サッカー観戦日記

2017年04月01日(土) 京都府1部リーグ 久御山−京都外大西 立宇治−京都共栄 京都橘B−京都両洋

京都府1部リーグはプレミアに参加の京都サンガとプリンスに参加の京都橘Aを除く京都府最強の10チームによる年間18チームのリーグ戦である。レベルの高い京都の場合、京都府リーグ1部ならば、よほど低迷しない限り間違いなく全国でも通用するレベルにあり、見応えは十分だ。なかなか日程が発表されず、京都府サッカー協会に問い合わせると、京都府は会場難でなかなか決まらないとのこと。確かにフットボールセンターは1面しかない。





第1試合はプリンスから降格してきた久御山が登場である。少し前には高校選手権全国準優勝経験がある強豪で、ドリブル多用の華麗なサッカーで人気が高い。対する京都外大西は近年頭角を現してきたチーム。京都外国語大学の付属校だが、正式名称が京都外大西であって略称ではない。京都外国語大学付属西高校とかではない。

京都府1部リーグ
久御山高校−京都外大西高校
4月1日 10時 宝ヶ池球 人工芝 晴

久御山          京都外大西
−−−−−十一−−−−− −−−三九−−十番−−−
−九番−−七番−−十番− −−−−−−−−−−−−
−−−五九−−七二−−− 七二−六番−−七五−九番
七七−三番−−十八−九十 六二−四番−−七番−五十
−−−−−九七−−−−− −−−−−誰々−−−−−

久御山は例年ほどドリブル突破力がなく、パスの連携もイマイチで、しかも攻撃サッカーを支える激しい対人守備もイマイチで危なっかしい。久御山はテクニック溢れる選手が10番と14番をつけることが多いが、14番は出てもいない。10番はドリブル突破力がチームナンバー1で、仕掛けてからのスルーパスも冴える。京都外大西は10番が変化をつけ、サイドが仕掛けるスタイル。バックラインがややドリブルとショートパスに弱い感じだが、中盤からの守備はしっかりしている。40分、京都外大西、左CK、10番のキックにニアで50番が合わせ先制。0−1。

後半開始。46分(後半1分)、久御山、右CK、10番のキックに18番ボレーもバー。決定機。48分、久御山、ペナ内でパスを繋ぎ10番から右フリーの選手にパス、これを決めて1−1。普通ペナ内でパスを繋ぐなんてありえないが、久御山の超絶パスワークが出た。50分、久御山59番に警告。時間稼ぎ。久御山72番、7番、59番→5番、80番、89番。この時間帯でこの展開で交代ということはあくまでチーム作りの段階ということか。64分、久御山10番が中央をドリブル突破からスルーパス、9番が巧みなトラップで切り返し左隅へ。2−1。二人とも素晴らしい技術。11番も素晴らしい。京都外大西、9番と?→11番、16番。69分、久御山10番が仕掛けスルーパス、11番潰れてこぼれを10番が決めて3−1。71分、京都外大西39番→19番。80分、京都外大西、右スローイン、4番に入れて右クロスにファーで2番詰めて3−2。結局3−2で久御山が勝利した。

久御山は前線のテクニック、特に全得点に絡んだ10番が目立ったし得点力は高いが、失点が増えるタイプのチームとは言え、局面での激しさが足りなかった。今の戦力でも全国には十分行く力はあるが、攻守に例年ほどの力は感じなかった。とにかく1対1で戦うことでしょう。京都外大西は10番と4番以外に目立つ選手はいないが、ハードワークが光る。連携を高めれば、上位に進出できるはずだ。




第2試合の立命館宇治は常に全国を狙う高校で、激しい守備からの素早い攻めが特徴だ。対する京都共栄は高度に戦術的なチームだ。

京都府1部リーグ
立命館宇治高校−京都共栄高校
4月1日 12時 宝ヶ池球 人工芝 晴

立宇治          京都共栄
−−−十番−−八一−−− −−−四十−−三一−−−
−−−−−七番−−−−− −−−−−−−−−−−−
−六五−−五九−−十五− 十番−十四−−四番−四八
二八−二七−−四一−三八 二八−二一−−九番−十五
−−−−−七七−−−−− −−−−−十二−−−−−

京都共栄は監督が常に前に出てバックラインに細かく指示を出し、ラインを押し上げ、小まめに上下させ、相手FWをオフサイドポジションにさせ、全体をコンパクトに保つ。出来れば選手たちが自らの力でラインコントロールできるようにしたい。6分、京都共栄、左CKで14番が直接狙い、立宇治GKパンチミスが正面の京都共栄40番へ、ヘッドで叩き込み京都共栄先制。0−1。京都共栄は全体に線が細くパワー不足が目立つ。対する立宇治は81番はパワフルで7番が長短のパスで組み立て、59番が散らす。22分、立宇治、81番のシュートは右ポストを叩く。決定機。29分、京都共栄、31番が狙いすましたループは上のネット。互角のまま推移し、結局前半は0−1で終了。

