2015年01月24日(土) |
大阪府1部リーグ 興国−G大阪B 仰星ー桜宮 |
日本の高校生のサッカーリーグは頂点に全国リーグ(東西)のプレミアリーグがあり、その下に9地域リーグのプリンスリーグ、そして不正確だが都道府県リーグがある。その中で大阪1部リーグは激戦区となっている。近年大阪の育成は素晴らしく、北陸や山陰、四国などの人材を送り出す輸出大国に加えてJクラブもあるのに、大阪の高校は全国制覇を狙える高校が多く、プリンスも半分は大阪勢で、しかも大阪1部リーグからは1チームしかプリンスに上がれないために、1部リーグに強豪が詰まっている。一昨シーズンは大阪1部の履正社が全国ベスト8、それもロスタイムに追いつかれてのPK負けであり、その履正社は昨シーズンプリンス昇格即優勝してプレミア参入戦にも勝ち、昇格した。大阪1部なら全国上位を狙える、そういうリーグなのだ。興国もそういう強豪の一つ。対するG大阪Bはその名の通りBチーム。昨年度Bチームがプリンスに参加したのは青森山田、富一、サンフレッチェ広島の3チームだけ。激戦区関西でプリンスに上がるのは並大抵のことではない。正直残留ギリギリという予想だが、果たして強豪・興国にどこまで対抗できるか?
大阪府1部リーグ 興国高校−ガンバ大阪ユースB 9時30分 鶴見緑地 人工芝 晴れ
興国 G大阪B −−−十番−−十一−−− −−−十四−−九番−−− −−−−−−−−−−−− −−−−−−−−−−−− 七番−四番−−八番−九番 十七−八番−−十番−十一 六番−五番−−三番−二番 四番−六番−−三番−二番 −−−−−十二−−−−− −−−−−一番−−−−−
G大阪B 1渡辺健太2杉山天真3川島洋斗4山下令雄17芝本蓮6小林和矢10小西雄大14佐藤倭8林実祈9久本侑弥
興国は10番がフリーマン。前線から組織だったプレスを掛ける。G大阪は後方からビルドアップを狙うも次々にパスがぶれて奪われる。興国も持った時は後方でじっくり回すが、なかなか攻撃のスイッチが入らない。たぶんショートカウンターも繋いで崩すサッカーもできるチームにしたいのだろうが。結局は5番の左足フィードと10番が下がっての決定的パスや11番の正確なキックなど、特定のタレントに依存している。中盤インサイドはミス多し。G大阪は10番の左足の組み立てと2番の鋭い上がり、8番の安定感などが軸だが、中盤が前向いて受けられないので、そもそもその形に入れない。10分、興国10番カットイン、右の9番に預けタメて2番に落としシュート、上に外れる。決定機。13分、G大阪B、サイドチェンジ、2番にわたるが興国の戻りが早く右クロスはブロック。17分、G大阪B裏を取り9番狙うがブロック。19分、興国9番の右CK右足5番が落とし10番シュートは上に外れる。20分、興国、9番の右クロスをファーで落とし、中にこぼれるがクリア。26分、興国フォアチェックから10番の必殺のスルーパス、7番決める。1−0。27分、キックオフ直後、一直線に攻めたG大阪B決定機もセーブ。この時間帯G大阪は足を高く上げてのデンジャラスプレーを2回取られる。五分の浮き球に体ごと行かず、足先だけ上げて触りに行くからだ。当たりの弱さは何度も観られた。30分、興国、右CK,9番のボールに8番競り、こぼれるがDFクリア。アゲイン。記憶が定かでないが、9番が競って(ということは左CKを11番が蹴ったということ)、こぼれを10番がシュート、GKパンチ。31分、スルーパスに7番左パス、2番ミドル、外れる。更に10番が右足で左クロス、9番へ、DFカット。38分、興国7番ペナ内で倒れるがPKならず。47分、興国、ロングスルーパス、7番から14番ループ、ワンタッチあって左CKへ。これは活かせず。結局前半は1−0で興国リード。
前半シュート数は7(4)対4(2)、CK5対2、GK2対7、オフサイド1対1、クロス数5対1、ファウル数3対6、FK数0対0。明らかに興国の方が強い。個々の能力もそうだが、組織力で上回っている。G大阪Bとしては1点ビハインドなら上出来だし、むしろリーグ戦の戦い方としては、大量失点してもいいから玉砕的な戦い方よりも、力関係で劣勢なことを痛感しつつも粘り強くロースコアで食らいつくことが重要だ。
