| 2014年12月01日(月) |
皇后杯全女1回戦 ハリマー清水第八（11月30日） |
共にチャレンジリーグ。ハリマは今期勝ち点４１の５位。対する清水第八は勝ち点３で最下位の１８位。ハリマは高校最強レベル・全国高校総体３連覇中の日ノ本学園高校から姫路日ノ本短期大学経由で上がってくる選手が多い。近年の日ノ本学園は鋭く速いパスをつなぐサッカーになっているが、以前は圧倒的なフィジカルを前面に出した肉体派のチームだった。
皇后杯全日本女子選手権１回戦
ＡＳハリマアルビオン−清水第八プレアデス
１４時 三木防災公園陸 ピッチ良 晴れ
ハリマ 清水第八
−村川−−千葉−−斎藤− −−−三浦−−馬場−−−
−−−−−−−−−−−− −−−−−堀内−−−−−
−小谷野−岡島−中島−− −八巻−−松下−−宮川−
酒井−藤本−−西山−代田 小田−川内−−小林−井上
−−−−−桐畑−−−−− −−−−−丸山−−−−−
ハリマ 監督：田淵径二
ＧＫ １ 切畑琴乃 ９２・１２・１４ １６６・７０ 姫路日ノ本短期大学
ＤＦ ２ 西山衣美 ９１・１１・２４ １７０・６３ 姫路日ノ本短期大学
４ 藤本まどか ８４・１１・１５ １６４・５５ 姫路日ノ本短期大学
９ 代田美希 ９２・０４・１６ １６２・５３ 姫路日ノ本短期大学
２２ 酒井望 ８９・０８・０１ １５６・５３ 岡山湯郷Ｂｅｌｌｅ
ＭＦ １０ 小谷野優 ８８・０３．２８ １５０・４６ 姫路日ノ本短期大学
１４ 中島千尋 ９２・０９・１６ １５５・５６ ジェフユナイテッド千葉レディース
１５ 岡島絵里 ９１・０６・０５ １６５・５８ 姫路獨協大
ＦＷ ６ 村川紗貴 ９０・０７・１５ １６４・５２ ＦＣ高梁吉備国際大学Ｃｈａｒｍｅ
１３ 齋藤愛 ９２・０９・０４ １４７・４６ 姫路日ノ本短期大学
１６ 千葉園子 ９３・０６・１５ １６５・５８ 姫路日ノ本短期大学
リザーブ
ＧＫ ２１ 杉本葵 ９１・０７・１２ １６６・６２ 大阪体育大学
ＤＦ １９ 山口紗矢 ９１・１０・２７ １６２・５５ ＦＣ高梁吉備国際大学Ｃｈａｒｍｅ
ＭＦ ３ 波佐谷灯子 ８８・０５・０３ １６３・５４ 新潟医療福祉大学
ＦＷ １７ 籾井美香 ９１・０２・２６ １６５・５８ 姫路日ノ本短期大学
２０ 町田朱里 ９３・１２・０２ １６７・６５ 武蔵丘短期大学シエンシア
清水第八 監督：山梨京子
ＧＫ ２０ 丸山紀美 ９０・０６・０７ １６２・５４ Ｆ．Ｃ．ゴールＱ’ｕｅｓｔ
ＤＦ ４ 小田彩香 ８１・０６・２９ １５７・４８ 前登録なし
７ 小林菜津美 ９２・０４・０８ １５８・４８ ジュ ブリーレ鹿児島
１２ 井上裕理恵 ８５・０８・１９ １６５・５６ 広島フジタレディースＳＣ
ＭＦ ６ 宮川朋子 ８７・０１・１１ １５８・５４ 日本体育大学
８ 八巻琴美 ９５・０９・２９ １６０・５３ 常葉学園橘高
１０ 松下紀美 ８２・０８・３０ １５５・４８ スペランツァＦ．Ｃ高槻
１９ 堀内沙也香 ９４・１１・１４ １６１・５４ スペランツァＦ．Ｃ高槻
ＦＷ ２ 川内絵里香 ９１・０８・１７ １６９・６３ バニーズ京都ＳＣ
９ 三浦香子 ７９・０４・２２ １５３・４５ バニーズ京都ＳＣ
１５ 馬場早優美 ９２・０１・２２ １５９・４５ 大阪体育大学
