サッカー観戦日記

2024年08月08日(木) 近畿中学総体5決 京都精華中−東海大仰星中


中学生の全国大会にはクラブチームによるクラブユース選手権と、中学サッカー部による全中がある。レベル自体はクラブチームの方が遥かに上で、近年高校サッカーでは6年間一貫指導が定着しつつあり、下部組織をクラブチームにするか、中学サッカー部にするかは派閥が分かれるが、とにかく今では全中は私学サッカー部の天下である。全国的には少し前から青森山田中と日章学園中の二強が軸になっている。むろんそのまま高校サッカー部に持ち上がる。
で私学の台頭が遅れた関西も徐々に私学の流れになっていて、大阪のアサンプション中は別格で全国ベスト8くらいの力がある。で、全中関西予選にあたる近畿中学総体は20年以上前から観てるし、最初に観てからは30年たつかもしれないが、とにかく全国枠は5。昔は全中出場の決め方がどうか?と思った時期があった。つまり以前はグループリーグ方式で、しかも開催府県に全中出場枠1が与えられていた。グループリーグは3チームリーグなので、当然不公平が生じるし、真夏の特に暑い時間帯に試合せねばならない。これはおかしいということで、今ではいきなりトーナメントで関西6府県から12校が参加し、1位校4チームが1回戦シード。初日朝に1回戦、翌日朝に2回戦を行い勝者4校が全中、2回戦敗者4校により5決トーナメントを行い勝者が第5代表になる。大会三日目に5決トーナメントの準決勝・決勝を行う。当然負担は大きいが、中体連の理解がないのでしょう。

奈良県第二代表は超進学校の東大寺中。フットボールの「3B」とはブレイン、ボディバランス、ボールテクニック。常に移動する敵味方の配置を把握して最善の判断、最善のポジショニングを常に続ける作業はIQテストそのものなので、頭脳は大きな武器なのだ。頭脳を実現するためにボディバランスやボールテクニックがある。ちなみに東大寺高は全国経験がある。今大会では1回戦でPK負けした。相手は今大会で全中出場を決めた。

でその5決決勝が京都精華中対東海大仰星中となった。京都精華中はクラブチームに交じって京都府1部リーグに属している。残念ながら低迷しているし、上位の力もないが。この注目のカードに足を運んだ。

近畿中学総体5位決定戦決勝
京都精華学園中−東海大学大阪仰星中
8月8日 太陽が丘球技場B 天然芝 晴 ピッチ良 

京都精華
?七六一
六五七七八七六七
六四六二五十七十
誰々

東海大仰星中
九番
十番
十一六番八番七番
二番十七三番五番
一番



基本的には敵陣に素早く蹴り込んでミスを待つスタイルで、双方の高等部は強豪だが、高校で活躍するための育成チームのフットボールには見えない。中学は中学で勝ちたいように見える。開始早々京都精華中が敵陣右サイドにけり込む。東海大仰星中DFに自信がなく地面にバウンドさせてしまい右コーナーになってしまう。これを中でヘッド、京都精華中先制。以降は体格で上回る京都精華中がデュエルで優り、安全第一で進める。京都精華中はもともと女子校で、高校女子部は全国準優勝経験もある強豪で中学も育成重視の技巧的なチームなのだが、男子部は細かい技巧を一切見せず、ドリブルもない。京都精華中高は女子部と男子部はまるで異なるチーム。そしてこれは双方高等部に上がってもなかなか主力として活躍するには高等部が強すぎると思った。結局京都精華中が1−0で勝ち、全中の第5代表に入った。

さて隣のグラウンドの決勝ではアサンプション中が完全に支配。しっかりと組み立てて前進でき再現性を以てチャンスを作れる。ここだけはクラブチームに交じって戦える。いずれサンライズリーグにも上がって来るのでは?と思った。前半ペナ内左シュートが決まり、前半は1−0.最終スコア3−0でアサンプションが優勝した。レベルの上がった全中でもアサンプション中は恐らく全国制覇も狙えるだろう。


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T.K. [MAIL]