46分(後半1分)、G大阪B、4番の左クロスがファーに飛び、だれも詰めていないのに興国DFが何故かゴールライン方向ではなくゴール方向にクリア、これがゴールインで1−1。高校生のミスだから名前は伏せるがあまりにも原理原則にのっとっていないミスだった。49分、興国6番→15番。53分、興国フォアチェックからスルーパスが9番に通り1対1を右に流し込む。2−1。57分、G大阪B、14番が裏を取り左クロス、ニアで9番ポストプレーも反転シュートはブロック。13分、興国カウンター、攻撃3人、DF1人、7番が切り返してシュートに行くがブロック。超決定機。G大阪Bはこういう無茶攻めでバランスを崩すのは良くない。あくまで1点差で粘り強く食らいつくべきだ。60分、興国スルーパスが9番に通り、正面から突進してペナちょい外で倒される。警告はなし。正面17mFK。8番が強めのボールを蹴るが、ゴールのはるか上。興国ベンチ「そこから落として決めればお前はプロや」。まあその通り。緩いボールを隅狙いでよかった。隅に飛べば至近距離だしGKは絶対に防げないのだから。61分、G大阪10番・14番→12番・13番直後に興国3番の処理ミスを奪ったG大阪B13番シュートはGKキャッチ。決定機。65分、興国左CK、GKと競ってファウル。65分、G大阪B17番→7番。67分、興国、3番から9番へ、DF吹っ飛ばし1対1は左に外れる。超決定機。68分、興国、9番から14番へ、左上を襲うシュートはGKセーブ。決定機。G大阪Bも11番が裏を取りGK飛出しクリア。76分、G大阪B、誰かに警告。ラフ。78分、G大阪Bが押し込み、明らかにオフサイドポジションの選手を囮に16番がループパス受けて決めるが、この選手もオフサイド。不満をあらわにして抗議するが、ハーフウェイラインの延長上から見る限り、この選手もオフサイドだったぞ。主審も「2人ともオフサイド」と言っている。79分、興国12番に警告。ラフ。G大阪B、誰か?→15番。この後興国は巧みに時計を進め時間を稼ぐ。92分、10番のスルーパスに9番左足に切り返しシュートはブロック。しかし左CKは時間稼ぎに費やされ、結局興国が2−1で勝利した。
後半シュート数は5(3)対2(1)、CK数5対3、GK数1対6、オフサイド数3対5、クロス数3対2、ファウル数6対5、FK数2対0。力の差はあった。この後の試合も含めて興国は優勝を争うであろうチーム。特に10番のアイディアと技術は圧巻だった。G大阪Bとしては半年のうちに興国レベルに追い付けるか?正直3対0の力の差はあった。それを1点差負けにまで持ち込んだのは、大健闘だし、むろん興国の決定力不足もあった。G大阪はいきなり強敵と当ったことで、大阪1部リーグの恐ろしさを思い知ったことだろう。それを1点差負けに凌いだことで今後の展望が見えてくる。つまり勝てる相手には確実に勝ち、厳しい相手には勝ち点を拾い、負けても点差をつけられない、そういうリーグ戦の戦い方だ。この日バックラインで繋げなかったことで日々の練習に高い意識で臨めば、タレント揃いだけに、シーズン終盤には回せるようになるだろう。その時にどれくらいの順位につけているかだ。
大阪府1部リーグ 東海大仰星高校−桜宮高校 12時 鶴見緑地 人工芝 晴れ
仰星 桜宮 −−−八番−−四一−−− −−−−−七番−−−−− −−−−−−−−−−−− −−−−−八番−−−−− 七番−五番−−四番−十八 十四−十八−−六番−二十 三番−六番−−十三−十四 三十−四番−−五番−二番 −−−−−一番−−−−− −−−−−一番−−−−−
桜宮のフォメは6番1ボランチの4−1−4−1にも見えることは触れておく。ただ8番はトップ下なので攻撃時は18番が高めを取る指示なのかもしれない。20番・14番のポジションも高めだが試合が進むにつれ下がっていったので、このフォメ表記にした。