リザーブ
ＤＦ ３ 谷口絵美 ８５・０１・０４ １５８・５８ 京都紫光ＳＣ
１３ 肥留川海生 ９３・１０・１９ １５４・５５ 成立学園高校
１８ 英美佐 ９１・０５・２１ １４７・４７ ＨＯＹＯスカラブＦＣ
ＭＦ ５ 金城若菜 ８２・０１・２０ １５５・４８ 大阪体育大学
１４ 佐藤楓 ８８・１２・０３ １５３・５０ ＡＣ長野・パルセイロ・レディース
私はトップレベルのサッカーにおいてはテクニックとアイディアなんて綺麗ごとだと思っている。なでしこジャパンの女子ワールドカップ優勝の要因はたまたま澤というフィジカルと精神力に恵まれた人材がサッカーという競技を選びテクニックと戦術眼を備えた大選手に育ち、他にもフィジカルに恵まれた選手が育ったためだと思っている。競技人口の少ない日本女子サッカーとしては僥倖と言うしかない。丁寧に限られた選手を育てた指導者をくさすわけではないが、アメリカ１７０万人、ドイツ１２０万人の競技人口を本質的に上回っているわけではないのだ。日本の女子サッカー人口が増えるにつれて宮間のような身体能力に低いが鍛え抜かれている選手が中心選手になれる時代はそう続かないと思う。とは言え、私は清水第八のような綺麗ごとのほうが好きだ。出来れば技術とアイディアを磨いた選手の中にたまたまフィジカルに恵まれた選手がいる、という方が好みには合う。理性はフィジカルに恵まれた選手を大事に育てるべきだ、と言っているが。
ハリマは立ち上がりすぐ両サイドバックが左利きなことに気付く。つまり右サイドバック代田もレフティーだ。ハリマは圧倒的な体格を活かした当たりの強さで中盤を支配し、スピードと運動量でスペースを突き、突破力も凄い。止めて蹴る基本もしっかりしている。これに対し、清水第八は集散の早さで数的優位を確保し、身体を巻き付けるような守備で自由にさせない。テクニックはさすがで、短いパス主体に細かいサッカーを披露する。４分、ハリマ��齋藤右クロス、カット。右ＣＫを㉒酒井が左足で入れる。６分、清水第八が裏を取り��三浦が突っ込み、倒される。微妙な判定に見えた。ＰＫ。これを三浦が蹴り、右隅に飛ぶがＧＫ桐畑がセーブ。超決定機。９分、清水第八��三浦が左足でミドル、セーブされる。１２分、ハリマ、��岡島裏を狙うが身体を入れられる。直後にもハリマ、右に展開から��齋藤がカットインシュート、正面を襲う。決定機。１６分、清水第八�∪酘癸藤法⊂紊乏阿譴襦�キック力はありそうだ。２２分にもハリマ㉒酒井、左足で入れるがクリア。２５分、ハリマ��齋藤にに清水第八が両側から同時にチャージ、しかし跳ね返す。というか両側から同時に当たられて、ベクトルが相殺された感じがあるが、マンガ的なシーンだった。２６分、ハリマ��小谷野が裏を取り１対１、セーブ。ハーフボレー。その左ＣＫ、ＧＫキャッチ。２７分、ハリマ�粟虱佞�右に開いてクロス��小谷野がファーで合わせるが、外れる。決定機。３１分、ハリマ、�粟虱佞�左から突っ込みシュート、ＧＫナイスセーブも��中島が蹴り込む。１−０。３７分、��中島が裏へ一発のパス、��齋藤が抜けて飛び出したＧＫを外して無人のゴールに流し込む。２−０。終了間際にもハリマがシュート、右に外れる。決定機。清水第八はテクニックがあるのだが加速力がないので突破できない。一瞬外すことはできるので、パスはつなげる。４５分、ハリマ��中島に警告。遅延。
