サッカー観戦日記

2014年03月21日(金) 大垣フェスティバル アカ福−岐阜工 履正社−香川西

サッカーファンならおなじみだが、春のこの時期は公式戦は昔はなかった。リーグ戦が導入された近年でもスケジュールをあけていることが多い。なぜなら全国各地で招待試合、いわゆる「春の高校フェスティバル」が開かれるからである。非公式の大会ながら、大きな大会だと参加チームのネームバリューは公式の全国大会よりも高かったりする。近年だと福岡のサニックス杯なんかそうですね。各地方大会の優勝校やクラブのトップが参加する。で、その時期に行なわれるのが伝統ある大垣フェスティバルだ。大垣市内各所で行なわれるが、今年は笠松町に岐阜県フットボールセンターが出来たこともあり、そちらも会場に含まれている。新しい設備だし、興味津々で向かった。

ルートは岐阜駅からのバスか笠松駅からの町営バスの2択。笠松町ルートを選択した。ばすは2時間に一本なので予定をきっちり立てる。スポーツ交流館前バス停で下車。木曽川堤防を越えた河川敷に各種競技のグラウンドがある・まっすぐ進むと左手に人工芝、右手に天然芝グラウンドが見える。何の表示も無いが、これが岐阜県フットボールセンターらしい。FC岐阜が練習する天然芝は状態が非常に悪い。人工芝ピッチの脇には車が3台置いてあり、更衣室になっている。そしてそこに始めて「岐阜県フットボールセンター」の文字が・

バック側中央に陣取り観戦体勢に入る。1時間前から岐阜工はアップ開始。声を全員で出してのジョグに始まりジグザグダッシュなど走り中心のメニューの後、対面パスやシュート練習。ややアップの負担がきついなと思った頃。JFAアカデミー福島(以下アカ福)が軽くジョグしてストレッチを入念に行い、ボールを使ったアップは5分くらい。対照的な両チームである。
大会は35分ハーフ。




大垣フェスティバル グループリーグ初日
JFAアカデミー福島−岐阜工
岐阜県フットボールセンター 3月21日 13時30分 ピッチ人工芝 晴れ 強風

アカ福          岐阜工
−−−九番−−十番−−− −−−−−九一−−−−−
二番−−−−−−−−十八 六五−−−十九−−−七二
−−−十七−−八番−−− −−−八五−−三番−−−
十一−五番−−七番−三番 七一−七五−−八十−四番
−−−−−一番−−−−− −−−−−七三−−−−−

たちあがりからアカ福がつなぎ、岐阜工はロングボール中心になる。岐阜工は風上。しかし先にアカ福が抵抗する。御殿場で活動しているからなあ。長身CF91番はアカ福7番の厳しい寄せの前に潰され、しかも正確にヘッドで跳ね返され、2列目が全く拾えない。それでもたまに繋げる様になると技術とアイディアのある19番が起点になり、崩しにかかる。19番は小柄ながら身体を張れる選手でもあり、守備でも奮闘する。72番は快速で右を二度破るシュートチャンスを作った。しかし2度ともファーに外す。ニア上を破りたい。3番は普段はフィジカルを生かしてボールキープしつつ展開力を活かすタイプなのだろうが、アカ福の寄せの前に何も出来ておらず、攻守に中途半端。85番との距離感が悪く、チームとしての課題だろう。4番は粘り強い守備が出来、アカ福2番をよく押さえていた。71番はレフティーで左足からの角度をつけたグラウンダーパスは見事。しかし浮き球のフィードを狙えるときでも狙わず、プレーが2次元的だ。FKを任される選手だし、出来ないはずは無い。もっと積極的にプレーすればいいのに。GK73番は超反応が光るGK。上背は並だが、シュートストップに長けたGKの存在は大きい。

アカ福はGK1番が的確に指示を出しバックラインをコントロール。7番は体格もあるけど、競り方が抜群にうまい。岐阜工91番に完勝。5番はクレバー。十一番はどう見ても中盤の選手のバックライン起用。高い技術で中にカットインし起点になる。その前方の2番は逆にSBがテスト用に中盤起用されているとしか思えない。技術は並だが、裏を取る動きは見事。岐阜工4番と対峙した時は突破できないが、裏を取ってチャンスを作る。8番はサッカーを分かっている選手。自然体でボールが集まり、岐阜工が攻めるときもきっちり潰しに言っている。17番の展開力も見事。18番は基本的にはドリブラーなのだが、上がるタイミングが抜群のいい3番を上手く活かしている。3番は足腰が強く、当たり前しない。10番は下がってはいいターンを見せ、前を向いてからのアイディアが豊富。9番も点を取るだけでなく、連動して崩す動きが見事。

