2015年06月07日(日) |
高校総体奈良予選男子決勝 一条ー奈良育英 女子決勝 奈良育英ー登美ヶ丘 |
この日は奈良の男女決勝を取るか、兵庫3決・決勝を取るかの2択だった。しかし今年は全国高校総体が兵庫開催の為、兵庫決勝は消化試合で控え中心とか無気力ゲームになる恐れがある。そこでシビアなゲームが期待できる奈良を選んだ。なお、試合後は18時キックオフの京都決勝に行くどういうわけか近鉄橿原線・京都線で直接向かうより、阿部野橋経由のほうが早くて安い。謎だ。新庄健民は10回くらい来ている会場だが、毎回調べる。近鉄で阿部野橋から南大阪線で尺土まで出て、御所線で忍海駅に出て、そこから徒歩。会場手前に総合スポーツセンターが出来ている。
両校は奈良県1部リーグで首位タイだが、直接対決は奈良育英が5−0で勝っている。
なお試合前に中立と断ったのですが、奈良育英保護者会の方から冷えたアクエリアスをいただきました。
高校総体奈良予選男子決勝 一条−奈良育英 新庄健民 11時 ピッチ並 晴
一条 奈良育英 十番−−−十一−−−十七 −−−−−九番−−−−− −−−八番−−十三−−− −−−−−八番−−−−− −−−−−六番−−−−− 十一−五番−−十六−六番 五番−二番−−四番−三番 二番−七番−−十九−十五 −−−−−一番−−−−− −−−−−十二−−−−−
キックオフ直前、ホーム側のゴールのネットがきっちりセットされておらず、穴がある。慌ててロープで補修する。コイントスで勝った一条が太陽を背中のする選択。
1分、奈良育英8番シュートはブロックに合うが、右クロスを11番押し込む。0−1。奈良育英9番はポジショニングがよく、マークの付きづらいポジショニングを取りつつ、守備でも効いている。ポスト役でそこそこ高さがあるが、すば抜けておらず、ポジショニングで勝負するタイプ。8番もある程度体格があり、飛び出したりパス出したり一条6番を自由にさせなかったりとこの二人で一条の後方の組み立てを妨害している。2番はロングスローあり。そして先制してリトリートして奪えば一気に攻めあがる。7番が統率したバックラインは1対1に強く、5番と16番は一条8番と13番を警戒する。一条は後方にタレントがおり4番が右利きながら左足フィードが良い。2番はレフティーでやはりフィードがよく、また運んでつなげる。6番は頑強でキープ力があり、やはりパスが安定している。一方で13番と8番がポジショニングの修正が細かくなく、焦って上がりすぎて後方との間に距離をあけてしまっている。6分、奈良育英右スルーパスに9番シュートも正面。決定機。奈良育英9番が一条4番と2番の間をさまよい、二人のパス交換を妨害し、最小限の運動量で最大限の仕事をしている。7分、奈良育英11番タテ突破、一条3番をスピードでかわし左クロスをカット。左CKは8番。9分、奈良育英11番左クロスを9番右トラップシュートはブロック。右CK、これも11番。奈良育英、立ち上がりは8番が蹴っていたが、ある程度 高さがあるだけに、8番はゴール前で競る側のほうがいいと言う判断か? 2番ヘッド、セーブをこぼれ9番シュートもブロック。決定機。15分、奈良育英の6番の右クロスを9番合わせる。0−2。16分、奈良育英8番から左に振りクロスは合わず。16分奈良育英6番の右クロスを16番ヘッド、左上に飛ぶがGKキャッチ。18分、奈良育英11番の左CK、2番折り返して9番落とし、8番シュート、左に外れる。決定機。22分、一条右FK、8番右足で入れるがGKパンチ。23分、奈良育英5番左突破からシュートはセーブ。左CKのこぼれを19番シュートは上に外れる。決定機。29分、一条6番ロング、力強かった。初シュート。34分、一条17番カウンターから右クロスは奈良育英GKキャッチ。37分、一条、左FK10番シュートは上に外れる。決定機。結局前半は0−2。
前半シュート数2対10(7)、CK数0対6、GK数3対2、オフサイド数0対0、クロス数1対10、ファウル数2対4、FK数2対0。
一方的に奈良育英の猛攻が続いた。一条はCBの4番、2番、ボランチ6番以外はポジショニングが中途半端で上がりすぎてクロスを上げられる両サイドバックや、前線に入り込み過ぎる13番と8番など、焦ってポジショニングが高すぎて繋げず、かと言ってロングボールの競り勝てるだけの高さもFW陣になく、ただ動揺しているな、という印象しか受けなかった。前線でリーダーシップ取れる選手がいればいいのだが。奈良育英は9番と8番が主役だが、両サイドの破壊力や7番の空中戦での撃墜数などいいところばかり出ていた。