力関係では明らかに仰星が上回る。ただ仰星も一昨年の安井や昨年の江郷下のような強烈なタレントが見当たらないので、押しながらも押し切れない。決定機までは至らず、何となししながらも桜宮に守られている。9分、仰星5番が左CKを右足で担当。15分、仰星、ペナ左角から5mほど離れた場所でFK、中に入れてこぼれはクリア。更に正面30mFK、これも5番が蹴るが壁。こぼれを放り込むがオフサイドと思いきや取らず、しかし逸機。8番はなかなかいいキープを見せる。20分、桜宮正面25mFK、こちらも5番の右足シュートは壁に当たり右CKに。これを8番蹴って20番が高いヘッド、決まって桜宮先制0−1。25分、仰星、右60度25mFK、5番が入れて13番の前を過ぎる。超決定機。26分、仰星18番の右クロス、GK触り逸機。28分、仰星カウンターで4番が持ち、2にんのFWがゴールに向かいと見せかけて41番がいいタイミングで右スペースに流れて受けて右クロス、8番が決めて1−1。直後にも18番のスルーパスが通りかけるが桜宮カット。桜宮も7番がペナ内で倒れるが明らかにノーPK。37分、仰星スルーパスも桜宮GKいい判断で出てクリア。42分、右CKが流れて左CKになった仰星5番のショートを5番に戻し左足で上げていいボールも何とか右CKに逃げる。この右CKは中でヘッドがバー、こぼれをループヘッドは上のネットへ。超決定機。41分、仰星左CK5番のキックは7番に合いシュートはGKキャッチ。前半は1−1。
前半シュート数6(2)対2(1)、CK数6対1、GK数2対4、オフサイド数1対0、クロス数2対1、ファウル数6対9、FK数3対1。
ハーフタイムで桜宮2番・14番→27番・28番。30番が右サイドバックに回り、27番が左サイドバックへ。28番が左ハーフ。明確に4−2−3−1への変更と思われる。52分、仰星7番→11番。しばらく仰星は混乱していたが、やはり徐々に押す。しかし優勝を狙える仰星としては引き分けは面白くない。逆に桜宮は相手の焦りを待つ策か。59分(後半14分)、仰星41番→2番。仰星ベンチ「ポジション変えるで」。2番は左ハーフに。11番が上がる。15分、仰星5番左クロスに18番シュートもキックミス。桜宮18番が拾って11番と8番をかわす。62分、桜宮8番突っかけて、左80度22mFK。5番狙うが壁。64分、仰星、右CKから8番ヘッド、ブロック、アゲイン。22分、仰星14番が仕掛けて11番のクロスは中で競り合ったボールが空中に浮き、何とか桜宮クリア。67分、仰星、右30度30mFK、逸機。69分、桜宮8番→26番、70分、桜宮20番→9番。桜宮9番右クロスもブロック。仰星4番と5番は労を惜しまぬいいボランチ。74分、仰星4番左へ、18番右クロス、スルーしてファー2番シュート、上手く合わず。決定機。75分、仰星2番→10番。交代選手を下げた。11番と8番の2トップで10番がパス出し役。5番の右CKに13番右足で合わせるが右に外れる。80分、14番右クロス、ヘッドは上に外れる。86分、仰星左クロスに11番ヘッドは右に外れる。この時間帯桜宮は走り回って耐えるのみ。しかしこの時期勝ち点1獲得にこれほどまでに執念を燃やすチームがあるだろうか?桜宮は最後の高校選手権のように死力を尽くし、感動的とさえいえるような頑張りだった。89分、仰星10番→28番。これも交代選手。桜宮も26番→15番。結局1−1で終了。死力を尽くしたゲームでした。
後半シュート数は7(2)対1、CK数5対1、GK数2対10、クロス数13対2、ファウル数5対4、FK数1対1。 明らかに仰星ペースだったが、仰星は勝ち点3を奪えず、桜宮は勝ち点1を拾った。リーグ戦では勝てるゲームは勝ち点3を取った〜!、厳しいゲームは勝ち点1を拾った〜が重要だ。桜宮は勝ち目の薄い流れと力関係の中、勝ち点をきっちり稼ぎ、満足すべき結果ではなかろうか?逆に仰星は痛い引き分けだ。
この日観た4チームではやはり興国が図抜けている。そしてG大阪Bと仰星が追う。桜宮は残留が最大の目標になるだろう。興国は確実に勝ち点を積み重ねられるか?そして仰星とG大阪Bは厳しいゲームをモノにできるか?G大阪Bは下級生やこの時期中学生もいるので、どの程度適応し成長するかがポイントだ。
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