前半シュート数１２（７）対４（２）、ＣＫ数３対１、ＧＫ数１対５、クロス数４対０、ファウル数８対１、ＦＫ数０対１。ただシュート数ほどハリマは崩せていない。やっているサッカーも日ノ本学園ほどの柔軟性は感じない。関西予選ではＰＫ戦でハリマが勝っているが、実力的には日ノ本の方がうえではなかろうか？
ハーフタイム、清水第八��松下→��佐藤、��井上→��肥留川。
後半の入りも清水第八がいい。やはりサッカーを分かっている。左ＣＫから波状攻撃を見せるなど素晴らしい出だし。そして�ぞ�田がゴールキックを蹴る。小田は前登録なし。つまり清水第八でサッカーを始めたことになる。キック力が示すように運動能力の高さが、このレベルでサッカーを続けられる要因なのだろう。これに対し、ハリマはサイド攻撃を徹底し、クロスを入れまくる。５８分、��中島の左ＣＫ，ＧＫファーでパンチ。６１分、㉒酒井の左クロスをＧＫキャッチ。６２分、左スペースを突いた��小谷野が左クロス、ＧＫキャッチ。直後にも�粟虱佞�左に流れクロスは何とかカット。決定的なクロス。千葉は体格もあるけどサイドに流れるタイミングが上手い。６５分、左スペース、㉒酒井から�β疾遒悒轡紂璽箸郎犬乏阿譴襦�ハリマはポジションチェンジを多用。清水第八は集散が鈍くなり、数的優位を作れないため、だんだん１対１を作られ、厳しい局面へ。６７分、正面から��中島ミドル、右上隅セーブ。決定機。右ＣＫへ。観客２８３人。右ＣＫはヘッドも上に外れる。７０分、清水第八��肥留川→�Ｃ�口。怪我により交代出場選手を下げることに。７２分、ハリマ、左ＣＫを岡島が蹴り�粟虱佞�ニアで高いバックヘッド。決まって３−０。清水第八の守備が甘いんじゃない。体格差があっていいタイミングで動き正確なボールが入れば防ぎようがない、というゴール。７６分、ハリマ��中島→�洩皸罅�８２分、スルーパスに�β疾鄙�り込むもＧＫキャッチ。８５分、ハリマ��齋藤→籾井→斎藤と崩し左シュートは正面。８６分、ハリマ��小谷野→�環�田。８７分、清水第八��佐藤ミドルも正面。ロスタイム、清水第八、放り込みに�∪酘皀轡紂璽箸魯屮蹈奪�、こぼれ��八巻シュートもブロック。最後までハリマの集中が切れず、タイムアップ。３−０でハリマが勝利した。
後半シュート数５（２）対２（２）、ＣＫ数６対４、ＧＫ数３対４、オフサイド数０対１、クロス数９対３、ファウル数２対３。
まあ力関係から言って順当な結果、スコアだった。清水第八はサッカーの要点を押さえていたが、先天的な能力差が大きかった。�粟虱佞箸���中島や��小谷野といった主力は自由に飛び出しフィニッシャーとして活躍。ポジションチェンジから言って、ハリマの理想のサッカーがフィジカル頼みではなく、もっと上を見据えたサッカーかも知れない。吉備国際大はなでしこリーグに上がったように、ハリマも将来なでしこリーグ１部に上がるかもしれない。現時点ではやや力不足も感じたが、若い割にはかつての日ノ本学園のフィジカルでの優勢を前提にしたサッカーからは脱却しつつある。なかなか楽しみです。
公式記録
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