さて21分、圧倒的に支配するアカ福は18番の右パスを中で9番が潰れると、いつの間にか岐阜工4番の裏をとったアカ福2番が決めて1−0。27分、11番が左足で右CK、折り返して10番ボレーで蹴りこむ。2−0。最終スコアは2−0。

サッカーの試合は通常両者にいい時間帯と悪い時間帯が交互に来るものだが、この試合はアカ福のいい時間帯か、こう着状態かで、岐阜工の時間帯がなかった。常にアカ福がボールを回し、当たり勝ち、詰まれば逆サイドに展開し、支配を続ける。メンバーを変えてもクウォリティーが落ちない。個人能力でも組織力でもアカ福が上と言わざるを得ない。とはいえ岐阜工も磨かれていないタレントはいるので、今後劇的に変わる可能性はある。CF91番は直線的に動くのではなく、変化をつけて動けばアカ福7番の餌食にはならなかっただろうし、ボランチも距離感を考えれば、攻守に絡めたはず。CFはボランチに集まれば、19番の才能を活かして、攻撃を分厚く出来るし、SBの攻撃参加も期待できる。この時期はチーム力よりもタレントの有無が重要だ。その意味では岐阜工にも見るべき点は多々ある。アカ福は相当強いです。プレミア優勝も狙えるんじゃないかなあ。強いて難点を挙げるなら、外しまくったこと。2点差で終わる内容ではなかった。岐阜工は72番を途中からFWに入れて、7番(1番?)を右ハーフに入れて速い攻めをしようとするが、策は実らず。まあ現時点では勝算がなかったです。




バスが極端に少ない関係で、この試合は途中で帰らなければいけない。岐阜行きのバスと笠松行きのバスがある。岐阜行きが16時05分。ということは15時55分には会場を去らなくてはならない。笠松駅行きも16時23分にあるが、これを逃すと2時間待ちなので、安全策を採用した。14時55分のキックオフも5分押しで焦りが募る。


垣フェスティバル グループリーグ初日
履正社−香川西
岐阜県フットボールセンター 3月21日 15時 ピッチ人工芝 晴れ 強風

履正社          香川西
五三−−−二四−−−二十 −−−八番−−三十−−−
−−−四八−−四四−−− −−−−−二六−−−−−
−−−−−二六−−−−− −三八−−六番−−二一−
十七−三六−−二七−二五 三一−五番−−三六−四四
−−−−−三三−−−−− −−−−−一番−−−−−

履正社は関西プリンスに上がって来た選手権全国ベスト8チーム。香川西もプリンス四国上位常連であり、好勝負を期待していた。しかし1分。履正社24番の足元に入り、ポストから右の20番へ。右上隅に決めて1−0。履正社は今年も徹底的に繋ぐチーム。そのキーマンがレフティーのボランチ26番だ。展開力とキープ力に秀で、相手の寄せが甘いと2人をかわす力もある。香川西がすかさずトップ下26番をマークに行かせると。48番と44番が受けに来て組み立てる。こうなると香川西は21番と38番が下がるようになり、攻撃に絡みづらくなる。21番はサッカーセンス抜群で、攻撃時には積極的に突っかけ、アクセントになるが、攻守に負担がかかりすぎる。しかも履正社は24番が最前線で起点になれるだけでなく、サイドに流れてタメを作ったりと柔軟な攻撃で、香川西は対抗できない。6分には左寄りで受けた24番がシュートも右に外れる。超決定機。香川西30番は素晴らしいドリブラー。しかし孤立していて厳しい。21分。履正社20番が右クロス、香川西DFがペナ内で辛うじて触り、ボールが浮くが、これを履正社24番が超反応で打点の高いオーバーヘッド! 決まって2−0.大抵の選手なら生涯ベストゴールクラスですよ。反射神経と身体能力があってのゴール。香川西はダイヤモンド型の中盤が守備に追われ、攻撃にならない。26番は守備専用のトップ下としか思えない。履正社26番は左足FKや右コーナーも蹴るなど、キック精度が抜群。後は守備力がどのくらいか見たかったが、この試合では分からない。香川西は選手のポテンシャルはあるが、チームの完成度が低いので、プリンスの序盤は苦労するだろう。

後半4分、履正社、交代出場の56番が決めて3−0。これで完全に勝負あり。その後も履正社が攻め立て、香川西が耐える展開。16分になったところで、バスの時間なので会場を後にする。

10分で着くバス停には岐阜駅行きのバスと、笠松駅行きのバスがあるが、ギリギリで岐阜行きを逃した。10分の目算は甘かった。10分ほど待って笠松行きに乗車名鉄特急に乗って、岐阜駅に着きJRに乗り換えるが、強風のため大幅に遅れている。さらに岐阜・滋賀県境が吹雪いていてストップも頭をよぎったが、まあ普通に走って米原へ。雪も収まり、無事に帰宅するのだった。


 < 過去  INDEX  未来 >


T.K. [MAIL]