

そそ、この頃は既に婚姻してたんだよね。経済が一応決着して、なし崩し的に。
少なくとも、私は結婚願望も共棲願望もなかったの。夫もほぼ同じだった筈だ。
親への体面と経済的な施策としての婚姻。子を持つ展望もなかったから、軽ぅく。
私ひとりがチャリで届けに行ったさ、大晦日に。ご都合主義だわ。笑っちゃう。

確かに、夫婦になったことで「夫婦間セックスの意義」を考えることもあった。
でも、インポの方が余程深刻な問題で、これを解決しない限りどうにもならない。
その頃性感が正常だったなら、さくっとヨソで解消しつつ、解を探してたかな?
ただ、再びSMをやる意志はなかったろう。既に、私の中でSMは終わっていた。

ってなつもりだったのに、最初に戻ってきたのは、SMな欲情だったんだ(笑)

・・・・・。

『SMスナイパー』というのはSM総合情報誌だ。イベントの告知なんかもある。
私に光の再来をもたらしたのは、本当に小さな催事告知だった。『人体の科学展』
人体を輪切りにして展示と紹介する記事。読んだ途端、動悸がして体が震えた。
嗚呼笑われても軽蔑されてもいい。私はコレで欲情する変態なんだ。内臓フェチ。

いや、ちょっとだけ取り繕っておこう(笑)・・・これはあくまでも妄想オンリーだ。
誰彼と何かを実行するつもりは毛頭ない。棺桶まで持っていく幻想。私の宝物。
「犬」の時代から、夫も知ってることだ、同調はしないけど。寧ろ苦手分野だね。
ま、兎に角、自分のエロの針が振れた事が嬉しくて、飛び上がらんばかりだった。

夫が帰宅するのを待ちかねて、目の前に記事を指し示した。ゼッタイイキタイ!
普段は殆ど独りで行動するのだけど、何故か夫と一緒に行きたいと思ったのだ。
その時、夫はとても嬉しそうだった。二つ返事で、行こう行こう!と賛成した。
「内臓、苦手じゃん?」一応訊いてみたけど、予定は決定したも同然だったね(笑)

それから数日、私は大盛り上がりでその日を心待ちにした。始終ときめいていた。
当日、上野の森は老若男女でごった返し、期待した淫靡の欠片もなかったけど、
そしてフェチ心を満たす程の展示ではなかったけど、妙な達成感に満足を覚えた。
そろそろ戻れる・・・一筋の光が圧倒的な安心を生む。エロな私の復活は近い。

博物館で買った資料を毎日眺めて過ごした。そして数日後、淫らな夢を見た。
縄と鞭と泣く男と死体が登場。もろSMな内容で、我ながら笑ってしまったけど、
目が醒めてからの高揚感は、日常に生きる私の体を再々駆け抜けた。厄介な程。
機が熟したのかもしれない。今だ。期待を胸に女性向けのエロ雑誌を買いに行く。

・・・・・。

実は私、エロ本を買うのに抵抗がない。生来の厚顔さ故か?高校生の頃からだ。
その時、私がエロな自分を取り戻す為には、どうしても女性向けのが必要だった。
女が自慰するための告白モンとか、実地に相手を捜すためのテレコミ情報とか。
私の目標は明確だったのよ。もいちどオナニー、もいちどセックス、或いはSM。

結果としては、オナニーは不発。ちくしょう、セックス無理か?じゃSMだァ。
慣れたテレコミも、久しぶりなので緊張した。ひとまず、伝言番組に録音する。
相変わらずS女はモテモテだ。かなり嬉しい。まだ、イケルじゃん?勇気が湧く。
何人かと直電で話してみた。けれど、誰も期待するような世界に住んでなかった。

私は性懲りもなく「犬」との世界を、他の誰かと再び実現したがっていたのだ。
あれ程の絶望感と挫折感を経験したのに、だ。やっぱ、止められないんだね(笑)
見つけたい、見つけてやる。SMテレクラにトライするも、依然困難を極めた。
しかし、その男は違った。受話器を持つ手が震えた。翌日会うことを即断した。


『主様がワタシの腕をとって「動くな」と仰れば、それは既に手枷なのです・・・。』
その男はそう言ったのだ。欲情した。急がなきゃ。誰かに取られたくなかった。


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