サッカー観戦日記

2015年07月20日(月) なでしこアカデミーカップ 高槻ー名古屋

なでしこアカデミーカップとはなでしこリーグの下部組織の中学生チームによる大会でグループリーグと決勝トーナメントからなる。スペランツァの下部組織はかつてはラガッツァと言い、今回の女子ワールドカップにも海堀あゆみと阪口夢穂を送り込むなど、育成にも優れていて、当然チェックしていた。しかしヴィトーリアとして分離独立し、新規立ち上げた新ラガッツァは成績面をみる限り一気に弱くなってしまい、以来観に行かなくなった。観に行くのは強くなってからでいい、トップに人材を送り込むようになってからでいい、と判断した。ちなみにヴィトーリアは人材を送り出している。スペランツァの下部組織はU−18の1チームで中学生の大会には中学生だけで臨んでいる。今年U−18は大商学園に0−7で大敗するなど、まだまだだが、U−15年代はセレッソ大阪に0−2負けの大阪2位で関西大会に出場するなど、力をつけている印象がある。ただし10年前なら関西4強はラガッツァ、大体大、日ノ本、啓明だった。大阪に高校勢でライバルはないため、ラガッツァの中学生はそのまま高校でも続けた。だが今は大阪にも全国制覇を狙える高校が複数あり、引き抜かれるのでは?という恐怖感がある。

U−15なでしこアカデミーカップ
スペランツァFC大阪高槻U−18−NGU名古屋FCレディースユース
高槻総合スポーツセンター ピッチ良 晴 11時

高槻           名古屋
−−−三四−−六番−−− −−−七番−−十番−−−
−−−−−−−−−−−− −−−−−−−−−−−−
三七−十六−−二二−三三 五番−十六−−十八−二七
三六−十九−−三五−二六 六番−十三−−二番−十九
−−−−−三九−−−−− −−−−−二三−−−−−

開始すぐ、高槻が圧倒的な身体能力の持ち主ということが分かる。身体能力は上を目指す上で重要な要素だし、技術だけでは、世界を目指せない。トップはもちろん代表を見据えたチームだということが伝わってくる。一方で組織力はまだまだだ。というか、あえて組織を固めていないというか。守備はどんどん奪いに行く守備で、バックラインこそチャレンジ&カバーを意識しているが、中盤ではスコーンと抜かれたり、苦しい体勢になっている。それを無理やり身体能力でカバーするのが凄い。CB35番は身体が強くロングフィードあり。22番は強烈な存在感で展開力とミドルシュートが鋭い。16番は技巧派で右足に持ち替え柔らかいパスを出す。37番(江頭)は圧倒的なスピードでサイドを突破する。26番(アイカ)は無理やり感のあるスピードで守備をこなし、攻撃参加も狙う。33番(ヨコガワ)は技巧的な右突破で中に合わせてくる。34番が落とし6番が狙う形が強烈だ。13分、37番の左パスを34番(ヤマダ)トラップ、ターンからシュートはブロック。直後にも16番のスルーパスに6番落とし34番シュートは逸れる。21分、6番が左スペースへ、37番持ち込みシュートはGKナイスセーブ。決定機。左CKは16番担当。直後にも左クロス、34番シュートは右に外れる。超決定機。24分、37番、高速突破、6番届かず。16番の左CKに34番ヘッド、上に外れる。37番、高速突破から6番鋭い切り返しからシュート、右に外れる。33番、鋭い右突破から37番ヘッドも右に外れる。決定機。終了間際には37番が高速突破から6番、左足でシュート、上に外れる。30分ハーフの前半終了。0−0。

全部身体能力で勝つから正直気持ちいい。スピードもパワーも完全に上。もちろん高槻らしいテクニックも光る。かつてのラガッツァ以上の力があると思った。もちろん他のチームも力をつけているので全国に行けなかったのだが。ただ技巧的なサッカーをするだけでなく素材に秀でた選手が揃っているのは楽しみだ。前半シュート数5(2)対0、CK数4対1、GK数0対5、オフサイド数0対1、クロス数4対0、ファウル数0対2、FK数2対0。

後半に入る。33分(後半3分)、16番のスルーパスに37番が左で加速からいったん切り返すと見せて再度加速、左クロスのこぼれを22番強烈なミドル。高槻FK、16番が緩く右上隅狙うがセーブ。名古屋6番→20番。35分、22番力強く持ち上がり、34番落とし37番ミドルは外れる。決定機。37分、22番強烈なミドルは上に外れる。38分、高槻37番が左サイドで受け、名古屋も普通に守備の形を整えていたが、目の前の二人を急加速でぶち抜き、カットイン、ペナ内で一人をタテにかわし叩き込む。1−0。スーパーゴール。名古屋18番→21番。40分、タテパスを6番落とし34番から左フリーの37番トラップミス、シュートは右に外れる。決定機。42分、高槻36番(ノグチ)→28番。34番→29番。名古屋27番→24番。44分、高槻26番切れ込み右クロスを6番(木村)トラップミスも自ら決める。2−0。46分、16番(オカノ)ドリブルからミドル。49分、名古屋5番→15番。50分、22番スルーパス6番シュートもGKキャッチ。51分、名古屋一発で裏に抜けるが7番の前でGKキャッチ。高槻29番はミネオカらしい。54分、高槻37番→13番、33番(ヨコガワ)→23番。57分、名古屋、タテ一本、またしても高槻がスコッと一発で裏を取られGKと1対1、しかし素晴らしい対応で止める。結局2−0で勝利。

後半シュート数は7(3)対1(1)、CK数0対0、GK数0対7、オフサイド数0対1、クロス数9対0、ファウル数2対4、FK数0対0。

まあチーム力としては2−0くらいの差だったと思うが、個々の能力差は歴然としていた。特に37番は今すぐ高校レベルで通用する逸材だ。私としては高校進学後もスペランツァで続けてほしいのだが、こればかりは少しずつ信頼を得ていくしかないのだろう。いずれにせよ、中学生年代は力を取り戻したことはよくわかった。今後が楽しみだ。


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T.K. [MAIL]