ハーフタイムで奈良育英、11番→13番。11番は主力だと思うが飛ばし過ぎたか? 40分(35分ハーフ)、奈良育英9番ポストで落とし8番スルーパスに13番抜け出し流し込むもオフサイド。一条はサイドバックが一度下がってインサイドMFも下がってバランスを保った方がいいと思った。42分、奈良育英2番のロングスロー9番受けてシュート、セーブは8番詰めるも逸機。決定機。47分、一条8番→20番。まあ私が監督でもここを代えるかな。13番はまだ頭の回転の速さがあって省エネながらも効いているプレーも見せているが、13番は奈良育英ボランチに消されていた。49分、一条右FK。3番のキックはゴールライン割る。3番もキックのいいタイプで、一条のバックラインはガツガツ潰すのではなく、ビルドアップで持ち味を発揮するタイプなので全体のバランスが大事だと思う。52分、奈良育英カウンターから9番から8番シュート、上に外れる。給水タイムを挟んで53分、一条、右70度35mFK、このタイミングで5番→9番。4番の左足での絶妙なキックが裏の9番へ、触るがスーパーセーブ。超決定機。一条は3番が左サイドバック、9番が右サイドバック、10番が左インサイドMF、20番が左ウイングへ。↓の感じ。
一条 二十−−−十一−−−十七 −−−十番−−十三−−− −−−−−六番−−−−− 三番−二番−−四番−九番 −−−−−一番−−−−−
59分、奈良育英、右CK、8番の右足はファーに流れる。11番が下がったので再び8番がキッカーに。63分、奈良育英6番の右クロスが流れ13番左シュートも上に外れる。決定機。65分、奈良育英8番切れ込み左の大外で待っていた13番がボレー。0−3。66分、一条10番がドリブルで突っ込みこぼれをシュート。こういう強引な仕掛けももっと早く出してほしかった。68分奈良育英6番?→21番。右ハーフ。69分奈良育英9番→3番、一条13番→22番。結局0−3で終了。奈良育英の強さが嫌というほど出たゲームだった。
後半シュート数3(1)対4(2)、CK数0対3、GK数6対4、オフサイド数0対2、クロス数2対3、ファウル数1対5、FK数3対0。
奈良育英はとらえどころのない9番と8番が効いていた。開始1分の得点後も攻め続け、両サイドハーフのタフなアップダウンも見事。どこが相手でも勝負できるだろう。ただ、守備的なチームが守りを固めたとき、パスワークがそれほどでもないし、絶対的な高さもないのでどうするか?
一条はやはりバランスが悪かった。ウイングを置いているのにクロスが上げられないのは、中盤でのビルドアップがなかったからだ。そして上がりすぎてバックラインに負担がかかっていた。10番当たりがリーダーシップをとって攻撃の修正が出来ればいいのだが。
なお、試合後、今度は一条保護者の方にコーヒーをいただきました。ありがとうございます。
さて高校女子は全国高校総体に各県1枠はない。各都道府県大会で優勝したうえで地域大会、この場合近畿大会で2位以内に入らなければ全国への道は開けない。そして近畿2枠を争うのは京阪神と決まっている。奈良のチームは正直なところ近畿大会では上位に入れないだろうし、サッカー経験者自体足りないだろう。だから競技レベルとしては期待できない。しかし全力を尽くす限り、競技レベルを問わず楽しめるというのがサッカーというもの。そのことをことのほかサッカーでは(サッカー部ではなかったとはいえ)馬鹿にされ続けた弱小校出身の私なら十分に理解している。
高校総体奈良予選女子決勝 奈良育英−登美ヶ丘 新庄健民 13時 ピッチ並 晴
奈良育英 登美ヶ丘 −−−八番−−十一−−− −−−十三−−七番−−− −−−−−−−−−−−− −−−−−−−−−−−− 十五−十四−−十番−七番 六番−十六−−八番−十一 六番−三番−−二番−四番 九番−二番−−十番−十四 −−−−−一番−−−−− −−−−−一番−−−−−
プログラムがないので選手名とか経験の有無は不明。なので主観的に判断しています。奈良育英では確実なキープ力と両足でしっかり展開できる10番は確実に経験者。その相棒14番も確実に経験者だろう。バックラインの統率が出来る2番、ポストプレーヤ―の11番、スピードが武器の8番も脅威だ。対する登美ヶ丘では圧倒的存在感があり、カバー、機をみたオーバーラップ、美しいフォームのキックのリベロ10番と寄せ方が抜群にうまいストッパー2番、中盤で安定した捌きを見せる8番が経験者だろう。特に10番は国体選抜に絡むレベルの実力者。マッチングの力関係は奈良育英11番の身体の強さに登美ヶ丘2番は奪えないが、足元でつつく守備が出来、自由にさせない。そのため8番のスピードを活かさせない感じ。中盤では体格もある奈良育英10番が登美ヶ丘8番の寄せをものともせず捌き、逆に登美ヶ丘8番の捌きをよく妨害するが、登美ヶ丘10番が上がると止め切れない感じ。全体としては奈良育英が攻撃に優れ、登美ヶ丘が守備に優れた感じである。登美ヶ丘はキーパーのキックが伸びず、ゴールキックも10番が担当。