ハーフタイムで立宇治10番→11番。京都共栄は10番と14番が抜群のテクニックでカウンターの中心となり、また中盤の運動量もある。58分、立宇治カウンター、右サイドに開いた81番を潰せず、中に落とすと2対1、65番から左ドフリーの11番が難なく流し込み1−1。京都共栄はパワーでは81番に歯が立たないから、警告受けてもファウルで潰すべきだった。60分、京都共栄31番→13番。ベンチ「トップ下2枚、ミクニ、アンカー」という指示で4−1−4−1へ。14番が1ボランチ、13番がトップに。65分、立宇治15番→70番。70分を過ぎても京都共栄の運動量が落ちず、35分ハーフの高校総体予選を考えると、間違いなく全国を狙える力があると確信した。75分、立宇治81番→23番。77分、京都共栄GKパントキック、13番が裏を取り1対1、GKに当ててしまう。超決定機。80分、立宇治、右から繋ぎ7番スーパーミドルを叩き込み2−1。85分、京都共栄14番の右CKヘッドクリアを8番?入っていた?が決めて2−2。88分、立宇治59番に警告。ラフ。結局2−2で引き分けた。

ポテンシャルでは立宇治だと思った。体つきがしっかりしているし、止める蹴るの基本もある。15番と65番は仕掛けてSBも上がりも待てる。センターラインは強力そのもの。間違いなく京都ではトップクラスだろう。京都共栄は十分な力があることは分かった。あとは自分たちの判断力を高めることだろう。ベンチの指示に頼りすぎだと思った。



念のため。高体連の大会は1高校1チームのみ出場という高体連の論理をサッカーの論理に優先させているが、サッカー協会の大会はAチームのみならず複数チームエントリー可能になっている。京都橘Bは以前京都府1部リーグを制したことがある。この時はプリンスリーグ参入戦のレギュレーションの不備で、Aチームが結局プレミアリーグに昇格したのにもかかわらず、Bチームは参入戦に参加すらできなかった。とは言え、Bチームで臨んだ昨年度の新人戦では優勝しており、Bチームと言えども京都府トップレベルなのは確かだ。


京都府1部リーグ
京都橘高校B−京都両洋高校
4月1日 14時 宝ヶ池球 人工芝 晴
京都橘B         京都両洋
−−−十一−−九番−−− −−−−−九番−−−−−
−−−−−十番−−−−− −十一−−二五−−七番−
四番−六番−−七番−八番 −−−十番−−八番−−−
−−二番−五番−十三−− 三番−五番−−四番−二番
−−−−−一番−−−−− −−−−−一番−−−−−

京都橘BはAチームと異なり3バックを採用。これは昨年の新人戦でも同じだった。10番はAチームで1年生から10番をつけている梅津に似たプレースタイルで身体能力はそれほどでもないが、巧みな技術のトリッキーなプレーを繰り出すアイディアの豊富さで攻撃を組み立てる。両アウトサイドの4番と8番は爆発的なスピードがあり、運動量もあるが、スペースがなければ苦しいタイプ。2番と4番はレフティー。7番は力強く突進力があり、グラウンダーの鋭いパスもある。6番は確実に捌くが、クレバープレーに流れることなく、大胆なスルーパスも狙う。スケールの小さい選手で終わりがちなタイプだが、自らの殻を破る気に溢れている。GKはハイボールの処理が安定している。京都両洋は3番と5番が空中戦に強く何度も跳ね返し、フリーキックを蹴るだけのキック精度もある。特に5番は両足とも蹴れる。5番のフィードが京都両洋の攻撃の起点になっている。9番も高くて強い。起点になれるが味方のフォローは遅い。立ち上がりは京都両洋がパワーで押し込んだが、京都橘Bも守備からリズムを作り、徐々に6番7番10番のトライアングルでパスを回せるようになる。そのうちにアウトサイドも使えるようになり、京都橘Bのペースに。前半0−0。

後半も内容は変わらない。両者妥協点上でのプレーで勝算を探る。70分、京都橘B,9番→20番。潰されることが多かった。74分、京都橘Bのバックパスをカットした京都両洋の9番が左シュート、セーブ。超決定機。78分、京都両洋、正面27mFK、5番が狙うが上に外れる。80分、京都橘B4番→19番。よく走った。19番は右利きでカットインも狙う。82分京都橘B11番→18番。83分、京都橘B18番から10番に預けダッシュ、リターンを18番シュートも足でセーブ。超決定機。83分、京都両洋7番→13番。88分、京都両洋25番→15番。ロスタイム、京都橘B7番が仕掛け18番に通るがクリア。結局0−0でタイムアップ。

京都橘Bは今年も優勝を狙える戦力があることが分かった。パワーは足りないが、これはAチームにも言えること。まともにぶつかったら苦戦するが、大抵何とか耐えていた。高さでは負けていたが、京都両洋が高さに優るチームだったというだけの話だ。京都両洋は中盤で後手に回った。10番は京都橘B7番の持ち上がりによく対応していたし、25番は懸命に守備に回っていた。とは言え京都両洋はあまり自信を感じなかったというか、ベスト8から先に進むには、強豪たる自覚がなくては、と思うのだが。


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