両者ゴール前までいい形で運べないので、シュートが少なく中盤での潰し合いが続く。13分、奈良育英10番が左足ミドル、弱いがとりあえず撃って流れを作るいい判断。14分、奈良育英11番へ当て、登美ヶ丘2番が激しく寄せるも潰せず、しかし9番が寄ってきて奪う。9番は左利きでスピードある寄せとカバーが売り。奈良育英10番は引き球などで味方が上がる時間を作れるので攻めが厚くなる。一方登美ヶ丘が機をみてリベロ10番が爆発的な攻め上がりを見せる。スピードもあり、一気に前線まで運ぶ。しかし奈良育英は2番のラインコントロールでオフサイドを取りに行く。2番はキック力もある。15分、奈良育英2番の左CK、右足もゴールラインを割る。キック精度なら10番の方が上だが、ゴール前の高さを考えて10番をゴール前に置いといた方が得策という判断だろう。14番も同じ理由かな?18分、再び登美ヶ丘10番の加速するドリブルで持ち上がり、8番に当てて裏に出てシュートはサイドネット。登美ヶ丘10番は奈良育英10番でも止まらない。登美ヶ丘10番のプレーを見て奈良育英も慎重になり、しばらく膠着する。しかし終了間際、登美ヶ丘10番が3度目の加速するドリブルでオーバーラップ、裏へ出すが13番オフサイド。前半は0−0で終了。
前半シュート数1対1、CK数2対1、GK数2対1、オフサイド数1対3.クロス数2対0、CK数0対1.ファウル数4対1、FK数0対0。
後半開始。いきなり奈良育英7番の右クロスを15番に流れてシュート、外れる。この試合初の決定機。43分、登美ヶ丘、またもリベロ10番が攻め上がり右CKゲット。ファーに流れ8番押し込めず。47分、登美ヶ丘GKパントキックが伸びず奈良育英10番へ、ミドルはワンタッチ、右CKへ。これは逸機。左フィード、15番抜け出しシュートはGKに当てる。決定機。奈良育英7番→19番。そのまま右ハーフ。51分、奈良育英11番ポストプレーから10番右クロスも登美ヶ丘14番が絞って防ぐ。登美ヶ丘の両サイドバックはかなり守備的。給水タイム。登美ヶ丘10番のオーバーラップが影を潜めている。58分、奈良育英右パスを15番ハンドも主審見逃し。左CKで19番足を痛める。2番の左CKはクリア。登美ヶ丘6番→4番。左ハーフ。登美ヶ丘も10番のFK、放り込みは奈良育英クリア、カットした8番、ドリブルもGKクリア。登美ヶ丘13番→5番。FW。奈良育英10番の右FKの際、登美ヶ丘の要の8番が足を攣っている。10番のシュートは正面。登美ヶ丘はずっとシュート撃ててない。登美ヶ丘8番→3番。ボランチ。8番は足を攣っただけでなく、痛めていたし、下げたくはないだろうが仕方なかった。しかし要の選手を失い、シュートも撃てず、登美ヶ丘は絶体絶命である。70分、登美ヶ丘10番が時間帯をみた切れ込みで裏に出すがオフサイド。結局0−0でタイムアップ。
後半終了。シュート数4(4)対0、CK数2対2、GK数0対4、オフサイド数0対2、クロス数3対0、ファウル数9対4、FK数1対0。このまま延長に入るが登美ヶ丘は10番の上がり以外勝機を見出せそうにない。
10分ハーフの延長3分、奈良育英8番裏に、登美ヶ丘2番スライディングタックル。7分、登美ヶ丘10番の左CK右足はミスキックこぼれを入れるがオフサイド。11分、奈良育英右CK2番のキックが10番に、撃てず。延長前半終了。
後半、登美ヶ丘がはっきり布陣を変える。↓
登美ヶ丘 −−−五番−−七番−−− −−−−−−−−−−−− 四番−三番−−十番−十一 十六−九番−−二番−十四 −−−−−一番−−−−−
守備を2番に任せ10番を上げて奈良育英の中盤を封じる策か。
延長後半4分、奈良育英10番スルーパス19番左シュートはブロック。完全に登美ヶ丘はPK戦を意識している。しかし延長後半8分、奈良育英、左CK2番のキックを10番落とし8番右隅に押し込む。1−0。この時間帯、登美ヶ丘10番も痛んでいて、PK戦以外の選択肢はなかった。結局奈良育英は優勝した。
走力で奈良育英が上回った。基本的に一部の選手を除いて一芸選手なのだが、長所を組み合わせてチームを作っている。10番と14番の支配力が最終的に登美ヶ丘のスタミナを奪い、キャプテン2番がラインを上げたこともあって、登美ヶ丘に繋ぐスペースを作らせなかった。登美ヶ丘は8番が中盤でスタミナを削られ、10番も前半のオーバーラップで決められないうちに上がるスタミナを削られた。FW陣の素材の差が勝負を分けた気がする。登美ヶ丘10番はカリスマ系のキャプテンで、一番輝いていたが、裏を返せば登美ヶ丘が10番に依存していたということでもある。
奈良育英は近畿大会では八幡商クラスあいてならいい勝負になるのではないでしょうか?そのくらい力をつけた。
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